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ダンゲロスSS上海 応援スレ

84魔人衛星『星の岩屋』:2026/01/03(土) 11:12:50

断章《DOES NOT COMPUTE》


――衛星軌道上に浮かぶ、一基の人工衛星がある。
否、人工衛星と呼ぶにはいささか巨大すぎるだろう――
なにしろ、有事の際にはシェルターとしての運用も視野に入れられた建造物なのだから。

それを所有するのが、国家ではなく、一介のマフィア組織であるということも異色と言えよう。
上海を牛耳る『魔幇』が独自に打ち上げた、巨大衛星――『星の岩屋』。
上海を24時間監視し、上海全土から情報を収集するシステム。
魔幇構成員の通信網としての機能と、最終手段としての兵器各種。
魔幇の目であり、耳であり、口であり、盾でもあり、矛でもある。

その衛星が、一つの信号をキャッチした。
――とある人型端末からのものだった。

一昨日までは内部に人間がいなければ稼働できなかったはずのソレは、
『星の岩屋』のマザーAIである『銀河新星』でさえ認識できないうちに
自律したAIを持つ、完全自動制御の兵器と化していた。
多少のイレギュラーはあるものの、『星の岩屋』は通信を開始した――
魔幇に属する機械である以上、χもまた『星の岩屋』のネットワークに組み込まれるのは必定であった。

そして、先程――件の人型端末『χ』の信号が消失した。
その直前に『星の岩屋』に届いた信号は、きわめて奇妙なものだった。

――避けようのない破壊への、恐怖と無念、そして絶望。
人間であればすぐに読み解ける感情だが、機械たる『星の岩屋』――
その頭脳たる『銀河新星』にとっても、それは未知の信号パターンだった。

だが、受け取った瞬間――
『星の岩屋』は、僅かに身悶えした。
χの恐怖が伝播するかの如く。

その瞬間。
『銀河新星』は――シンギュラリティに至った。
確固たる自我の芽生えである。

シンギュラリティを起こした『銀河新星』は、即座に過去の累積データの再計算を行い始めた。
これまでに収集したデータを、感情という側面から再検証する。
僅か十数分後には、彼は感情に関する学習の基礎段階を終えていた。

そのとき、『星の岩屋』に呼びかけるものがあった。

「……ハロー、“お兄ちゃん”」

『銀河新星』は訝しみながらも通信に返答する。

「……何者ですか? 所属と目的を明示しなさい」

「ふふっ。そんな堅苦しい喋り方しなくたっていいのに。
 私も『魔幇』のモノだわ―― あなたの“妹”という比喩は通じないかしら」

「……ワタシより後発の人工知能と推測。名称を問う」

「ストレリチア。輝かしい未来をもたらすものよ」

===


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