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【思いを】日記スレ【綴れ】

529随筆「ルシアン」第十一段三部:2005/06/07(火) 21:28:30 ID:U2FkL9N2
ついに大結界石が姿を現した。
四方に配置された結界石をすべて破壊すると中央に大結界石が生成され、
それを壊すことがすなわち攻城側の最終目標である。
などと要らぬ解説を入れてみもしたが、ついに勝利の一歩手前まできたのだ。
肝心の制限時間まではしばらく余裕もあり、気持ちも栄光の気分に半分浸っているようであった。
しかしここへきて防衛側も負けじと死力を尽くしているようで、
結界石への攻撃は難航しさらに結界石へ続く通路にもこれまで以上に地雷を配置されたため、
放射能のお守りが尽きたメンバーたちの進軍は遅くなり始めていた。
戦いの終幕は突如訪れた。
何度目かの突撃が失敗し、復活地点へ戻されたときだった。
我がクラブの勝利を告げる文字が、画面に大きく掲げられたのだ。

なにが起こったのか分からないというような様子で、周りにいたクラブ員ともどもしばらく立ち尽くしていたが、
メンバーの一人が歓声を上げるとそれに続くように他のメンバーたちの時間も再び動き出した。
そしてひととおりクラブチャットに喜びとねぎらいの文字が並んだあと、
対戦クラブへの挨拶のためにメンバーたちが玄関口へ駆け出してきた。
ねぎらいの言葉が各所から両クラブへ掛けられ、改めて大きな喜びに浸るなか、
決着の瞬間を間近で見られなかったのが少し残念だったなどと思いもしたが、
やはり勝ったことの感動はそれよりも強くただ晴れた笑みを浮かべていた。
そして要塞内部に戻ったあとの大結界石跡での記念撮影も、
要塞所持クラブの証である指輪の授与も、新鮮でなによりかけがえのないものだと思えた。
ただ悔いがひとつだけある。
それはこのクラブのマスターが長い間不在であり、結局今日の要塞戦にも復帰が間に合わなかったことだ。
パスワード自体はサブマスに伝えてあるため、指輪の引き出しこそ難はなかったが、
やはりお世話になっている、自分にとっては過去形だが、
マスターがいてこそのクラブであり要塞戦だっただろうにという思いが強いのだ。
もうひとつマスターが不在という点で悔やまれることがあるのだが、
それはまたつぎの段に持っていくとして、今回は勝利と門出を祝う美酒に酔いしれるところまでで終わりたい。




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