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ダンゲロスSS上海 応援スレ

89シンフォニア伊吹:2026/01/04(日) 23:27:20
 三人目の男。
 革張りのソファで寝転がる男は、少年と言って良いくらいの外見だ。
 ただ、身に纏う衣服は三人の中で最も異端だ。
 何せ、少年が着ているのは、スーツでも軍服でも無い。ボロボロの、漆黒の漢服だ。いつの時代のものかすら分からない。まるで時代劇か何かの撮影から抜け出してきたかのような出立ち。
 少年の流れるような黒髪長髪、切長の鋭い眼光は、どこか妖艶な雰囲気すら漂わせる。
 にも関わらず、その口から突いて出るのは、三人の中で誰よりも古めかしい言葉遣いだ。あらゆる要素が噛み合わない。

「のう倭人。この儂——藺烏黒が言うんじゃ。もっと楽にしてくれてええ。どうせここにはジジイ連中しかおらん」
「おや、心外ですなぁ烏黒さん。この道明寺晴満、歳はとっても衰えたつもりは毛頭ありませんぞ」
「全くだぜ!俺を誰だと思ってやがる!シンフォニア伊吹に向かってジジイとは良い度胸だ!」

 三人の視線が交錯する。
 そうして、一瞬の沈黙が過ぎ去ったあと、一斉に笑い出した。

「「「あははははははは!!!!」」」

 何が面白いのか。各々膝を叩き、腹を捩って笑っている。

「ぁあ、可笑しいったらありゃしねぇ!いま誰かが入ってきたら、ここにいるジジイは俺一人だと思うだろうぜ!?ところが、そんな俺が一番のガキンチョときた!」

 タキシードの大男がナプキンで口元を拭うと、座った状態のまま犬歯を剥き出しにして笑う。

「改めて自己紹介させてもらうぜ。号名『謳歌闘魂』。シンフォニア伊吹だ」

 シンフォニア伊吹。
 その名を聞いて知らぬ者はいないだろう。
 別名、『謳う闘魂』。
 シンフォニア・日本プロレス総帥。
 日本プロレス界の黄金期を支え続けた、プロレス界の伝説である。
 はち切れんばかりの筋肉と頑強な骨格が、威風堂々たる貫禄を形作る。
 プロレスラー、興行師、実業家、政治家、音楽家としても超一流。
 その一挙手一投足が、伝説的な威厳に満ち溢れている。
 
「では私も改めて自己紹介を。日本防衛省秘密部隊統幕第五特殊別班部隊、および旧帝国陸軍情報部上海支部長、道明寺晴満と申します」
「魔幇客分、藺烏黒じゃ。『烏黒』でええ」

 かくて、清王朝のダイヤを巡って混沌が渦巻く魔都上海で、密やかなる夜会が静かに幕を開けた。


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