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【思いを】日記スレ【綴れ】

492随筆「ルシアン」第三段:2005/05/04(水) 15:44:29 ID:2OqxVGV.
セルバス紀行

森を抜けた。
その先に広がるセルバス平原にいるのは蜂にサソリに猫に木に、あとは見慣れた骸骨に。
まだ森から出てきたての人間には、
ひしめくアクティブモンスターの中で刀を振るうのはややきついものがあるようだ。
辺りを見回すとこの先にある紅玉洞窟に行く途中なのか、
こちらよりいくらかLvの高い武器がちらほらうかがえる。
あとからきたのに追い越され、足の遅さと時代の流れは憎いものである。

ところどころに張り巡らされた柵は行く手を遮ってくる。
矢印を掲げた標識も、あさっての方向を意味もなく示している。
森とはまた違った緑に降り注ぐ日の光には、眩しさを感じるほどだ。
また軽快なテンポの0021:First Runが歩調とシンクロして、さらに気分は昂るようである。

途中モンスターを倒しながら進んでいたとき、ホースビーから銅の盾改を手に入れた。
それまで装備していたバックラーと取り替えたことで、物理防御補正にして3の上昇にしばらく悦に入っていた。
膨大な時間を消費する性質のMMORPGでは、
一歩一歩確実に進んでいく、そんなある種のシミュレーション感覚が愉しいのだろう。
ふいにそんな2や3の上昇が与えてくれる"悦び"や"愉しみ"がいまの世界では壊されているようだ、と感じた。
まさに現在実施中のイベントでは、かつてその感覚を壊した装備が1等2等と並んでいるようだ。
こういった装備の実装を嘆く人、
そのほかイベントでのみの配布という点に異議を持つ人も少なからずいるようだが、
"手に入れられない妬み"
それらの思いがそんな風に片付けられる世界など、実に悲しいものである。
しばらく歩いていくと、濃く青い水面が目に映る。
と同時に森の小道側にはいなかったクレミノも、次第に視界に入るようになってきた。
さらにひとつ平原を奥に進むと見慣れない、しかし既に手ごたえのないモンスターが溢れている。
一気に、駆け抜ける。
そう心に決めると印象強い彫刻も、モンスターたちも目の隅に押しやられそして消えていくようだ。
忌々しい気分も一緒に洗い流しながらひとしきり走り続けると、カウルがすぐそこまで見えてきた。
―著者解説―
実は随筆という形をとったのは、毎日書くのが嫌だからだったり。
と言いつつも、狩りよりも文章の推敲のほうが楽しくなってきたような気もするが。




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