そして冬、年末の魔物が脈動する時期、厳戒態勢が敷かれたスレに現れたのは一年以上の延期を重ねた禁断のカード、『鍵を隠したカゴのトリ -Bird in cage hiding the key-』。
しかし中身は、殺人事件で一度は逮捕された容疑者のヒロインが幽閉された洋館で起こるのは、ただのイチャラブという、ミステリーでも何でもない内容で、
それどころか他ヒロインも起承転結をあさっての方向にブン投げて、気が付いたら好きになっていたので後は適当に付き合って終わりという何とも肩透かしの作品だった。
また、今年最もスレを騒がせた『まいてつ Last Run!!』の存在も忘れてはならない。
実力は決して劣るものではないのだが、その実力が発揮されたのはやはり盤外戦であり、感覚的にクソゲーというより「クソ会社が出したゲーム」という事もあり惜しくも選外となった。
それらは最後に物を言うのはゲームの中身そのものであるというKOTYeの審査基準の宿命であり、事態がここまで悪化しなければ問題にはならなかっただろう。
続く『鍵を隠したカゴのトリ -Bird in cage hiding the key-』は、ミステリー、恋愛、友情と様々な要素をどっちつかずに組み合わせた結果、迷走に終わったと評された。
10月、甲高い警笛とともに現れた『まいてつ Last Run!!』は、高い評価を受けた前作『まいてつ』に新規シナリオとヒロインを大幅に追加した、続編であり完全版だ。追加された本編のシナリオのクオリティに概ね問題はないとされたものの、「『まいてつ』本編が全年齢版の移植」「追加ヒロインにはHシーン無し」「既存ヒロインの追加シーン数が少ない」など、露骨なまでのエロ脱却、一般志向を見せ、質と量の高いロリHシーンを価格破壊級の割引でたたき売って集めたユーザーからの怒りを買い、レビューサイトが炎上。削除依頼を出すなどの対応が火に油を注ぎ、長きにわたる盤外戦を演じた。