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第19次 生徒会陣営応援スレ

29諏訪早苗@Range:2019/01/21(月) 22:29:11
(2)
列車が八王子駅を出た辺りで、早苗の携帯電話に連絡が入った。
「…はい、諏訪です」
「中静です。早苗さんですね」
「鈴鹿さん!」
電話の相手は生徒会長の中静鈴鹿だった。
「ハルマゲドンは私達の勝利です。番長グループが白旗を挙げました」
「…ただ、玻璃乃さんや三千川さん、高砂さんは亡くなったんだね」
「…ラムダさんもです」
陣営が勝利したとはいえ、軽くはない犠牲。早苗は黙ってしまった。

「その後、番長小屋を捜索したところ、興味深い資料を見つけました」
「どういうこと?」
「その資料には長谷部校長のアウェイクン計画について書かれていました。資料は書きかけの状態でしたが、もしこれが完成していれば、ハルマゲドンは起きなかったかもしれません。
番長グループにその資料のことを問いただしたところ、資料については何も知らないが、出てきた場所は貴女の彼がいつもいたと言っていました」
彼がアウェイクン計画の資料を作っていた?もしかしたら彼はハルマゲドンを止めたかったのだろうか?
「…彼はどうなったの?」
「番長グループによると、ハルマゲドンの前に殺されており、死体は番長小屋の近くに置かれていたようです」
彼はハルマゲドンの前に殺されていた!?だからハルマゲドンには参戦していなかったのか…。
彼はハルマゲドンにおいて強力な魔人だと認識されていたため、番長グループも彼の死を必死に隠していたのだ。
彼の死が明らかになり、早苗はまた泣いた。もう、彼には会えないんだ…。
その時、列車は丁度立川駅に到着した。立川で降りる乗客は、早苗の姿を見てさまざまな顔を浮かべた。

列車が立川駅を発車すると、鈴鹿は言葉を続けた。
「…彼が亡くなった事に、私もとても残念に思います」
「うん…」
「私も、この事を伝えるか悩んでいました。伝えない方が、貴女にとっては幸せではないだろうかと。
…けど、いつかは貴女もその結論に辿り着くのではないかと思い、すぐに伝える事にしました。旅の途中にごめんなさい。
…今は、心の傷を癒す事に集中してください」
「…うん、分かった。ありがとうね」
「最後に一つ、彼と親しい番長グループのメンバーによると、彼はハルマゲドンが終わったら、彼女と松本に行く約束をしていると言っていたようです。…もしかしたら、彼も貴女のことを忘れていなかったのかもしれませんね」
「…そうなんだ…」
そう言うと、電話は切れた。
彼の死は悲しかったが、同時に彼がハルマゲドンに参戦しなかった理由も分かり、早苗は何処かで安堵していた。


そして3月になり、早苗は再び中央本線を下る事を決めた。
…日帰りで行くから、甲府までしか行けないけど…。
せめて亡くなった彼に車窓を見せてあげようと、彼の写真を持ち、早苗は特急かいじへと乗り込んだ。
これで、彼との約束は果たせたかな…?


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