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ミアレの女たち
1
:
名無しのデデンネ
:2015/07/28(火) 22:15:08 ID:2Rl3I1OA0
平和なミアレの昼間。
ある一人の女性がミアレ交番にかけこんだ。
女性「お巡りさん、すみません、娘が、娘が大変なんです」
狼狽した様子の女性。
歳は40くらいだろうか。
歳のわりにルックスは美しくスタイルもいい。
巡査A「落ちついてください」
女性「娘がいないんです。助けて下さい。はやく見つけてください」
巡査A「誘拐ですか?」
女性「違います。娘は旅に出たんです」
巡査は不思議そうな表情で尋ねる。
巡査A「意味がわかりませんな。お嬢さんは旅に出たのでしょう?」
「助けてとはどういうことですか?」
女性は落ち着きを取り戻して手紙をカバンからだした。
巡査A「中身を拝見してもいいですか?」
了承を得て読んでみた。
手紙にはこうあった。
「ママへ、私は今からあの人を殺しに行きます。だから探さないでください。 セレナ」
巡査A「中で詳しく話しを伺ってもいいですか?」
そう言われると二人は交番の奥にある客間に入っていった。
2
:
名無しのデデンネ
:2015/07/28(火) 22:23:11 ID:2Rl3I1OA0
女性の名前はサキ
セレナの母親である。
サキが椅子に座っていると
奥からくたびれたスーツの男がオボンを片手に現れた。
男「はじめまして私はハンサムと言います。」
ハンサム「今回はお気の毒でしたな」
「お嬢さんが行方不明とのことですがもっと詳細をお伺いできませんか?」
3
:
名無しのデデンネ
:2015/07/28(火) 22:31:53 ID:2Rl3I1OA0
サキ「実は昨日のテーブルに手紙が置いてありました」
ハンサム「ん?というとお嬢さんとサキさんは同居されているんですか?」
サキ「はい娘は成人していますが心配なので一人暮らしは許してないんです」
そう言うと机のお茶を飲むサキ
サキ「そして先ほど娘からメールがあったんです。」
ハンサム「サキさん、これはイタズラではないんですか?」
サキ「娘は真面目な子で悪ふざけなんてしません」
口調を荒げた。
4
:
名無しのデデンネ
:2015/07/28(火) 22:41:00 ID:2Rl3I1OA0
ハンサム「失礼ですがお嬢さんはおいくつなんですか?」
サキ「25です。」
そういうと一枚の写真を取り出した。
ハンサムは写真を見る。
そこには紫色のオブジェをバックに美しい女性とやんちゃそうな青年が写っていた。
ハンサム「お嬢さんはお綺麗ですね。」
サキ「ありがとうございます」
ブロンドのロングでプリッツスカートをはいている。町ゆく男が振り返る容姿だ。
ハンサム「隣にいる男性は誰ですか?」
サキ「サトシさんです。娘のボーイフレンドで婚約しています。」
5
:
名無しのデデンネ
:2015/07/28(火) 22:48:14 ID:2Rl3I1OA0
ハンサム「よろしければこのサトシさんの連絡先を教えてください。」
そう言うとサキはメモに連絡先を書いて渡す
「ホウエン バトルフロンティア ワイルドスタジアム」
メモにはそう書いてある。
ハンサム「ありがとうございます。」
「ホウエン地方か」
その後、奥にいる女性を呼んだ。
ハンサム「おーい、ハルカくん」
6
:
名無しのデデンネ
:2015/07/28(火) 22:53:14 ID:2Rl3I1OA0
彼女の名前はハルカ
まだ新人でホウエン地方からカロスにきて女性の警官になったのだ。
ハンサム「今から船でホウエン地方に行くんだ」
「土地勘があるだろ。案内をしてくれ」
そうハルカに言う
7
:
名無しのデデンネ
:2015/07/29(水) 00:02:22 ID:ShjCuw8k0
サキ「待ってください」
「一度アサメタウンの私の家にきてもらえませんか?」
ハンサム「それもそうですね。お嬢さんの部屋にも手がかりがあるかもしれませんし」
「歳の近いハルカくんも一緒にきてくれ」
三人はアサメタウンを目指してハクダン、ハクダンの森、メイスイと車で移動した。
数時間後
アサメタウンのサキ・セレナの家に着いた。
ハンサム「やっと着いたここか」
ハルカ「いい感じの雰囲気かも」
するとサイホーンがハルカの後ろに現れてつのでついた
ハルカ「きゃあ」
サキ「うちのサイちゃんがごめんなさい」
鞍のついたサイホーンがサキに叱られる。
ハンサム「ん?このサイホーンは金具がついていますけどなぜですか?」
8
:
名無しのデデンネ
:2015/07/29(水) 00:09:21 ID:ShjCuw8k0
サキ「ああこれはサイホーンレースに使う鞍ですよ」
「実は私は昔サイホーンレーサーだったんです」
驚く二人
家に案内されると居間にはかつてのレースで貰ったトロフィーや写真たてが飾ってある。
ハンサム「昔のサキさんはセレナさんにそっくりですね」
サキ「ありがとうございます」
そういうと二階にあるセレナの部屋に案内された。
典型的な女の子の部屋でフォッコやヤンチャムのぬいぐるみがある。
ハルカは写真たてを見て驚愕した。
サトシとセレナのツーショットがあったのだ。
9
:
名無しのデデンネ
:2015/07/29(水) 00:13:38 ID:ShjCuw8k0
ハンサム「どうしたのかね?ハルカくん」
ハルカ「サトシってセレナさんと付き合っていたんですか?」
ハンサム「サトシさんを知っているのか?」
ハルカ「知ってるもなにも昔一緒にホウエン地方を旅してたんですよ」
驚く二人
ハンサム「こんな偶然もあるだな」
ハルカ「サトシは鈍感だったのにこんな綺麗な彼女がいるなんてずいぶん変わったなぁ」
ハルカは懐かしそうに語る
10
:
名無しのデデンネ
:2015/07/29(水) 00:22:15 ID:tsAYAk4Y0
違和感に気づくハンサム
ハンサム「この写真、変に感じないか」「サトシさんの服に傷がある」
ハルカ「本当かも」
サキ「本当ですね」「前はこんな風じゃなかった」
ハルカは思った
二人の恋仲がもつれたのか。
ハルカ「まさかサトシが狙われているのかも」
ハンサム「まさかではあるが、ことが起こってからでは遅い。マスコミに袋叩きになる」
「サキさん、安心してください。お嬢さんは私たち警察一同で探します」
「まずはサトシさんにコンタクトを取ろうと思います」
サキは涙目になりながら二人を見送った。
11
:
名無しのデデンネ
:2015/07/29(水) 00:28:24 ID:ShjCuw8k0
ハンサム「ここからは小型航空機を使ってコウジンの港に向かおう」
電話を手に取り話すハンサム
すると数十分後に小型ジェットがきた
ハルカ「ミアレ署はすごいですね。どれだけお金が潤沢なんだろう」
ハルカは皮肉混じりに言った
数十分後、コウジンシティに着いた
ここからはホウエン地方のバトルフロンティア直通の船が出ている。
12
:
名無しのデデンネ
:2015/07/29(水) 00:34:05 ID:ShjCuw8k0
船に乗った二人
ハンサムは売店でミアレサンドと飲み物を買ってきた。
ハンサム「疲れただろ?」
「食べるぞ」
ハルカは受け取って頬張る。
ハンサム「一度聞いてみたかったがどうして警察になったんだ
?」
「男女平等の世ではあるが未だに警察は男社会だ。けっこうな美人のお前がなんで警官を志したんだ?」
13
:
名無しのデデンネ
:2015/07/29(水) 00:39:39 ID:ShjCuw8k0
ハルカ「実は私、ポケモンコーディネーターを目指していたんです。」
「けど大会では伸び悩んで親にそろそろ現実をみろといわれました」
ハンサム「そういえばハルカくんの父親はトウカジムのジムリーダーだったな」
ハルカ「今は弟のマサトがジムリーダーになったんです」
「私もそろそろ定職につかないとかっこわるいなって思って警官になったんです」
ハルカは喋りながらもあっという間にサンドイッチを平らげた
14
:
名無しのデデンネ
:2015/07/29(水) 00:45:16 ID:ShjCuw8k0
ハンサム「バトルフロンティアにはまだ時間がある」
「仮眠でも取っておくんだ」
ハルカは従い眠りについた
ハンサムは思った。
「今の若いやつはゆとりだのなんだのいって頭空っぽかと思ったが複雑な事情があったんだな」
カバンから3DSを取り出してポケとるで時間を潰した。
15
:
名無しのデデンネ
:2015/07/29(水) 00:50:36 ID:ShjCuw8k0
ピンポーン
船のスピーカーから音が鳴る
バトルフロンティアに着いたようだ。
ハンサム「ハルカくん着いたぞ起きるんだ」
ハルカは眠そうな顔で返事をした。
ハンサム「ここがバトルフロンティアか」「ORASの時代から進化したもんだな」
ハルカ「久しぶりかも」
「昔ここでサトシの挑戦を見てたんです」
久しぶりのホウエン帰還からかうれしそうなハルカ
16
:
名無しのデデンネ
:2015/07/29(水) 04:38:51 ID:X4Z7YLM.0
今から10年以上前に、サトシはこのフロンティアを完全制覇している。全てのシンボルを手に入れたトレーナーにはフロンティアブレーンの資格を手にするのだ。
今やサトシはワイルドスタジアムという施設のブレーンとなり日夜挑戦者の壁として責務を果たしている。
さっそくサトシのもとへ向かう。
受付嬢「サトシ様は外出されています」
ハンサム「困ったなあ。どこに行けば彼に会えるのだろうか」
その時、うしろから太ったメガネの男が現れた。
エニシダ「はじめましてここのオーナーのエニシダです」
ハンサム「これはこれはご丁寧にどうも」
ハルカ「エニシダさんご無沙汰しています」
エニシダ「ハルカちゃん、いやいやハルカさん随分と大きくなったね」
しばらく感慨にふける。
そしてハンサムは手帳を開き事情を説明した。
するとエニシダはサトシの家の住所を教えてくれた。
ハンサム「ここか」
目の前にそびえる高層ビル
ここはフロンティアブレーンや従業員たちの社宅であった。
エントラスホールは大理石の床できており海外のホテルのようだった。
カラオケルームにスポーツジム、ちょっとしたバーもあるようだ。
ハンサム「フロンティアは福利厚生も充実してるな。私たちとは大違いだ」
ハルカ「そうかも」
17
:
名無しのデデンネ
:2015/07/29(水) 04:41:52 ID:X4Z7YLM.0
エニシダから聞いたサトシの部屋のナンバーは808
けっこう上のほうにあるようだ。
受付嬢曰く、上の階ほど位の高いトレーナーしか住むことが許されていないそうだ。
ピンポーン
エレベーターは8階についた。
ハンサムたちは808室に着きベルを鳴らした。
「はい、だれですか」
すると中から若い男の声が聞こえた。
ガチャ
ハンサム「警察です。サトシさんですか」
急な来客に驚くサトシだったが一緒にいたハルカを見て態度が変わる
サトシ「え?ハルカだよな?久しぶりなんでここにいるの?」
サトシは二人を部屋に案内した。
18
:
名無しのデデンネ
:2015/07/29(水) 04:47:43 ID:X4Z7YLM.0
サトシ「へーハルカは警察になったんだ」「コーディネーターを目指してるんじゃなかったっけ」
ハルカ「それを言うならサトシだってポケモンマスターの夢はどうしたのよ」
サトシ「はは、たしかに」「しかしハルカは相変わらずだなぁ」
「ハルカ探検隊とか覚えてる?」
ハルカ「恥ずかしいからその話しはやめてよね」
10年以上も会っていない二人で昔話に花が咲く
19
:
名無しのデデンネ
:2015/07/29(水) 13:10:31 ID:w5N.ZJPU0
ハンサム「盛り上がっているところを悪いがサトシくんはセレナさんの居場所をご存じだろうか?」
サトシ「居場所といわれてもアサメタウンの自宅じゃないんですか?」
ハンサム「知らないのか。」
ハンサムは事情を全てサトシに説明した
サトシ「セレナが失踪したんですか?」
顔色が変わる
ハンサム「落ちついてくれ。まだ失踪と決まったわけじゃない」「私たちがここに来たのはサトシくんから何か手がかりを得られないかと思ったからだ」
ハンサムは質問をする。
ハンサム「サトシくんはセレナさんと交際してるんだよね?最近なにか変わったことはないかな」
サトシは困った顔で答える「前はデートに誘うとうれしそうだったのに最近は何かにつけて断られるんだ」
ハルカ「サトシは昔から鈍感なんだし何か気に障ることでも言ったんじゃないの?」
サトシは頭を抱える
どうやらサトシに思い当たる点はないらしい。
ハンサムはそう思い煙草に火をつけた。
ハルカ「ハンサムさん、ここは人の家ですよ勝手に吸っちゃだめですよ」
ハンサム「サトシくん悪かったな」
そう言いながら棚の写真たてが目に入った。
ハンサム「ん?この写真はサキさんが持っていたのと同じやつだ」
20
:
名無しのデデンネ
:2015/07/29(水) 16:06:33 ID:w5N.ZJPU0
サトシ「それは前にセレナとヒャッコクシティに旅行したときの写真ですよ」
ハルカ「ここはパワースポットとして有名なのよね。恋人のデートスポットとしても人気なの」
紫色に怪しく光る巨大なオブジェ
ヒャッコクシティの名所の日時計だ。
時計は22時を回っていた。
ハンサム「今日はもう遅い。捜査は明日でもいいだろう」「ハルカくんホテルを探すぞ」
そう言って扉を開けるとサトシが口を開く
「今夜はここに泊まればいいじゃないですか?」
「俺がエニシダさんに頼んでみます」
渡りに船だ
ハンサム「ありがとう。それは助かるな」
しばらくすると従業員がキーを持ってきた
ハンサムはそれを受け取り809号室に向かった。
21
:
名無しのデデンネ
:2015/07/29(水) 16:13:47 ID:DstfmsUs0
見てるよ
もう少し改行を挟んだ方がいいと思う
22
:
名無しのデデンネ
:2015/07/29(水) 17:35:16 ID:s0drKuf60
ハルカ「うわーすごい眺めですね」
ハンサム「うむ」
ここは8階でなかなか眺めがいい。
ホウエン本土は見えないが蛇型の施設やピラミッドが見える。
ハンサム「あのピラミッドはフロンティアの施設なんだろ?」
ハルカ「あそこにはジンダイさんがいるんです。」「昔は冒険家だったみたいです」
ジンダイはバトルピラミッドのキングだ。
ブレーンの中でも一目置かれた存在だ。
ハンサム「先にシャワーでもあびたらどうだ」
ハルカはそれに従いシャワールームに入る。
ハンサム「明日はジンダイさんにサトシくんのことを聞いてみるかな」
一人つぶやく
シャワーを終えてハルカがベッドに戻ってきた。
ハルカ「私は先に寝ます」
ハンサム「ああ、おやすみ」
私は独身だ。もし平均的に結婚していたら今頃はハルカくらいの子供がいたんだろうな。
そんなことを考えながら眠りについた。
23
:
名無しのデデンネ
:2015/07/29(水) 18:11:18 ID:s0drKuf60
次の日
時計は7時を回っていた。
ハンサムとハルカは朝食をとりに1階に向かった。
ホールにはホテルさながらのバイキングがあった。
ハンサム「今日は昼前にミアレ署に戻って報告書を提出しないといけない。」
「昼飯抜きになるかもしれないから沢山食べるんだぞ」
そう言われるとハルカは目を輝かせながら料理を取りに走った。
24
:
名無しのデデンネ
:2015/07/29(水) 18:26:43 ID:Wn5fcvtA0
朝食を終えて外に出る二人。
ハンサム「さっそくフロンティアのトレーナーたちからサトシくんの評判でも聞きに行くか」
まず向かったのはバトルタワーだ。
ここは3対3の一般的なルールで行われる施設だ。
ハルカ「いたいた。おーいリラさん」
紫色の髪の女性がいた。
ハルカ「前は男の子にも見えたけど随分女の子らしくなったね」
照れるリラ
ハンサム「あなたがリラさんだね?」
手帳を見せると驚いた。
「単刀直入に言わせてもらうがあなたはサトシくんと関係を持ったのかね?」
ハルカ「なにデリケートなこと聞いてるんですか」
リラ「いえいえかまいませんよ」「彼とは職場の仲間として関係があるだけです」
25
:
名無しのデデンネ
:2015/07/29(水) 18:41:21 ID:s0drKuf60
リラ「私はサトシさんがセレナさんと交際していることは知っています。」
「彼、ときどき嬉しそうにセレナさんのことを話すんです」
ハンサム「ありがとう、では彼が女性と親しくしていたことは?」
リラ「ないですね。彼がバトル以外で女性と話していることなんて滅多にありません」
ハンサムは思った。
手紙のあの人はサトシではないということを
26
:
名無しのデデンネ
:2015/07/29(水) 18:53:40 ID:s0drKuf60
なにやら辺りがバタバタしている。
ジンダイ「はあはあ、君たち失礼だがサトシくんを知らないか?」
ハンサム「どうされたんですか?」
ジンダイ「サトシくんがいないんだよ」
「ああ失礼挨拶が遅れたな。私はジンダイだ。ここのピラミッドキングをつとめている」
ハンサム「あなたがジンダイさんですかはじめまして」
「私はミアレ署から調査にここに来たんです」
ジンダイ「警察の方がどうして」
ハンサム「実はある女性が失踪したんです。その彼氏のサトシさんに話を伺いに来たんです」
ジンダイは驚いた
「サトシくんにもガールフレンドがいるのか」
27
:
名無しのデデンネ
:2015/07/29(水) 20:05:31 ID:n/0xiKuA0
ハンサム「上司のあなたは知らなかったんですか」
ジンダイ「私は彼の上司ではないですよ。各ブレーンは独立した存在で対等なんです」
「それに私は彼の強さと誠実さを買ってエニシダさんに推薦したんだ」
「彼のプライベートには感心はないのですよ」
ハンサム「しかしサトシさんはどこに行かれたか心当たりはありますか」
ジンダイ「わからんよ」
「それに彼はブレーン就任以来一度も欠勤したことがない」
「不思議でしかたない」
ブーン
船の汽笛の音だ。
ハンサム「コウジン行きの便がきたようだ」
「サトシさんが見つかり次第連絡します」
ジンダイ「お願いします」
こうしてコウジン行き直行の船に乗った。
28
:
名無しのデデンネ
:2015/07/29(水) 20:23:46 ID:n/0xiKuA0
船内
ハルカ「ねえ、ハンサムさん」
ハンサム「なんだね」
ハルカ「昨日のサトシの家にあった写真見ましたよね」
ハンサム「ああ」
ハルカ「あれはヒャッコクシティでした」
「セレナさんはもしかしたら思い出の場所で思いつめるつもりなんじゃないですかね?」
ハンサム「うーん、そこしか思い当たる場所はないしな」
「よし、帰ったら署長にお願いしてみるか」
29
:
名無しのデデンネ
:2015/07/29(水) 22:01:58 ID:9nDbtP2Y0
ミアレに戻り署長に報告した。
署長「ヒャッコクシティか」
「いいだろう行ってこい」「ただし公費は無駄遣いするなよ。我々は市民の税金で成り立ってるんだからな」
はいっと口を開くハンサム
署長「お、そうだそうだハルカくんに会いたいという男がいるみたいだ、えーと名前はなんだったかな?」
ハルカは誰だろうと思いながらハンサムとともにヒャッコクシティに急いだ。
ヒャッコクシティに着いた。
小さな町であるが
観光客が多く雰囲気はいい。
ハンサム「着いたなさっそく聞き込みだ」
まずは観光案内所に入る。
ハンサムは写真を受け付けに見せる。
「この辺りでこの二人を見かけませんでしたか?」
事務員「いえ、見覚えはありませんね」
無理もない。
ここヒャッコクシティはカロス有数のデートスポットだ。
石を投げればカップルに当たるくらい若者は多い。
ハンサム「わかりました。それではハルカくん、別行動で探してみよう」
事務員「ちょっとお待ちください」
振り返る二人
ハンサム「なんですか」
事務員「若い女性が一人で出歩くのは危険です」
ハルカ「どういうことですか?」
事務員「あまり大きな声では言えませんがここ数年、女性を狙った暴行事件が発生してるんです」
ハンサム「こんな人が多い場所でですか?」
事務員「日時計まで道に森があるのですがそこは薄暗いんです」
ハンサム「とはいえ、彼女は警察学校で柔道を習っていたんだ」
30
:
名無しのデデンネ
:2015/07/30(木) 00:24:06 ID:5btD2lxM0
勢いのよかったハンサムだったが
隣の不安げなハルカの様子に気づいて従うことにした。
民家、飲食店、土産物屋、いろいろな場所に行き聞き込みをする二人
しかし返ってくる答えはノーだ。
足が棒になるほど歩いた。
ハンサムは懐疑的だった。
はたして本当にここにいるのだろうかと。
ハンサム「私たち二人では限界がある。ここはヒャッコク警察に協力してもらうべきかもしれない。」
「まだ事件は起きていないから頼むのを躊躇したが二人に何かがあってからじゃ遅すぎる」
そうハルカに言い、ヒャッコク警察に電話をかけた。
ヒャッコクシティ内のカフェで遅めの昼食をとっている二人。
この町のジムリーダーが経営しているお店で店内は紫一色だ。
ハルカ「この人がジムリーダーのゴジカさんなのかぁ」
そう言って壁のポスターを見る。
小林幸子を思わせる派手な衣装だ。
朝から歩き回ったこともあり疲れていた二人。とりとめない話をしながらゆっくりしていた。
ピロピロ
すると突然、ハンサムの携帯電話が鳴りだした。
ハンサム「はいこちらミアレのハンサムです」
ヒャッコク警察「さきほどサトシ氏が見つかりました」
31
:
名無しのデデンネ
:2015/07/30(木) 00:27:11 ID:5btD2lxM0
一部完
32
:
名無しのデデンネ
:2015/07/30(木) 13:07:27 ID:QeNnjeog0
支援
33
:
名無しのデデンネ
:2015/07/30(木) 16:29:00 ID:745To3xk0
第二部
ハンサム「なんだって!本当か」
ハルカも緊張した面もちをしている。
そして急に顔が曇るハンサム。
ハンサム「はい、早急にかけつけます。」
電話を切り絶望するハンサム。
ハルカ「見つかったんですよね」
ハンサム「じつは、その、サトシくんはラベンダー畑で冷たくなっていたところを発見されたんだ」
一瞬ハルカはハンサムが何を言っているのか理解できないでいる。
ハルカ「そんな、、サトシが、サトシが」
目を赤くし嗚咽するハルカ
昨日は元気にしていたサトシ。
4年間もともに旅をした大切な仲間なのだ。
ハンサム「とにかくヒャッコク県警に急ごう」
タクシーを拾った。
社内でハンサムは昔の辛い経験が頭によぎった。
「あのときも私がはやくこうどうしていたらあいつは助かったのに」
そう思いうつむいたままタクシーは沈黙に覆われた。
ヒャッコク警察は慌ただしかった。
無理もない。ここで事件が起きているのだから。
ハンサムとハルカはヒャッコクの若手刑事と合流してパトカーでラベンダーガーデンに向かった。
ラベンダーガーデン。
美しい花園でこちらも人気がある観光地だ。
ヒャッコクシティは隣にフロストケイブがあり年間を通してヒンヤリしている。
シンオウ地方に似た気候だ。
34
:
名無しのデデンネ
:2015/07/30(木) 16:31:40 ID:745To3xk0
ラベンダーガーデンに到着した。
警官も多く辺り一面は緊張が走っている。
ハンサム「どうやらあそこが現場か」
人山ができている。
そこに鑑識らしき人も多くいたので
その一人に今回の事件について聞いてみた。
鑑識A「第一発見者は観光にきた若い夫婦です。ラベンダー畑を覗きこんだところに仏がいたようです」
たしかにこのラベンダー畑は青々としている。
膝丈を超すくらいの長さで、この中で人が横たわっていてもまずわからない。
鑑識A「被害者は後部から刃物で刺された箇所が複数ありますね」
「詳しいことは司法解剖でわかるでしょう」
ハンサムは資料を受け取った。
資料には被害者の所持品が書いてある。
財布、現金5万円、ブレーン証明書
ハンサム「なるほどな」
35
:
名無しのデデンネ
:2015/07/30(木) 16:35:24 ID:745To3xk0
ヒャッコク県警に戻った。
「ラベンダーガーデン殺害事件」
部屋の扉に書道家のような達筆な文字で書かれてある紙が貼ってある。
今回の事件はヒャッコク県警が取り仕切るようで、緊急チームができたのだ。
ハンサムはノックして中に入った。
ハンサム・ハルカ「失礼します」
刑事A「待ってたよ。ここに座ってください」
部屋の中には10人程度の刑事がいた。
ハルカ「えーっ」
ハルカは驚いて変な声が出た。
その中には彼女がよく知る細い目で小麦色の肌をした男の姿があったのだ。
36
:
名無しのデデンネ
:2015/07/30(木) 17:03:35 ID:745To3xk0
ハルカ「えっタケシ?なんでいるの?」
タケシ「なんでって俺が警察だからだよ」
刑事B「タケシくんは本部から派遣されたんだよ」
「若手の中でも有望株だよ」
タケシ「はっは、やめてくださいよ」
少し照れながら笑う。
タケシ「司法解剖まで時間はあることだし署内の食堂にでも行こうか」
ハンサム「私は席を外す。二人で行ってくるんだ」
許可をもらい食堂に行くハルカ
食堂
ハルカ「本当、久しぶりね懐かしい」
タケシ「ああ、でもこんな形で会いたくはなかったな」
37
:
名無しのデデンネ
:2015/07/30(木) 17:09:10 ID:745To3xk0
ハルカ「サトシがフロンティアのブレーンになったことは知っていた?」
タケシ「ああ知ってるさ」
「アザミから聞いたからね」
ハルカ「え?アザミってあのアザミさん?チューブクイーンの」
タケシ「なんだってアザミさんは俺の婚約相手だからな」
38
:
名無しのデデンネ
:2015/07/30(木) 17:16:28 ID:745To3xk0
ハルカはここ数日驚きの連続だ。
ハルカ「そういえばサトシがアザミさんに挑戦したとき彼女の顔が赤かったもんね」
「あのときはマサトが邪魔してごめんね」
タケシ「いいんだよ」
ハルカは切り出した。
ハルカ「ところでどうしてタケシは警官になったの?」
タケシ「ハルカはタマムシ大学って知ってるか?」
ハルカ「あーあのオーキド博士が在籍していた大学でしょ」
タケシ「ああそうだ。俺はそこの農学部携帯獣医学科を目指していたんだ」
タケシ「でも」
ハルカ「でも?」
タケシ「でもその学部は学費がかかるんだ」
「それに俺には沢山の兄弟がいるだろ?」
「面倒も看ないといけないから諦めざるをえなかったんだ」
タケシ「だから地元のニビ大に通って今の職についたわけなんだ」
ハルカ「いいじゃないの。タケシのその格好似合ってるよ。夢は変わるものだし」
ハルカも夢を諦めた。
そう自分にもいい聞かせているようだった。
タケシ「お、そろそろ戻らないと」
そう言い残して千円札を置いていった。
39
:
名無しのデデンネ
:2015/07/30(木) 20:49:04 ID:fi8ondIk0
ハンサム「戻ってきたか」
「あのタケシという男、相当優秀みたいだな」
ハルカ「えっ?タケシが」
ハンサム「彼は普通の警官ではなく背広組なんだよ」
ハルカは意味がわからないようだ。
「背広組というのはキャリアのこと。我々とは違うんだ」
ハンサム「ハルカくんは警察学校を卒業してから署に採用されただろう」
「キャリアの場合は大学を卒業してから国家1種の試験を通ってそれから本庁に配属されるんだ」
「その後数年間は地方に移されまた本庁に戻ってくるんだ」
長々と説明するハンサム
簡単に言えば
「踊る大捜査線」の柳葉敏郎と同じだよ
ハンサム「まあ簡単にいえばエリートなんだよ」
ハンサムは若干悔しそうな顔で語る。
彼はタケシと違ってノンキャリアの叩き上げなのだ。
彼はバブル経済の頃に高校を卒業しミアレ署に勤務している。
現場一筋の人間だ。
タケシより役職は低い。有名刑事ドラマ「はぐれ刑事純情派」の安浦刑事みたいなものだ。
ハンサム「しかし、なぜあの男が本件の担当なんだろうか」
訝しそうにつぶやく。
40
:
名無しのデデンネ
:2015/07/30(木) 20:50:14 ID:fi8ondIk0
続きはまた明日
41
:
名無しのデデンネ
:2015/07/31(金) 14:01:52 ID:sK1u3ppY0
ヒャッコク殺害事件の本部
ホワイトボードには今回の被害者のサトシの写真、
そして横には恋人のセレナの写真と詳細なプロフィールが書いてある。
どうやら本部はセレナが何らかの事情で恋人のサトシに手をかけたという見解のもとに動いている。
「容疑者セレナ」と書いてある
まあ無理もないだろう。
セレナは実際にあの手紙を残しているし、今も見つかっていない。
若い二人の痴情のもつれから事件が起こったのだ、というごく自然な推理が場を支配していた。
ハンサム「ハルカくん、本当にセレナさんの犯行なんだろうか」
ハルカ「違うと思う。リラさんはサトシが嬉しそうにセレナを自慢してたって言ってましたし」
ハンサム「そうだろう。リラさんもジンダイも彼の人柄を評価してる。」
「それに実際に話しても素直な青年だった。」
ハンサムは今の流れに異を唱えたかった。
しかし今回の事件はすでにヒャッコク県警の管轄下に置かれていてミアレのハンサムは深く口を挟めないのだ。
42
:
名無しのデデンネ
:2015/07/31(金) 14:04:06 ID:sK1u3ppY0
翌日、朝からヒャッコク県警はあわただしかった。
セレナの身を確保するために大規模な人員で捜索を始めるというのだ。
ハンサム「私たちも探そう」
ハルカ「はい」
「ちょっと待ちたまえ」
男が話しかけてきた。
振り向くと中年で恰幅のいい男がいた。彼はヒャッコクの部長だ。
「どうされましたか?」
ハンサムは緊張した声で答える。
ヒャッコク部長「今回の事件の管轄はあくまでヒャッコク県警にある。ミアレのあなたがたの出る幕ではない。」
ハルカはムッとした表情をしている。
嫌みな口調だったが道理は正しいのだ。
ハンサム「わかりました。私たちはミアレに返ります。タケシさんにはよろしく伝えてください」
ハルカは驚いている。
部長が離れていくと口を開いた
「帰るわけないだろ」
「私たちはサキさんと約束したじゃないか。セレナさんを見つけて帰るとな」
ハルカはそれを聞いて安堵する。と同時に尊敬の気持ちが芽生えた。
「どうするか?」
ハンサムは質問した。
同世代の女性であるハルカの感性に頼ったほうが案外見つけられるのではないかと思ったからだ。
ハルカ「うーん、セレナさんが興味があるお店がいいかも」
「ここなんかどうでしょう」
観光マップを見せる。
アメジスト工房の写真を指さした。
ハルカ「セレナさんはカロスクイーンだったんですよね」
「それだったらきっと装飾品も好きだと思います」
タクシーを拾いアメジスト工房に向かう。
43
:
名無しのデデンネ
:2015/07/31(金) 14:09:13 ID:sK1u3ppY0
10分後に到着した。
ドアを開けるハンサム。
店内はアクセサリー類の展示コーナーが半分、残り半分は工房で色んな機材が並んでいる。
奥には髭面のいかにも職人という男が作業していた。少しシャガに似ている。
ハンサム「ごめんください」「仕事中失礼します」
店主「なんだ?」
無骨な声が返ってきた。
ハンサム「わたくしはこういうものです」
手帳を見せる。
店主「なにあんた警察なのか」
ハンサム「ここ写真のこの女性は訪ねてきませんでしたか?」
男「ああ来たぞ」
ハンサム「本当ですか?」
男「間違いない。ここいらじゃ見かけない綺麗な女性だった。よく覚えている。」
ハルカの推理は当たっていた。
「ただこんなロングヘアーではなかった」
どういうことだろう?そういう表情をするハンサム
続けて話す
店主「そこのアクセサリーを二つ買っていった」
ハンサム「これか」
手に取ったのはヒャッコク日時計と同じ形のアクセサリーだ。
ハンサム「ほかに何か変わったところはありませんでしたか?」
店主「いやなにもないな。ただ急いでいる様子だったな」
ハンサムとハルカは一礼して店を後にした。
44
:
名無しのデデンネ
:2015/07/31(金) 14:12:49 ID:sK1u3ppY0
手を挙げてタクシーを拾うハンサム。
ハンサム「なにか引っかかるんだよなぁ」
ハルカ「ロングヘアーのことですか?」
ハンサム「女の人が髪を切るのは特別な理由があったりするものだろ」
うんと頷いてハルカ口を開く。
ハルカ「それに二つのアクセサリーの件も変ですよね」
ハンサム「うむ。なぜ二つなんだこのタイミングで」
「今からことに及ぼうとするような人間の取る行動ではないよな」
ハルカ「そうですよね。やっぱり彼女は無実と思うんです」
ヒャッコク県警に着きタクシーを降りた。
45
:
名無しのデデンネ
:2015/08/01(土) 00:39:08 ID:8lrXAodQ0
コテをつけたら?
46
:
名無しのデデンネ
:2015/08/01(土) 18:15:53 ID:H889QU7E0
この世界では一体なぜポケモンの力を捜査に利用しないのか?
そう思う人もいるだろう。
フーディンやミュウツー
の未来予知なら犯罪を未然に防ぐことができるだろうし、犯人捜査だって楽になるだろう。
しかしそうは問屋が卸さない。
水族館などで人気イベントであるトドクラーのショーやサーカスでのドンファンにレントラーの芸
これらはポケモンの平和利用だが、保護団体からは労働であり虐待ではないかとの指摘もある。
まあしかし善良な市民がショーやサーカスにケチをつけているわけではなく、ファッション感覚てわ騒ぐ団体の因縁なので蒸しはしている。
ただ命の危険のある警察の仕事をポケモンに任せるなんて世論が許さないのだ。
実際に過去にある事件で殉職したポケモンがいる。
それ以降、捜査にポケモンを使うのはご法度なのだ。
47
:
名無しのデデンネ
:2015/08/03(月) 01:50:26 ID:by3p4eSE0
タケシ「ハンサムさん!ハルカ!」
走ってき
タケシ「大変なことになったんです」
息を切らしながら話す。
タケシ「いいからこっちへ」
勢いに押されて捜査本部の部屋に入る。
タケシ「落ちついて聞いてください」
「さきほど捜索部隊が冷たくなったセレナさんを見つけました」
第二部完
48
:
名無しのデデンネ
:2015/10/10(土) 05:27:52 ID:bOE00xbg0
三部はどうなるの?
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