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ダンゲロスSSヘル✿流血少女 本スレ

1piera:2022/09/17(土) 23:54:19
本スレになります。
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2榑樫:2022/10/05(水) 21:40:25
お疲れ様です。
あまりにもプロローグが短く不親切になってしまったので、5000字強の幕間を急いで拵えたのですがこちらで公開してもよろしいでしょうか…

3榑樫:2022/10/05(水) 22:28:07
幕間掲載が無理でも一応対戦相手様に伝えておいた方が良さそうなプロローグの誤字がございますのでそちらだけでもここに書き残しておきます。
冒頭ブレファケロスと書かれている部分ですが、正しくはブレファロスタ(blepharostat)です。
混乱させてしまって申し訳ございません。

4榑橿(1話の前日譚的な幕間だけど別世界です):2022/10/16(日) 21:05:14
おはよう、ブレファロスタ。

この声は相変わらず君に届きはしないが、気にしていても仕方がない。
今日は10月3日。
夏休みが終わってからおよそ一ヵ月、あの怠惰な日々が懐かしくなくなってくる頃合いだね。
君は今、私立姫代学園に普段通り登校している真最中だ。
重いボストンバッグを背負いながらも綺麗に背筋を伸ばして歩く姿には感心するよ。

さて、君にはある刻限が迫っているということを本能が告げているはずだ。

15日間、あるいは360時間、もしくは21600分、はたまた1296000秒、だったけど今は12959924秒。

細かい数字は数えていても仕方がないにしても、とにかく君に残された時間はたったそれだけだということをよく心がけてもらいたい。
既に“詳述片某"の一切が君の頭の中には入っていることだし、伝わりもしない忠言に意味がないとしてもこれぐらいは言っておかないとね。

地下鉄姫代学園前駅で電車から降りると、ホームに隣接した改札を出て地上に繋がる階段へ。
ブレファロスタ、君のバッグは大きいのだから他人にぶつからないように気をつけてくれ。
この駅で降りる客のほとんどは君と同じ学園の生徒だし、自宅が遠い生徒の多くは寮住まいだとしてもだよ。
ああ、言わないことではない。
全身外骨格超重量級女郎くも相撲部部員に接触し、階下へと転がり落ちていく。

「怪我はない?マドモワゼル・ロンシュータン」

君を受け止めたのは級友の不居潟(イズカタ)さん。
彼女も恐らく君と同じく魔人なのだけれども、私はこの子の能力についてよく知らない。
急に勢いをつけて転がり落ちてきた君を危なげなく受け止める膂力は明らかに人間離れしているが、君も彼女もそこに言及することはなかった。

「ロンシュータンってなに」

抱き抱えられて移動しながら君は尋ねる。

「中華圏のお菓子だよ。糸状の飴で豆類なんかの具をぐるぐる巻きにしてあるやつ。今の榑橿さんそれにそっくりだから」
「どういうことってうわあクモ大きくて怖い取って」
「良いけどさっきからずっと糸巻かれてたのに気付いてなかったんだ」

バスケットボール大の身体をした鮮やかなイエローの蜘蛛は級友の手でポリ袋へ速やかに突っ込まれる。

「それとできればそろそろ下ろしては貰えないだろうか。このままでは不特定多数の目撃者にお姫様だと思われてしまう。私はミステリアスキャラで行きたいんだ」
「糸でおくるみかでかい繭に見えるから大丈夫だよ。赤ん坊ならまだしもUMAはすごくミステリアスだと思う」
「どちらも不本意ゆえ御免被る」

なんとか説得して地面に下ろしてもらった君は、友人に手伝ってもらいながら体に貼りついた糸を道傍で剥がしていく。
通常サイズの蜘蛛糸であれば千切れてしまって服に断片が残るだろうが、糸の太さに比例して強度が上がっているらしい。
粘着力は逆に下がっているようで、ガムテープよりも簡単に剥がれて手元に巻き取られていく様子は見ていて面白い。

しかし全身外骨格超重量級女郎くも相撲部とは一体何なのだろうね。
私はユニフォームらしきものに書かれた文字から姫代学園という文字を抜いて読み上げただけだから正直な所全くその概要を掴めていない。
私の質問に答える者などおらず、疑問が疑問のまま消滅するのも毎度のことだから追究は望まないけどね。

「くも相撲部も全国大会前だから気合が入ってるね。ここまでの量で巻かれてる人は初めて見た」
「うむ、付き合わせてしまって面目ないが、そのクモを返す際には同道願えるだろうか。今は凶暴化と生体強化の最終段階だろうし、部外者が部室へ入るだけで餌にされかねないからな。聞いたか?血の踊り場事件の犯人は大会前に逃げ出した大蜘蛛だったというじゃないか」
「その噂の出元はチェーンメールらしいけど、あんまり突飛な内容を真に受けちゃダメだよ。大会前で特に気が立ってるだろうし、付いて行ってもいいけどそういうのおくびにも出さないようにね」
「助かるよ。噂については信じてるわけじゃないさ、そんな噂があることが怖いというだけでね」

思いもよらずくも相撲部の情報は増えたが、別にわざわざ部室に寄って欲しかった訳ではないんだがなあ。
先程のような常識離れした大きさの蜘蛛が壁や天井を這い回っていることを想像すると背筋が凍る。

「よし、とりあえずこれを受け取ってくれ。これは転落死を免れた分と、糸を取り除く手伝いをしてくれた分の礼だ」

ボストンバッグを掻き回し、君は水色の包装を取り出した。

「別になんてことはないんだけれどね。これ何が入ってるの」

5榑橿(1話の前日譚的な幕間だけど別世界です):2022/10/16(日) 21:06:40
「今日は洋菓子。いつも言っているけれど早めに食べておくれよ、手作りだから」
「毎度、毎度。昼休みにでも頂くね。ケーキっぽいものは初めてじゃない?」
「うん、そうだね。くも相撲部にこの後付き合ってくれる分は何が良いか考えておくが、リクエストがあれば受け付けよう」
「いつにも増して太っ腹だあ。そんなに1人で行きたくないの?」
「できれば卒業までに一度も近づきたくは無かったさ。それでも一応愛玩動物の落とし物となれば届けないわけには行かないし、自分がぶつかったというのに不居潟さんに任せっきりというのも何だからね」

ブレファロスタ、君は意外と真面目だな。
私は恐ろしげな場所に近づかずに済むならば、人に任せるか蜘蛛を逃すぞ。
まあ、何というかここでの君の立ち位置が多少は見えてきたかな。

最後に“詳述片某”が発動する前、君は3人の相手に贈り物をしていた。
渡した相手に関する情報は省くとして、君がその3人に与えたイメージはそれぞれ“強い虚栄心の持ち主”、“貢ぎ癖”、“真面目”、に近いものだったのだろう。

“詳述片某”は、それぞれの要素が矛盾していようと他人が持つ君に関するイメージを統合し、次の君を生成する。
今のブレファロスタはその産物という訳だが、真面目ぶった君を見るのは新鮮だ。
虫の巣窟を覗くのは気が進まないが、面白いからなるようになれ!

校門を潜り、君達は教室にも寄ることなく部室棟へ直行する。
歩くのは両脇に文化部の部室が並んだ廊下だ。
窓を暗幕で覆っていたり、防音室になっていたり、電灯が点いていなかったり、点滅する古い蛍光灯が真っ直ぐに連なる外は薄暗く、カタカタと何かの物音がするぐらいで人気もない。

目的地は、廊下を進んで突き当たり左にある階段を登った三階に出てすぐだった。

引戸に白い画用紙、“全身外骨格超重量級女郎くも相撲部”の文字がカラフルなポップ体で浮かんでいた。
部室と廊下の間の高窓からはLEDの透き通った力強い白色光が漏れ出る。

相撲部と名付けられていても文化部だったのかと考える私を他所に君は3度ノックし、返事らしきものが聞こえると戸を引いた。
ドアは二重造りになっており、開けたそばからもう一つ同じ形が立ちはだかったが君は一つ目と同じくそれを開ける。

室内は光を反射するロープ様の糸と、異様な密度の綿毛めいた白食の束、デミタスの水面が如き暗い光沢の瞳が無造作に、無数に並び、戸を閉める動きや君達の動き一つ一つに反応して万華鏡のように姿を変える。

「早く閉めて。くもちゃん達が逃げたらどうしてくれるの」

部室内にいた人間は1人。
確か萱津(カヤツ)さんという一つ上の学年の子。

「ああ、これは失礼。落とし物を届けに来ただけです。こちらを置いてすぐに出るので」

言われた通りにドアを閉じると、君は袋に入った蜘蛛を萱津さんに手渡す。

「…これはどこで?」

萱津さんは君を見つめた。
気のせいか、若干睨まれているような…

「登校時にそちらの部員と衝突してしまって、その勢いで落としてしまったようなのでお届けに」


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