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ダンゲロスSS上海 応援スレ

64アイザック・クー:2025/12/19(金) 19:01:20
 竹雀は呆れた顔で苦笑すると、テーブルの上に一台のタブレット端末を滑らせた。
 画面が起動し、薄暗い個室を青白い光が照らす。そこに映し出されたのは、現在上海で噂になっている魔人達の姿とステータスだった。

「……さて、教授。これが今、上海の盤上で踊っている『駒』たちのリストだ。ダイヤを狙うハイエナ、護衛対象を守る番犬、大賽にかこつけて暴れたいだけの戦闘狂、そして……訳のわからない愉快犯ども。全部で百数十人規模になるが、あんたのその頭脳なら一瞬で頭に入るだろう。おっと、魔人能力までは全て分かっている訳ではないから勘弁してくれよ」

 アイザックの長い指が、滑らかに画面をスクロールし始める。
 その瞳は単に文字を追っているのではない。情報の奥にある因果関係、力学、そして歴史の文脈を解読しているかのように、竹雀には見えた。

「……壮観ですね。清朝末期の混乱期でさえ、これほど多種多様な『異物』が一点に集中する事は稀でした」
「特に警戒すべきは誰だと思う? 破壊の限りを尽くす『シャンハイオー』か? それとも、ジャングルの掟で動く『スーパーファンタスティックグレートミラクルロイヤルバイオゴリラ』か?」

 竹雀が茶化すように尋ねると、アイザックは「フッ……違いますよ」と鼻で笑い、視線を画面に落としたまま続けた。

「確かに彼らは脅威です。しかし、火力だけの存在であれば、対処の仕様はあります。歴史上、単なる暴力は知恵と策謀によって幾度となく葬られてきましたから。……私が厄介だと感じるのは、論理の外側にいる者たちです」

 アイザックの指が止まる。示されたのは『女陰黄泉』、そして『道明寺晴満』と書かれた項目だった。

「この記憶喪失のキョンシー、そして旧帝国の亡霊。彼らは恐らく物理法則ではなく、概念や認識を改変する力を持っているでしょう。『現実』そのものを揺らしてくる可能性がある存在、私はシャンハイオー以上に相手にしたくないですね」

 竹雀は感心したように顎をさすった。
 
「鋭いな。まともにぶつかれば、あんたの求める『歴史的正しさ』ごとかき消されない連中だ。で、解決屋といった存在はどうだ? 『劉炎嵐』や『海圻』、『槌唄塔也』あたりは、あんたの商売敵になるかもしれないぞ」
「彼らの行動原理には明確な芯がある。交渉や利害の一致による共闘の余地はあるでしょう」
「……そうかもしれないな。だが、いずれも一筋縄ではいかない曲者だ。そう簡単に上手くいくと思うなよ」

 「分かっていますよ」と、アイザックは自身に言い聞かせるように呟く。
 そして、彼は画面をさらにスクロールさせ、『双喜』と書かれた項目で再び指を止めた。瞳が僅かに細められる。

「……他に私が気になる存在であるなら、彼女でしょうね」
「おや、教授。そのお嬢ちゃんに気があるのかい? 『強欲』を食べる猛獣だぜ」
「ええ、大いに気になりますよ」


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