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【見るのは】ヤバイ物置き場、(18禁?)【自己責任】

193リーチ一発駄コテさん:2006/05/17(水) 00:00:01
「いやぁ。みんな、どうしてるかなぁーとか。ね。思って」
 ちょっとだけ安心したような、くつろいだような声。小さな音。壁にでも
寄りかかってクッションでも抱えているのだろうか。
「みんな、元気ですよ。たまに部長のことも話します」
「お、嬉しいな」
 ころころと笑う。部長がいなくなってもう一年以上だ。
「なんかあった? みんなは変わりない?」
 電話の向こうから伝わる、少女のくすくす笑いを含んだ声。耳に気持ちの
いい、懐かしい声。
「ええ。あー。……なんですか」
「なによ? なになに?」
 彼女の声に好奇心がたっぷりと塗られる。ジャムだったらトーストからこ
ぼれそうなほどだ。
「一部青春くさくなってますかね」
「うっわー。なんですか、それっ! 私にも聞かせなさいよぅ」
 ちょっとあきれたようなダガーの声に、少女の声がこたえる。口を尖らせ
て抗議している表情がわかるほど、感情豊かな声だった。
「いや、なんかそれはね、ほら」
「意地悪だなぁ。ダガー君はぁ」
 ぷんぷんと怒った声で愚痴っぽくつぶやく。
「ご活躍おめでとうですよ。だんだんあちこちで名前を眼にするようになり
ましたね」
 苦笑じみた気持ちでダガーは穏やかに矛先を変えることにする。
「いやー。お恥ずかしい限りっ。下っ端ライターだからさ。あたし。ほら、
何でもいわれる仕事はオールグリーンで受けまくりなのよ。コネ作らないと
ねー」
 屈託なく笑う声。事情はそのとおりなのだろうが、充実しているのだろう
なダガーは推測する。その上で、彼女の声に隠された響きに思いを馳せる。
なにか面倒やトラブルがあって電話してきたのではないか。
 別段トラブルを持ち込むような人ではないが、寂しくなければ電話をかけ
てこない人でもあると、ダガーは知っている。


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