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【2020】 クソゲーオブザイヤーinエロゲー板 総評審議所

136総評5:2021/06/21(月) 00:18:46 ID:???0
ゾンビ臭が初夏の風に拭われたころ、ensembleが野に放った『Secret Agent〜騎士学園の忍びなるもの〜』が、忍ぶどころか暴れ始めた。
KOTYeの二大鬼門たる騎士と忍者を共に込められた本作は、タイトル発表と同時にハンターに察知されて追跡対象となっていた。
しかしエントリーに至った理由は皮肉にも、詰め込みすぎた設定の消化不良である。
例えば、女性と接するのが苦手な主人公はヒロインたちと普通に会話し、結婚含む将来設計が自由にならない財閥令嬢はスムーズに主人公と結ばれる。
唐突な展開も散見され、最序盤のキャラ紹介イベントが一巡するとヒロイン全員が主人公に惚れており、悪役はいつ改心したのか不明なまま主人公のピンチに駆けつける。
そもそも、近未来である作中において、忍者と騎士の設定はごっこ遊びレベル。
忍者といっても現代風の諜報員で、クナイや手裏剣は忍者っぽさを出すための小道具にすぎず、主人公は忍びなれども忍ばない。
ミスや油断から幾度となく一般人に見つかるだけでなく、素性の隠匿より目前のトラブル解決を常に優先し、時にはクナイを投げてからおもむろに姿を表す。
任務からして、意訳すれば「謎の文○砲使いの正体を暴け」であるため無辜の者に害はなく、上司である母も「青春を謳歌しながら任務を遂行しなさい」と能天気で緊迫感に欠ける。
また、騎士の実態は強権を持つ生徒会役員と各委員会長の集まりでしかないし、学園ならではといえるイベントにも乏しい。
以上をもって、Secret Agent、騎士、学園、忍びなるものの各要素は否定され、タイトルの形骸化は見事に成されたのであった。

夏には、探索先のハンターたちから3通の暑中見舞いが届いた。
ヒロインのヤンデレビッチストーカー出力が高すぎて、主役たるべきメガネ属性が死んでいる『メガスキ! 〜彼女と僕の眼鏡事情〜 伊波乙葉編』、
メイン要素がドロップアイテム収集であるにもかかわらず、会敵機会と戦闘回数に制限を設けてセーブ&ロード地獄を誘発した『創神のアルスマグナ』、
主人公とヒロインを明智光秀と織田信長の生まれ変わりに設定するも、登場人物を総動員した現代豆知識の開陳ラッシュが横行しすぎて麒麟が来ないと評された『彼女がアイツで、俺はだれ!?』、
と続いた選評からは、旅路の順調さが伺い知れる。
その淀みなさは住人たちに滔々と流れる大河を想起させ、酷暑にひとときの涼をも届けたのであった。

しかし、まだ暑苦しい夏は終わらない。
製作がSAGA PLANETSでライターが5人の時点で、かの『カルマルカ*サークル』の二の舞と予想されていた『かけぬけ★青春スパーキング!』が、前評判通りに参戦したのである。
前例に漏れず、ライターごとに人物設定と主題の取り扱いがブレブレで、作品全体を貫き支える軸が覚束ない。
まず主人公は義妹と二人暮らしの苦学生で、敵視している親族からの援助を断固拒絶中という境遇である。
しかし、個別に入るとあっさり援助金に手を付けて遊び呆け、敵役も実は悪人ではなく主人公が誤解していただけと判明する。
プレイヤーが見たいのは壁を乗り越える過程であって、挑まずに諦めたり壁が勝手に消えたりする様子ではない。
ヒロインたちの性格や反応もルートによって異なり、二面性や三面性を遺憾なく発揮している。
また、「青春」という主題も漠然としており、それこそ甘くも辛くも苦くも、どうとでも描けるものである。
それを複数ライターに投げた結果、ジャンルさえもバラバラなしょっぱい事態に。
メタネタパロネタてんこ盛りのドタバタやらイチャラブやら感動系やら、とにかく節操がなく、それでいて大半がド平凡オブ平凡ズな使い古しエピソードの羅列にすぎない。
数撃ちゃ当たる方式では外れ弾が増えるのは自明であり、フルプライスで1〜2ルートしか好みに合わないともなれば、不満の声が上がって当然といえよう。
残念な福袋のような損失感を購入者に味わわせ、改めて複数ライターの危険性を世に示した作品であった。


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