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キラキラダンゲロス2 応援スレ

32柘榴女:2024/07/14(日) 18:03:32
神様。
母への告白が終わりました。

長々とお時間をとらせ申し訳ありませんでした。
罪人の息子の、どうしようもない旅路の果てを見送っていただきありがとうございます。

誰にも知られるわけにはいかない旅路なれど、本当に誰にも知られずに終わるのは悲しすぎる。あまりにも愚かでちっぽけな私の我儘も、これで幕を閉じます。

嗚呼、神様。

…柘榴女は、私の母は、悲しんでやる価値もない外道でしょう。
あの人は、子を思う母を沢山殺しました。
母を思う子を山ほど殺しました。

そして、私には母の死を悲しむ資格などないのでしょう。
大勢の、母を亡くし子を亡くした遺族にとって、柘榴女の痕跡を消されるということは無念を晴らす機会を一生涯奪われるということなのですから。


────しかし私は、狂い続けたあの人が、ふとした瞬間に昔のような優しい笑顔を見せていたことを忘れられないのです。


神社で。鬼神のような強さの武侠を相手に惨めに這いずりながらも勝利を掴んだ姿を。
立体駐車場で。鬼神すら打ち倒す狩人を相手に躊躇わず火炎放射器を飲み込んだ姿を。
地下鉄で。顔のない殺人鬼相手に激情を漏らす姿を。

私のために、散々傷つきながらも戦ってくれた姿が忘れられないのです。
分かっています。分かっているのです。
あの人を哀れむべきではないと。
あの殺戮の日々を肯定してはいけないと。

ただ、今日この瞬間。
あの人の痕跡はこの世から消えます。柘榴女についての情報はすべて消え失せるのです。



───嗚呼、神様。どうか今日だけは、あの人の、お母さんのために涙を一つ流すことをお許しください。



■■■


かつてマー君と呼ばれた大男は、柘榴女の、母の無残な死体写真をじっと見つめた。

そこに、希望はなかった。
その女は、目先の安易な偽りの希望にしがみつき、無辜の民を殺戮した故に。

そこに、夢はなかった。
その女は、自らの欲望のために、数多の美しき夢を踏みにじった故に。

そこに、奇跡はなかった。
その女は、強き願いの奇跡を理解しながらも、その価値を顧みず噛み砕いた故に。


ただ、そこに愛は────

誰も知ることが無くても、愛だけはあった。あったのだ。


それを理解しながら、かつてマー君と呼ばれた大男は、柘榴女の死体写真に火をつけた。
この世に唯一残る柘榴女の証跡が燃えていく。

こうして、最悪の殺人鬼の痕跡はこの世から残らず消える。
そうして、柘榴女が、愛息のために我が身を削り続けた10年間の記録も消える。

灰となって風に消えていく写真は、どこか火葬を思わせた。
大男は一つ涙を零した。


その涙の意味を知るものは、神以外にこの世にはいなかった。





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