ウメハラ総合図書館7

530：俺より強い名無しに会いにいく＠転載禁止：2018/09/10(月) 16:56:04 ID:kCqlkKgA00: 157+5 ：俺より強い名無しに会いにいく＠転載禁止 [sage] ：2018/09/10(月) 15:05:19 HOST:vR7/1GIA00 (1/4)
罪人たちが暮らす小さな村
その村外れの楢の木に、一羽の鷹が止まっていた

木の上にじっと留まり、目を伏せる鷹の姿を見て
村人たちは彼を「祈りを捧げる鷹」と呼んだ

その年、三度目の作付けが済んだある日
村人たちは聞いた
遠く離れた海の方から、とても綺麗な音が鳴り響いたのを

村人たちは見た
それまでぴくりとも動かなかった鷹が
目をカッと見開き、翼を広げ、海の方へ飛び立って行ったのを

鷹の姿が遠く離れ、地平線の向こうに消えた時
村人たちはようやく気づいた
鷹は祈っていたのではない
綺麗な音を探していたのだと

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