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ダンゲロス冥王星祭応援投稿スレ

21紅井ファントム:2017/01/11(水) 19:25:03
「待ちなさいっ!!」

 その時だった。壇上を指さし、マッチョネスに挑む一人の少女の姿があった!!

「む、誰です……? 私の踊りに魅了されないとは……」
「私はっ……の星岡 レン! よく分かんないけど、イベントの前にこんな事するのはルール違反なんじゃないの!?」

 レンは元々電脳生命体であり、それが「パラダイム・ドライブ」によって無理やり実体化した存在である。
 そんあ彼女の電子頭脳にはどうやら新春マッチョネス音頭が効果を発揮しなかったようだ。

「生意気な……。貴方も可愛さだのなんだのを売りにしてやってきたアイドルですか……」
「わ、私は確かにアイドルだけど……可愛さだけで勝負しに来たわけじゃないよっ!!」

 マッチョネスはレンの素性を知らず、小賢しい可愛さで人気取りをする存在の例えとしてアイドルという言葉を持ち出しただけなのだが、そんなことは二人の知る由ではなかった。
 ボールを手に抱え、赤いユニフォーム姿の可憐な電脳アイドル・レンと、逞しいマッスルポーズを決め、壇上で筋肉とワキ毛を見せつけるワキガ大帝・マッチョネスが今、対峙する。

「ふんっ……ならば、これが避けられますか!? 喰らえっ!! ワキガッ!!ビィイ――ーム!!」

 マッチョネスが両腕を雄々しく広げ、そのワキ毛を惜しげもなく晒すと、そこから謎の光線が飛び出した!
 光線は放射状に広がり、四方八方へと拡散していく!!

 ドゴーン! バゴーン!

 ワキガ・ビームが会場中に飛び散り、その辺のコンクリートやら地面やらを粉砕し、爆音を巻き上げる!
 ……が、レンはボールを蹴りながら華麗なドリブル・テクニックでその光線の間を掻い潜る!!

「なんのっ!! これぐらいっ!! 私のアイドルとしての力ならっ!!」
「ほう……やりますね……。ならば、これはどうです? ワキガッ!!チェーン!!」

 マッチョネスが吼えると、そのワキ毛一本一本が伸びていき、レンの元へと迫った!!
 逃れようとするレンであったが、一本一本が触手の様にうねうねと伸び、執拗に迫る無数のワキ毛の群れの前に遂に捕えられてしまう!

「う、うわあっ……!!」
「ふ……これで終わりです……。食らいなさいっ!! ワキガッ!!ボンバァーーッ!!」

 ワキ毛に捕まったレンに向かい、マッチョネスが縮みゆくワキ毛と共に猛スピードで突っ込む!!
 迫る筋肉!! 迫る太い二の腕!!


ドゴオオオオオ……ッ!!


 猛烈な大爆発が空中で炸裂するイメージを、その場の誰もが抱いた。
 マッチョネスの脇が顔面に直撃したレンは、そのまま地面へと沈んだ。

「ぐ、ぐむううううう……、く、臭い……」

 電脳生命体にも五感はある。レンはむしろ仮想世界のエキスパートとして、通常より強く世界を認識するための機能としてより優れた感性を持たされている。
 哀れ、レンはバタンキュウとその場に仰向けに倒れ込んだ。

「見ましたか、ワキガの力……」

 マッチョネスはそんなレンを高らかに見下ろすのだった。


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