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民明書房〜FF編
226
:
(・ω・)
:2004/09/13(月) 13:30 ID:4gqF66wI
痛流派師(つるはし)
その昔いまだ鉱山が開拓されていなかったころ、猛獣、魑魅魍魎が山師を脅かし負傷者は続出していた。
されども刀、槍などが手元にあるわけもなく、山師たちは日ごろ自らが振るい続けている採掘道具によってのみその身を守ってきた。
その護身技術は親方から弟子へ、山師から山師へと受け継がれ、洗練し、ついにはあらゆる魔物とも対等に戦える高みまで上り詰めた。
その道で有名となったのは道具を鋳造する具師(ぐし)の玄(げん)という男であり、自ら鋳造した採掘用の特殊な形状の斧をもって、上奔(うぇほん)と呼ばれる魔物を一昼夜に及ぶ死闘によって滅殺したという。
残念ながら玄は鉱山の事故によりその命を落とすこととなったが、彼の最後の仕事場であった鉱山を、彼の勇士を残すため具師、玄と呼び、彼の鋳造した形状の斧を、痛みを与える流派の意の痛流派師(つるはし)と名づけた。
現在も玄を初めとする勇名は猛獣、魔物に知れ渡っているようで、つるはしを担いだ男の姿を見ると恐れをなして遠巻きに見るのみだ。
余談ではあるが、彼のライバルであり、戦友でもあった男の開発した斧を魔挫狩(まさかり)と呼ぶのも同様の故事を持つ。
民明書房発行「奥様必見!今月の家庭器具100選」より抜粋
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