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プテラとユレイドル
1
:
森さん厨
◆Y0TXrTESFs
:2015/05/23(土) 05:45:36 ID:IueRZEG.0
〜古代〜
ザザ〜ン…。
今日も彼女は、ずっと同じ場所に留まっている。
ユレイドル「…はぁ。」
種族名はユレイドル。
彼女は、あるものに憧れていた。
2
:
森さん厨
◆Y0TXrTESFs
:2015/05/23(土) 05:49:54 ID:IueRZEG.0
現代でも進化前のリリーラにその名残が残っているが、この時代のユレイドルは他の場所に移動することはできない。
自身の持つ吸盤の所為である。吸盤で移動することはできないのだ。
吸盤は地面にへばりつき養分を吸い取り、彼女はそうして成長してきた。
ただ、最近思うことがある。
『空を飛びたい』。
それが、彼女の願いであった。
3
:
森さん厨
◆Y0TXrTESFs
:2015/05/23(土) 05:52:21 ID:IueRZEG.0
ユレイドル(なぜ私は、よりによってユレイドルなんかに生まれてきたのかしら。)
自身の存在意義に悩んでいた。
見上げれば眼前に広がる青き大空。あの果てしなき空間に飛び立つことができれば、現状の自分を打破できるかもしれないが。
前述の通り、彼女はユレイドルである。
ジレンマであった。
4
:
名無しのデデンネ
:2015/05/23(土) 08:18:30 ID:tkJkVPSY0
おや、BBSの方じゃないですか?
この作品好きなのでこちらでも書いていただけるのは嬉しいです!
支援!
5
:
森さん厨
◆Y0TXrTESFs
:2015/05/23(土) 21:29:02 ID:8h6IBHqc0
〜大空〜
バッサ、バッサ。
とあるポケモンの羽音が響き渡る。
???「クエ〜ッ!」
今日も彼は、獲物を捉えそれに襲いかかっていた。
生まれつき得た先天的な力。それを少し奮えば、食糧を容易く手に入れることができる。
彼の名はプテラ。
当時の大空の主であった。
6
:
森さん厨
◆Y0TXrTESFs
:2015/05/23(土) 21:33:20 ID:8h6IBHqc0
ユレイドル「もしかしたら、自分の子孫が移動能力を手に入れられるのかもしれないが、それはまだまだ先のことであろう。
『私』は、ずっとここに留まって、生涯を終えるのだ。」
憂鬱であった。
ユレイドル「ハァ…。」
…………………………
プテラ「ハァ…。」
大空の主、プテラ。
彼もまた嘆いていた。
自分はいつまで、こんな生活を続けるのだろう?
落ち着きたい。しかし、腹は減る。
他に取り柄のない自分には、こんなやり方でしか食糧を得ることができない。
彼もまた、己の生き方について苦悩していたのである。
7
:
森さん厨
◆Y0TXrTESFs
:2015/05/23(土) 21:36:26 ID:8h6IBHqc0
数日後。
プテラ「ふぅ〜っ。」
彼は、狩りの間に休息を入れていた。
プテラ(一息ついたら、また獲物刈りだな。)
…。
プテラ(うん? なんだ、あれは…?)
へば〜っ…。
彼が発見したのは、へばっていたユレイドルの姿であった。
8
:
森さん厨
◆Y0TXrTESFs
:2015/05/23(土) 21:38:43 ID:8h6IBHqc0
プテラ「おい。」
ユレイドル「…。」
プテラ「…おい。」
ユレイドル「……。」
プテラ「…おいぃっ!?」
ユレイドル「…!」ビクッ
プテラ「お前、ポケモンだよな…?
…なんでへばってたんだ?」
ユレイドル「…。」カアァ
プテラ「ん、どうした…?」
言葉が詰まった。
他のポケモンに話し掛けられることなど、初めての経験であった。
9
:
森さん厨
◆Y0TXrTESFs
:2015/05/23(土) 21:41:10 ID:8h6IBHqc0
プテラ「お前、そこが目だったんだな。」
ユレイドル「ぁの、その…。」
プテラ「なんだぁ〜っ!? 聞こえん。」
ユレイドル「だから、その…。」
聞くところによると、最近この辺りの土地が枯れていき、養分を得ることができなくなっていったのだとか。
10
:
森さん厨
◆Y0TXrTESFs
:2015/05/23(土) 21:43:51 ID:8h6IBHqc0
プテラ「ふ〜ん、そうだったのか。
空にいる俺は知らなかったな。」
ユレイドル「この急激な土地の枯渇。
とても予想だにしていませんでした。何か嫌な予感すらします。」
プテラ「見てられねぇな。」
衰弱が激しかった。
プテラ「よし、わかった。
俺が食べる物を取ってきてやる!」
ユレイドル「えっ?」
11
:
森さん厨
◆Y0TXrTESFs
:2015/05/25(月) 00:50:02 ID:22Xixh6Q0
プテラ「お前の種族は吸盤による養分取り入れの他に、捕食もできる筈だ。試してみろ。」
ユレイドル「えっ?」グチュチュ
プテラ「おい待て、俺で試すんじゃない。」
ユレイドル「あっ、駄目でしたか?」
プテラ「…俺、気まぐれで変な奴に関わってしまったのかもしれねぇな。
まぁいい、約束したんだ。すぐ取ってきてやる。」バササッ
プテラは空に飛び立っていった。
12
:
森さん厨
◆Y0TXrTESFs
:2015/05/25(月) 00:51:27 ID:22Xixh6Q0
ユレイドル「…凄い。」
彼女は目を奪われた。
華麗に飛び立ち機敏な動きで獲物を捕らえるその勇姿。
私にはとてもできないものだ、と感じた。
それと同時に、憧れも抱いた。
…………………………
なんか見られてるな…。
彼はそう思った。
怖れられるのならわかるが、その視線は憧れと羨望の意を含んでいたのだから、戸惑う。
こんな感覚初めてだ。
13
:
森さん厨
◆Y0TXrTESFs
:2015/05/29(金) 20:13:13 ID:EmonUuWo0
アーケオス「生意気だな。」
かつての空の主、アーケオス。
自分が最古よりの天空の支配者であるというのに、最近現れたプテラとか抜かす青臭い新参者。
偉い顔をし出し、我が領空にて好き勝手暴れている。単純に気に喰わない。
だが、自分は年老いた身。まともに殺り合えば負けはしないだろうが苦戦は必須であろう。
どうするべきか。
14
:
森さん厨
◆Y0TXrTESFs
:2015/05/29(金) 20:14:05 ID:EmonUuWo0
そして。
プテラ「お〜い、取ってきたぞ〜。」
ユレイドル「わぁっ!
…うわっ。」
よくわからないもの『キイィ〜ッ!』
えたいのしれないもの『ギャアァ〜スッ!』
気持ちは嬉しかった。
15
:
森さん厨
◆Y0TXrTESFs
:2015/05/29(金) 20:16:02 ID:EmonUuWo0
ユレイドル「」パクパク
プテラ「結局食うんだな、お前。」
ユレイドル「」パクパク
プテラ「夢中で聞いちゃいねぇ、か。」
ダダッ。
その時、プテラのよく見知ったポケモンたちが彼の前へと駆け出して来た。
オムスター「アニキ〜。」
カブトプス「お帰り〜。」
プテラ「おう、お前たちか。」
16
:
森さん厨
◆Y0TXrTESFs
:2015/05/29(金) 20:20:02 ID:EmonUuWo0
オムスター「アニキ、そこにいる緑っぽいのは?」
彼らはプテラの仲間たちである。
最も、かつての恩により彼らは自分たちをプテラの舎弟同然だと思っているのだが。
プテラ「こいつはな、種族名はユレイドルと言って、この浜辺を住処としている奴だ。
海にいるお前たちは知らないよな。」
ユレイドル「こんにちは〜。」
プテラ「おいお前、こいつらは食べないでくれよ?」
ユレイドル「食べたくもないです。」
17
:
森さん厨
◆Y0TXrTESFs
:2015/05/29(金) 20:23:26 ID:EmonUuWo0
プテラ「もっと食べ物を持ってくるから、ここで待っとけよ。」
バササッ。
プテラは空へと飛び立って行った。
ユレイドルも、本当はプテラに申し訳なく思っていた。
しかし、この状況では致し方ない。
食べなければ死んでしまう。しかし、その食べる物も無いのだから、彼に頼むしかないのだ。
再び大空へ消えてゆくプテラの様子を、重い首を上げながら黙視していた。
18
:
森さん厨
◆Y0TXrTESFs
:2015/05/30(土) 16:03:08 ID:AF20w9j.0
プテラが飛び去ってから、ユレイドルとカブトプスたちはいつの間にか意気投合していた。
カブトプス「プテラ兄貴とは、長い付き合いなんスか?」
ユレイドル「なんかチャラい雰囲気だね。
違うよ、たった今出会ったんだ。」
カブトプス「へー、あのプテラ兄貴が出会い頭のポケモンに心を許すなんて、あんまりないことっスよ!」
ユレイドル「え、そ、そうなの〜?」
オムスター「そっスよ。意外意外。」
19
:
森さん厨
◆Y0TXrTESFs
:2015/06/01(月) 23:02:52 ID:pMMM5sXo0
ユレイドル「…今日は良い日だ。」
オムスター「え?」
ユレイドル「こうして浜辺にぽつんとしてた私に、話しかけてくれた友だちができた。
『私ってなんなんだろ』って思ってた時によ。」
カブトプス「な、なんか照れるッスよ〜、姉貴。」
ユレイドル「姉貴?」
カブトプス「そっス、プテラの兄貴が兄貴だから、ユレイドルの姉貴は姉貴って呼ぶっスっ!!」
ユレイドル「言い回しが変だけど、気持ちは伝わるよ。」
オムスター「俺らも姉貴に協力するっス!
土地の枯渇が治まるまで、俺らも姉貴に食べ物を持って来るっス!!」
ユレイドル「み、みんな…ありがとう…!!」グチュグチュ
オムスター「わわっ、何俺を食べようとしてるんスか!」
ユレイドル「えっ、いやこれはその…感謝の意を伝えたくて…。」
カブトプス「アハハ。不器用なんっスね、姉貴。
そこもまた、なんか兄貴に似てるような気がします。」
20
:
森さん厨
◆Y0TXrTESFs
:2015/06/01(月) 23:05:07 ID:pMMM5sXo0
バササッ。
やがて、プテラが帰って来た。
プテラ「ふ〜、疲れた。」
ユレイドル「あ、あの…。」
プテラ「なんだ?」
ユレイドル「良かったら、また…。
…来てください。」
プテラ「…餌が欲しいからか?」
ユレイドル「い、いえ、違います!
ただ…。」
プテラ「ただ、なんなんだ?」
ユレイドル「…。」カアァ
プテラ「変わった奴だ。」
また、言葉に詰まった。
こうして、プテラとユレイドルの友好は持ちず持たれず続いていった。
21
:
森さん厨
◆Y0TXrTESFs
:2015/06/04(木) 20:48:47 ID:Ya.EQrMs0
それから、幾ばくかの月日が過ぎ去った。
プテラ「今日もアイツのために、食糧を狩ってこないとな。」
オムスター「…兄貴。」
プテラ「なんだ?」
オムスター「俺らはかつて行き倒れたところを兄貴に救われて、それ以来兄貴のことを慕っています。
でも、最近の兄貴は勢力を拡大することに血眼になっていて、俺らを助けた時のような感情はもう残ってはいないのかと思っていました。」
プテラ「お前たち?」
カブトプス「けれども姉貴の件で、まだ兄貴にはそういった感情が残っているんだってことを、再確認しましたっス。」
プテラ「フフ、よせよ、照れくさい。」
カブトプス「ハハハ。」
そんな時。
プテラ「…ん、アイツは…?」
プテラが、あるポケモンの気配に気づいた。
22
:
森さん厨
◆Y0TXrTESFs
:2015/06/04(木) 20:57:48 ID:Ya.EQrMs0
プテラ「…おい。」
カブトプス「な、なんスか、兄貴?」
プテラ「いや、お前たちじゃない。それより、コソコソしてないで早いところ出てきたらどうだ?
なぁ、そこの物陰に潜んでる奴よっ!!」
オムスター「なっ…!!」
そして、物陰より声が響いた。
???「…さすが、と言ったところだな。
さすがは現代の空を統べる主。私としてもそうこなくては張り合いがない。」
プテラ「貴様…一体何者だ?」
23
:
森さん厨
◆Y0TXrTESFs
:2015/06/04(木) 21:07:00 ID:Ya.EQrMs0
???「良いだろう。私も正体を現し、正々堂々とお前を倒すことを宣言しよう。」
そして、物陰より一体のポケモンが姿を現した。
ゲノセクト「ゲノゲノ、私は未来の化学兵器、ゲノセクト。
とあるポケモンの命により、貴様を抹殺する!!」
プテラ「!」
その姿はポケモンと言うよりは、この時代には存在などしない筈である機械に良く似通っていた。
カブトプス「な、未来? 化学兵器? とあるポケモン?
さっぱり意味がわからんぞ!?」
事実、その通りであった。
24
:
森さん厨
◆Y0TXrTESFs
:2015/06/04(木) 21:18:31 ID:Ya.EQrMs0
ゲノセクト「貴様には、用はない…。
…ふんっ!」バシィッ
カブトプス「なっ…。」
ゲノセクトは、カブトプスの身体を掴み上げ、勢い良く投げ飛ばした。
カブトプス「…ゲホッ!」
プテラ「カブトプスっ!!」
ゲノセクト「どうだ?
私の力、これで十分に伝わったかな?」
オムスター「アワワ…。」
プテラ「き、貴様…許せんっ!
俺が今すぐに貴様を料理してやるっ!!」
ゲノセクト「フフ、さあ全力で来い!!」
25
:
森さん厨
◆Y0TXrTESFs
:2015/06/04(木) 23:38:24 ID:j.Ig9fwA0
プテラ「うおぉぉぉぉぉぉっ!!
いわ…なだれえぇぇぇっ!!」ドドドド
間髪入れず、プテラは自身の得意技を放つ。
シュウゥゥ…。
オムスター「や、やっぱ凄い、アニキ!
これはやった…。」
ゲノセクト「なにが、『やった』んだ…?」
プテラ「…!」
なんと、彼はプテラの攻撃を完璧に防御していたのだ。
26
:
森さん厨
◆Y0TXrTESFs
:2015/06/04(木) 23:42:17 ID:r8d18zHQ0
プテラ「そ、そんな馬鹿な…。
う、うおぉぉぉぉぉぉっ!!」ドガァ
ゲノセクト「…ふん。」
キィ、キイィン…。
しかしゲノセクトは、プテラの攻撃を全て受け止める。
プテラ「な、なぜ、なぜなんだ…。」
ゲノセクト「やれやれ、これでは勝負にならないな。
私の気配を察した時は、そこそこやれるかと期待したのだが、この時代のポケモンはやはりこんな野蛮な攻撃しかできないか。」
プテラ「こ、この時代…?」
27
:
森さん厨
◆Y0TXrTESFs
:2015/06/04(木) 23:43:44 ID:j.Ig9fwA0
プテラ「貴様、何者だ…?
この世界の生まれではないな。」
ゲノセクト「いや、確かにこの世界の、この『時代』で私は生まれた。懐郷の念すら感じる程だ。」
プテラ「じゃあ、なぜ『未来』だの先刻語ったのだ?」
ゲノセクト「貴様が知る必要はないだろう。
精神的に動揺している貴様など、もう既に私の敵に無きだからな。」
プテラ「貴様っ!!」
28
:
森さん厨
◆Y0TXrTESFs
:2015/06/05(金) 13:22:08 ID:PsCWJUuQ0
確かに彼は動揺していた。
無理もない。今までに自身の攻撃が通用しなかった相手は存在しなかったのだから。
ゲノセクト「…。」スタン
プテラ「!」
なんと、突然彼は屈み込んだのだ。
戦闘では油断は死へと直結する。だからこそ、彼にはこの行為の意味が全く理解できなかった。
今踏み込めば間違いなく勝てる。しかし、これは何かの策なのかもしれない。
迷った挙句、プテラは彼の身体に突っ込むのたが…。
少々、判断が遅かった。
29
:
森さん厨
◆Y0TXrTESFs
:2015/06/05(金) 13:24:59 ID:PsCWJUuQ0
ゲノセクト「気付かなかったか?」
プテラ「…なに?」
ゲノセクト「私の背中には、砲台が装着されていたということにっ!!」
プテラ「な、ほうだい…!?」
古代に生きるプテラには、その単語の意味がわからなかった。
プテラ「な、き、貴様…もしや…!!」
ゲノセクト「意味がわからなくとも、流石に戦闘の勘が働くか!
そうだ、既に発射準備は整ったっ!!」
プテラ「な、なんだとっ!?」
ゲノセクト「そして、喰らうが良い…。
奥義!
テクノ…バスタアァァァ〜っ!!」
プテラ「!」
30
:
森さん厨
◆Y0TXrTESFs
:2015/06/05(金) 13:27:04 ID:PsCWJUuQ0
そしてゲノセクトは自身の最大の技、砲台からエネルギー弾を放つ『テクノバスター』を繰り出した!
カブトプス「兄貴…危ないっ!!」
ボシュゥ…!
カブトブス「…うおぉぉ!」
プテラ「ぐっ、ぐはぁ…。」
カブトプス「あ、兄貴っ!!」
…………………………
白煙が立ち込む。
やがて…。
ゲノセクト「ほう、これは…。」
31
:
名無しのデデンネ
:2015/06/05(金) 17:32:49 ID:t4SgT0S60
結構いろんな化石ポケでるんだね。
支援
32
:
森さん厨
◆Y0TXrTESFs
:2015/06/11(木) 19:07:08 ID:.Zj1BgCY0
ゲノセクト(あのカブトプス、まだ生きていたか。奴らを連れ、穴を掘りどこぞやへと逃げたようだな。フフ、面白い。
追うのは簡単だが、それでは楽しめない。
いずれまた相まみえることへとなるだろう。その時こそ始末してやる、ククク。)
…………………………
プテラ「あ、あぐ、げほっ…。」
カブトプス「あ、兄貴ィ…大丈夫ですかぁ!?
くそ、勢いで来たのはいいが、ここは…。
…!
そ、そうだ、ここなら!!」
33
:
森さん厨
◆Y0TXrTESFs
:2015/06/11(木) 19:10:09 ID:.Zj1BgCY0
偶然か必然か、彼らが辿り着いたのは…。
そう、ユレイドルの住む浜辺であったのだ。
カブトプス「あ、姉貴〜っ!!」
ユレイドル「ん、どうしたの、カブトプス、オムスター。
今日はプテラは一緒じゃないの?」
オムスター「それが…今すぐ来てくださいっ!
あ、無理でしたね…。
とにかく、今運んで来ます。兄貴が重症なんですっ!!」
ユレイドル「えっ!?」
34
:
森さん厨
◆Y0TXrTESFs
:2015/06/11(木) 19:12:08 ID:.Zj1BgCY0
プテラ「う、うぅ…。」
ユレイドル「!
なんて酷い傷…。」
オムスター「実は…。」
オムスターは、彼女に事情を話した。
カブトプス「何とかなりませんでしょうか。アイツが居る以上、むこうには渡れねぇ。
…姉貴がもう唯一の頼み綱なんです。無理を言っていることは重々理解しています。」
35
:
森さん厨
◆Y0TXrTESFs
:2015/06/12(金) 16:45:52 ID:cpwRBfhI0
ユレイドル「…プテラを救う術、ないこともないわ。」
カブトプス「えっ、なにか方法があるんですか!?
兄貴を救う…術がっ!!」
オムスター「さすが、姉貴っス!!」
ユレイドル「二匹共、ちょっと黙ってて。」
オムスター「は、はい。」
ユレイドル「私はプテラに限りない恩がある。その恩をここで返せること、とても嬉しく思うわ。」
カブトプス「姉貴?」
ユレイドル「じゃあ、行くわよ。」
36
:
森さん厨
◆Y0TXrTESFs
:2015/06/12(金) 16:50:33 ID:cpwRBfhI0
ユレイドル「っ…!」ボコッ
カブトプス「えっ?」
オムスター「あ、姉貴っ!?」
なんとユレイドルは、自身の吸盤を一つ無理やりに引っ剥がしたのだ。
オムスター「姉貴、なんてことを!
そんなことをしたら、姉貴がどうなるかわかってるんですかっ!?」
カブトプス「姉貴は生命エネルギーを吸盤を通して地中から取り入れて生命活動を続けている。
一歩間違えれば…。」
ユレイドル「いいから、早くプテラの口に私の吸盤を含ませてっ!!」
カブトプス「え、姉貴…なにを?」
37
:
森さん厨
◆Y0TXrTESFs
:2015/06/12(金) 16:57:59 ID:cpwRBfhI0
ユレイドル「私の吸盤には、今まで培ってきた栄養分が含まれている。
だから、プテラにその栄養分をわけることさえできれば、彼はなんとか持ちこたえると思うわ。」
オムスター「しかしこれは、姉貴にとって諸刃の剣とも言えます。
カブトプスも言ったように、姉貴は地中のエネルギーを頼りに今まで生きてきた。」
カブトプス「だから、少しでもタイミングが遅れてしまうと、地中から得た姉貴自身の栄養源が切れてしまうと…。
捕食もできずに、おそらく…姉貴は死んでしまうっ!!
なぜ、命を張ってまで兄貴にそこまでのことを?」
ユレイドル「借りを返すのは建前かもね。
本当は、単に嬉しかったからよ。」
カブトプス「う、嬉しかった?」
38
:
森さん厨
◆Y0TXrTESFs
:2015/06/12(金) 17:02:08 ID:cpwRBfhI0
ユレイドル「今は良いわ。
さぁ、早くプテラに私の吸盤を!」
オムスター「へ、へぃっ!!」
キュプ。
彼らはプテラの口に彼女の吸盤を含ませた。
ゴキュ、ゴキュ。
カブトプス「おぉ、これは姉貴が栄養分を送り込ませてるんですね。」
ユレイドル「う、うぅ。」
オムスター「あ、姉貴、大丈夫ですか?」
ユレイドル「大丈夫、慣れないことでちょっと目眩がしただけよ。」
そして。
39
:
森さん厨
◆Y0TXrTESFs
:2015/06/12(金) 17:08:27 ID:cpwRBfhI0
プテラ「う、うぅっ…。」
オムスター「あ、兄貴っ!」
カブトプス「よかったぁ、姉貴!
兄貴が、兄貴が目覚めましたぁっ!!」
ユレイドル「よ、良かったぁ…。」グッタリ
プテラ「…お前が助けてくれたのか。
ありがとう、恩に切る。」
ユレイドル「うぅん。私は一つ、借りを返しただけよ。」
プテラ「ここは、浜辺…か。
俺は、俺は…負けたというのか。戦闘で敗れたこと、今まで負けたことなんか、なかったというのに…。」
カブトプス「兄貴…。」
ユレイドル「…悲しまないで、プテラ。」
プテラ「…?」
オムスター「姉貴…?」
40
:
森さん厨
◆Y0TXrTESFs
:2015/07/08(水) 18:13:47 ID:lTI8Mv.s0
ユレイドル「私は、ずっとあなたに憧れていた。」
オムスター「姉貴?」
プテラ「…敗者への慰めのつもりか?
お前。」
ユレイドル「慰めなんかじゃない!」
プテラ「!」
ユレイドル「私はこの場を動くことすらできない孤独の身。先の見えきったこの先の生活、自身の存在意義、疎外感、全てにうち潰されそうで、とても怖かった。
だけどそんな時に、私はあなたに出会ったのよ。」
プテラ「なにが言いたいんだ?」
41
:
森さん厨
◆Y0TXrTESFs
:2015/07/23(木) 23:56:29 ID:xWcVYwJA0
ユレイドル「あなたに出会ったことで、私の心に一筋の光が差し込んだ。私にも友だちができたという、希望の光が。」
プテラ「…。」
ユレイドル「あなたと話していると、心が安らいだ。あなたの大空を飛ぶ姿を眺めていると、私まで空を舞っているような感覚を覚えた。
つまり、あなたは私にとって、掛け替えのないとても大切な存在なの。だから…。」
プテラ「だから、戦闘で敗れ去ったからって良いとでも言いたいのかっ!?」
ユレイドル「…プテラ。」
42
:
森さん厨
◆Y0TXrTESFs
:2015/07/23(木) 23:57:57 ID:xWcVYwJA0
オムスター「兄貴、なにも姉貴はそんなつもりで言ったわけじゃ。」
プテラ「お前たちは黙っていろっ!!」
カブトプス「は、はいぃっ。」
ユレイドル「プテラ。私は、ただ…。」
プテラ「助けてもらったことは感謝する。だが、これでお前との関係はもうご破産だな。」
ユレイドル「プテラ…!?」
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