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男「強いトレーナーだけが集められるパーティ?」

100 ◆lZX9FWF8B.:2015/04/27(月) 11:00:30 ID:TlwZwSoM0

友「あと、金持ちがまた来るかもしれない。今のうちにあいつのポケモンは何かを見極めておかないとな。」


女「ヒントになりそうなのは電磁砲とラスターカノンですね。」

男「俺の使うラスターカノンと違って10本の指先から出すなんてこともできる。かなりスペックの高いポケモンだろうな。」


オタク「それにあの電磁砲の火力の高さ……」


友「みんな想像してるのが同じっぽいな。」


学者「そうですね。まだ少ししか技を見てませんがジバコイルだと考えていいでしょう。」


友「やっぱりそうだよな……俺の能力はあんまり役立ちそうに無いな。」

オタク「あと、強くなるっていっても、次の野性ポケモン出現の時間までかなりある。」


学者「そうですね……今度はこちらから手を打つべきでしょう。」

学者「あと、女さんにお願いがあるのですが……」

女「は、はい。なんでしょうか?」


学者「大変だと思いますが、あなたはこの戦いの鍵になると思います。」

101 ◆lZX9FWF8B.:2015/04/27(月) 11:02:53 ID:TlwZwSoM0
〜〜

少女「らん♪ららん♪らら〜ん♪」

少年「どうしたの?今日は機嫌がいいね。」


少女「私は昨日から、いや、この戦いの知らせが来たときからご機嫌だよ?」


少年「なんでお姉ちゃんはこの戦いに参加したの?お姉ちゃんは他の人達と違ってこの戦いのことを最初から知った上で参加したんでしょ?」

少女「それはね……」


少女「ひ み つ♪」

もう一人の自分に向けて笑顔で答える。


少女(この戦い絶対に勝ってあなたを……)

102 ◆lZX9FWF8B.:2015/04/27(月) 11:05:00 ID:TlwZwSoM0
〜〜

ジョーイはあてもなくマップをさまよっていた。


にしても気に入らない。なんで私の能力がハピナスなんだか。


オフの時ぐらいこの現実を忘れたいってのに。


たまに看護師としての自分が出てしまうのがイライラする。

ストレスの発散にもならない。


最初は観戦しかしてなかったがストレス発散のために始めたポケモンバトルでまさかこんなことに巻き込まれるとは。


???「おっ!ええ女発見!」


何?この関西弁の頭悪そうなのは?


関西弁「まあまあ、そんな嫌そうな顔せんでもええやん。わいとちょっとええことせん?」


ジョーイ「…………」

ジョーイ「は?ウザいんだけど。来たら殺すよ?」

こいつ、見てるだけで殺意わいてくる。オフでわざわざ猫被った対応もする気ないし。

関西弁の眉間がピクリと動く。どうやら頭に血がのぼりやすいらしい。

103 ◆lZX9FWF8B.:2015/04/27(月) 11:06:45 ID:TlwZwSoM0
関西弁「ほぅ……そっちがその気ならワイも本気で行くで!」

私に殴りかかってくる。近接タイプの相手か。面倒だな。


注射器を三本出して、投げナイフのようにして関西弁に向けて投げる。


関西弁「熱っ!今のかえんほうしゃか?」


関西弁「だが、こんぐらいどうってことはないで!くらえ!アームハンマー!」


関西弁の腕が私に向かって降り下ろされる。


ジョーイ「くっ、格闘タイプか……レッドカード!」

関西弁「な、なんやてぇぇぇ!!」

アームハンマーをくらった直後にレッドカードを叩きつけ関西弁を吹き飛ばした。


ジョーイ「はあー……結構痛かったな。回復回復。」

だが、野性ポケモンを倒すことで耐性がある程度ついてたらしくなんとか耐えた。

朝食についてきたレッドカードがなかったらどうなっていたか。


ま、この勝負は私の勝ちね。

最初に放った注射器のうち二本はかえんほうしゃ。だが、それはフェイクで本命は三本目のどくどくである。

気がついた頃にはかなり体力を奪われているだろうね。

104 ◆lZX9FWF8B.:2015/04/27(月) 11:09:56 ID:TlwZwSoM0
〜11:30〜


学者「……まさか、そちらから仕掛けてくるとはね。」


金持ち「ええ、勝算が立ったんでね」


再び金持ちが俺たちの前に現れた。


学者「勝算か……だが、こっちも逃がしはしない!」


学者(恐らく、あのまま西洋風と組んだんだろうな。さっきみたいに建物のどこかに隠れているのだろう。)




学者(私の武器がまだ使えませんが仕方ありませんね。)

105 ◆lZX9FWF8B.:2015/04/27(月) 11:10:35 ID:TlwZwSoM0
〜〜

西洋風「そろそろ戦闘が始まりそうだな。お前も位置につけ。」


イケメン「安心したまえ。言われなくても行くさ。」


西洋風「そうか。……今のうちにやっておくか。」


イケメン「やるって何を?」


西洋風「殻を破る、だ。積み技は一定時間が過ぎると効果が切れるが、効果が続いてる間は能力を上昇させることができる。」


イケメン「なるほどねぇ。そいつは便利だ。」

西洋風「なに笑ってる?まさか、BD 下がったから今なら倒せるとでも?」


イケメン「あ、いや〜そういう訳じゃないさ。僕も持ち場に戻るよ。」

イケメンはなぜか嬉しそうにその場を去った。

106 ◆lZX9FWF8B.:2015/04/27(月) 11:35:31 ID:TlwZwSoM0
本日はここまでです。

大乱闘は次回になりますね。


そういえば、この中で好きなキャラクターとかっています?

まだ序盤なので無理して答えなくていいですが、答えてくれると活躍の場が増えるかもしれないし増えないかも知れないです。

この質問に関しては次回以降でも構いませんので好きなキャラがあれば答えてくれるとうれしいです。


いつも支援等ありがとうございます。

107名無しのデデンネ:2015/04/28(火) 17:40:43 ID:CYBbMYWY0

イケメンが好みかな

108 ◆lZX9FWF8B.:2015/05/04(月) 00:13:10 ID:T4EPI0cI0
前回はバトルの直前までだったので今回はようやくバトルシーンです。

それでは更新していきます。

109 ◆lZX9FWF8B.:2015/05/04(月) 00:14:23 ID:T4EPI0cI0
〜〜

俺と友と学者とオタクは戦闘体勢に入る。


学者「今度はこちらから行きますよ!トライアタック!」


俺「はどうだん!」

オタク「きあいだま!」

友「エアスラッシュ!」

???「光の壁!」


金持ちの前に突然現れた光の壁が俺たちの攻撃をさえぎる。


金持ち「ラスターカノン!」

壁で威力が落ちた技を4本の指から放たれた光の矢が貫きこちらにとどいた。

110 ◆lZX9FWF8B.:2015/05/04(月) 00:15:59 ID:T4EPI0cI0
オタク「えっ?……い、今のは……」


警察「昨日ぶりだな……男!」


男「警察!」

警察「お前は俺と戦ってもらう!」


男「生きて、いたんだ……よかった……」

こんなときだが警察が生きていたのを知った時は安堵してしまった。


学者「光の壁を使ったのはあなたですね?」


警察「そうだ。男と戦うため、こいつらに協力した。さあ!俺と戦え!かみなり!」


友「させるか!エアスラッシュ!」

空中から警察に向けてエアスラッシュを放つ


警察「ぐはっ!」


友「あの金持ちと俺の能力は相性が悪いんでね。こいつはもらってくぞ。」

もう一度レイピアが風をまといエアスラッシュを放つ。


???「それは、どうかな?」


風の刃が友のエアスラッシュを相殺した。

111 ◆lZX9FWF8B.:2015/05/04(月) 00:17:03 ID:T4EPI0cI0
友「お前は……イケメン!」


男「な、なんでこいつらと一緒に!?」


イケメン「気づいたんだよ。華がある僕のような人は君たちみたいなジミーズとは相容れないってことにね。」


警察「さあ!あの戦いの続きをするぞ!かみなり!」


男(なんとか避けているが、これでは金持ちに攻撃ができない。友もイケメンの妨害をされているし。)


学者(予想外ですね……。西洋風だけならまだこちらに勝ち目があると思ってましたが、これでは……)

金持ち「ぼーっとしていて大丈夫かい?」

気がついたら電磁砲を撃つ構えをとっていた。このままだとオタクと学者に……

金持ち「でんじほう!!」

112 ◆lZX9FWF8B.:2015/05/04(月) 00:19:26 ID:T4EPI0cI0
凄まじい電撃が放たれ、二人に命中する。

イケメン(すばらしい!この力が見たかったんだ!)


イケメンの攻撃が止んだ隙に友が警察に向かって急降下して突っ込む。


友「今だ!男!」

男「ああ!かわらわり!」

動けない金持ちに向かって瓦割りを放つ。

西洋風「させるか!ツララバリ!」

建物の中に隠れていた西洋風がこちらに氷柱を放つ

ツララバリは命中したが男の瓦割りを阻止することはできなかった。

金持ち「うぐっ……。」


男「もう一発!インファイト!」

しかし、五発分のダメージが蓄積してインファイトは打てなかった。

男「くっ、なんて威力だ。本当に半減かよ。」


男「だが、役目ははたしたぜ。女さん……」


女「ええ、その壁が邪魔だったんです。ハイドロポンプ!」

建物の3階から狙いをつけて金持ちの頭に向けて放つ。

金持ち「なっ!」


気づいた時には水圧にのみ込まれていた。

113 ◆lZX9FWF8B.:2015/05/04(月) 00:22:03 ID:T4EPI0cI0
西洋風「ちっ、そういえば女がいないと思ったが俺みたいに隠れていたか。」



学者「今ので倒せればいいのですが……」


金持ちがなんとか起き上がる。


金持ち「ハハハハハ。やってくれるねぇ。もし頭に直撃していたら頭ごと吹き飛ばされていたかもな。」


女(狙いは当たったと思ったけど距離があるから水が少し落ちてしまった。それを計算に入れていれば……)


学者「これだけ削れれば私たちであとはなんとかするつもりでしたが……」

まさか、敵が4人も現れるとは……

学者「敵を分断しましょう!散らばって逃げてください!」


金持ち「的を絞らせないつもりですね。」


金持ち「ですが、あなたにはでんじほうによる麻痺が残ってる。これで……」


攻撃しようとした金持ちがその場からさっと離れる。


女の撃った2発目のハイドロポンプが金持ちがいたアスファルトの地面をえぐりとる。


金持ち「……そういえば、援護射撃がまだあったね。」

114 ◆lZX9FWF8B.:2015/05/04(月) 00:23:15 ID:T4EPI0cI0

学者「今のうちにラムを……」

学者の痺れがとれた。


男「俺たちも逃げるか。オタクは麻痺平気か?」

オタク「大丈夫。身代わりで守ったから。」

警察「逃がしはしない!俺はお前に負けたせいで!」


警察は俺のあとを追った。

オタク「……個人的な怨みか……。」

オタクもそう言って姿を消した。


友「さあて、俺も逃げるか。」


友は空を飛んだ。


イケメン「飛べそうなのは他にいないし、実力をはかるいい機会だ。」


イケメンもそう言って空を飛んで追いかける。

115 ◆lZX9FWF8B.:2015/05/04(月) 00:24:57 ID:T4EPI0cI0

西洋風「ちっ!せめて学者だけでも!」


ツララバリの狙いを定める。


友「逃げるついでに一発!クロスポイズン!」


学者を狙おうとしたところを窓から飛んで来た友に突き刺される。


西洋風「ぐはっ!」


とっさに床に手をつき、友の真下から氷柱を出して突き刺す。

友「おぁ!?」

なんとか避けたため頬をかすっただけで済んだが……


イケメン「エアスラッシュ!」

背後から追ってきたイケメンに切りつけられる。


友「うぐっ……ヘドロ爆弾!」

イケメン「やめろっ!汚らわしい!」


イケメンが避けた隙に窓の外に出る。


イケメン「しまった!すぐに追う!」

イケメンも飛んで逃げた友を追って飛び去った。

116 ◆lZX9FWF8B.:2015/05/04(月) 00:27:39 ID:T4EPI0cI0

西洋風「はあ……はあ………くっそ!失敗か……」

倒れているオフィスのイスを蹴飛ばす。


窓の外を見てみると案の定、学者と女は逃げたあとのようだった。

西洋風「ちくしょう!!」


今度はデスクを思いっきり蹴り飛ばした。

117 ◆lZX9FWF8B.:2015/05/04(月) 00:28:18 ID:T4EPI0cI0

金持ち「追いかける?」

下に降りて金持ちと合流する。


西洋風「警察が男を、イケメンが友を追っている。」


西洋風「俺があの女の妨害を阻止する。オタクと学者だけ残るが……」


金持ち「なるほど、二人相手にすればいいだけか。全然問題ないね。」

西洋風と金持ちも彼らを追うことにした。

118 ◆lZX9FWF8B.:2015/05/04(月) 00:38:24 ID:T4EPI0cI0
今日の更新はここまでです。


今回の話は5対4の乱闘

後半戦は散り散りになって戦う予定です。

好きなキャラに関する質問に答えていただきありがとうございます。

自分もイケメンは気に入ってるキャラクターです。

この質問の答えは今後も募集していますので良ければ答えてくれると嬉しいです。


いつも支援、乙コメありがとうございます。

119 ◆lZX9FWF8B.:2015/05/06(水) 23:44:00 ID:iRkhJwKU0
一応補足ですが、主人公達の年齢について。

あまり描写に入れてなかったので分かりにくかったと思いますが、男と友とと女さんは19〜20ぐらいです。
この辺りは多分問題無いと思います。

以外そうなのが

西洋風が30代前半ぐらいのつもりなのと、

学者が20後半ぐらいの設定です。

学者はアクロマと同じぐらいの年齢だと思ってください。(アクロマの公式年齢は知りませんがとにかく若手ということです。)


余談ですが、こういうの書いてると主人公サイドの年齢が自分の年齢と近くなりますよね……


ああ、私も老けたな……

120 ◆lZX9FWF8B.:2015/05/29(金) 22:30:58 ID:vn/BZVJk0
今回は長めに書きためしようと思っていたらそろそろ一週間になってしまった。


久々に更新してきます。

121 ◆lZX9FWF8B.:2015/05/29(金) 22:33:36 ID:vn/BZVJk0
※上の文はそろそろ一ヶ月の間違えです申し訳ない。

〜〜〜

警察「そう長くは逃げられまい。諦めて俺と戦え!」

警察はしつこく俺を追ってきた。


男「ちっ、わかったよ!戦えばいいんだろ。ボーンラッシュ!」


骨棍棒を出して殴りかかる。


警察「かみなり!」


くっ、これじゃあ近づけないか……


男「竜の波動!」


もう片方の手で蒼白い波動を放つ

122 ◆lZX9FWF8B.:2015/05/29(金) 22:34:49 ID:vn/BZVJk0
波動が竜のような形をなして、警察に襲いかかる。

警察「おっと。今のは危ない。」

警察が避けたところで間合いを詰め、骨棍棒で3発殴り吹き飛ばす。

男「これで終わりだ!シャドーボー……」

昨日の戦いのことが頭によぎる。


俺が殺してしまったら……こいつはもう……


警察「かみなり!」


男「うわっ!」ドサッ

かみなりが直撃する。


警察「攻撃を躊躇うとは随分と甘いな。」

警察「同情のつもりか?そういうのが気に入らねえんだよ!」


ヤバい、かみなりが来る!

123 ◆lZX9FWF8B.:2015/05/29(金) 22:36:21 ID:vn/BZVJk0
しかし、近づいた時にネットを踏んでしまって身動きがとれない。

やけに素直に攻撃を受けたのはこれが狙いだったのか。

男「ぐはっ!」


警察「俺も貴様には最大限の苦痛を与えるために今のは手加減したぞ。」


警察「次は三倍の威力だ!」


もう一度かみなりが放たれる時……


???「サイコキネシス!」

警察は背後からサイコキネシスで動きを封じられる。

124 ◆lZX9FWF8B.:2015/05/29(金) 22:37:37 ID:vn/BZVJk0

男「お前は……オタク!」


オタク「正直コイツ気に入らなかったんだよね。警察のくせに個人的な怨みで行動しててさ。」


オタクが影で出来た手で警察の首を締める。

警察「や、やめろ……俺はまだ……死にたく……」


オタク「人の痛みが分からないやつはこの僕が裁く!」


もう片方の手で影の球を作る。

オタク「お前は……有罪だ!」


至近距離でシャドーボールを放ち、警察はばたりと倒れる。


男「警察!」

125 ◆lZX9FWF8B.:2015/05/29(金) 22:38:22 ID:vn/BZVJk0

オタク「安心して、こいつはもう死んだよ。」


男「そんな……」


オタク「よかったじゃん。君の命を狙っていたやつが消えて。それとも、とどめをさして強くなるチャンスを逃したから落ち込んでるの?それなら躊躇わずに攻撃してればよかったのに。」


男「お前はなんとも思わないのか!?」

オタク「彼は僕に裁かれなきゃいけない存在だった。だからなんとも思わないね。」


オタク「ここで君を倒してしまってもいいけどそれは正義に反するからね。僕の指命も見つかったことだし。助けるよ。」

オタクはねんりきを使ってネットを取り除く。

男「あ、ありがとう……」

何を考えてるんだ?こいつは。


オタク「早いとこ、学者達と合流しないとね。」


なぜか上機嫌のオタクと共にその場をあとにした。

126 ◆lZX9FWF8B.:2015/05/29(金) 22:46:32 ID:vn/BZVJk0


空中では友とイケメンが戦っていた。


友「クロスポイズン!」

イケメン「エアスラッシュ!」

イケメンの細剣が風をまとい切り裂く。

友が二本のレイピアでそれを防ぐ。

友「お前……そんなに強かったのか?」

イケメン「いっただろ?最初に会った時、僕は強いって」

クロスポイズンでなんとかそれを反す。

127 ◆lZX9FWF8B.:2015/05/29(金) 22:48:35 ID:vn/BZVJk0

イケメン「シャドーボール!」

距離を取ったところでイケメンがもう片方の手でシャドーボールを放つ。

友は空中で回転しながら避けて急接近する。


友「今だ!クロスポイズン!」


イケメン「ギガインパクト!」


友「なっ!?」

接近したところでトゲキッスの力を思いっきりぶつけられ吹き飛ばされる。


イケメン「まさか、この技が役に立つなんてね……」

俺は反動の隙に体勢を立て直す。

128 ◆lZX9FWF8B.:2015/05/29(金) 22:50:14 ID:vn/BZVJk0
くっ、昨日一緒に戦った時より格段に強い……。それだけの力を隠していたのか。

そもそも、クロバットのスピードに追い付いている時点でおかしい。

戦わずにイケメンをまいたところで合流するつもりだったんだが……

イケメン(にしても、積み技ってのは便利だ。ここまで戦えるようになるとはね。)


イケメン(だが、そろそろ効果時間が終了する。今のうちに引いた方がいいな。)


イケメン「僕は寛大だからね。今日のところは見逃してあげるよ。」


友「えっ?」

どういうことだ?俺の方がおされているのに……


イケメン「だが、しかし!」


イケメンはバシッと俺を指差す。


イケメン「次に会うときは僕はもっと強くなっている!……そのことをよく覚えていたまえ。」


そう言ってイケメンは去った。

129 ◆lZX9FWF8B.:2015/05/29(金) 22:50:49 ID:vn/BZVJk0

もっと強くなる?どういうことだ?


何か深い意味があるような気がして成らなかった。

友「あっ……そういえばあいつ……」


一度もフェアリータイプの技を使っていない……


本当にトゲキッスなのか疑わしいが今は早くみんなと合流しよう。


なぜだかすごく嫌な予感がする。俺が予想以上に手間取ったせいで悪いことが起きてなきゃいいが……

130 ◆lZX9FWF8B.:2015/05/29(金) 23:11:06 ID:vn/BZVJk0

〜〜


私は今、学者さんといっしょに逃げている。


学者「分断は成功しましたが、私達だけで金持ちを倒すのは困難でしょう。」


学者「早いとこオタクさんと友さんに合流したいですね。男さんは警察に足止めされるでしょうし、友さんもイケメンさんにマークされてます。ノーマークの彼と合流できるかが重要になりますね。」

学者「次に友さんがスピードでイケメンさんを振り切れば合流できるでしょう。男さんとの合流が最後になりそうですね。」


女「そうですか……。」


学者「そういえば、まだ話していませんでしたね。私がなぜ昨日と違う態度をとって金持ちと戦おうとしたのか。」


女「あっ。そのこと、覚えていたんですね。」


学者「ええ、できれば二人っきりの時に伝えたかったので言わなかったんですよ。」


学者「昨日まではまだ脱出装置があるから一人だけ戦わなくても元の世界に戻ることができた。」


学者「だから昨日までは女さんをできるだけ巻き込まないつもりだったんです。」


学者「しかし今日、脱出装置が破壊されたことを知った。こうなってしまったからにはあなたも巻き込むしかない。だから危険な人物は力をつける前に撃破しないといけない。そう思ったんです。」

131 ◆lZX9FWF8B.:2015/05/29(金) 23:12:30 ID:vn/BZVJk0

女「どうしてそこまでして私を!?」


学者「難しい質問ですねぇ……」

学者は苦笑いをした。

学者「ここまでの話は確信をもって答えられます。しかし、ここから先は自分でも確証はありません。」

学者「だが、この感情をもっとも納得の行く形で形容するとしたら……」


知性的で自分より少し年上の青年は少し顔を紅くして答えた。


学者「私はあなたに恋をした。というのが一番適切ですかね。」


女「えっ?」


学者「あっ、すいません。こんなこと言うとあなたを困らしてしまいますよね。申し訳ない。もう言っちゃった後ですが。」


女「い、いえ、その気持ち自体は嬉しいですし、私も学者さんはいいなって思っていたのですが……」


や、ヤバい……。顔がどんどん赤くなるのが分かる。


学者の方は驚いている。

学者「えっ?僕なんかでいいんですか?」


女「ちょっ、ちょっと待ってください!」

深呼吸して落ち着きを取り戻す。学者さんもそれまで待っていてくれた。

132 ◆lZX9FWF8B.:2015/05/29(金) 23:13:14 ID:vn/BZVJk0

女「確かに嬉しいですし、私もいいかなって思っていたのですが……」


女「あなたは女心が分かっていませんね。」


学者「えっ?」

女「女の子ってのは自分を骨董品みたいに大事に大事に扱われるのを好きだと思わないの。」

女「それよりも、自分を危険から救いだしてくれる人、一緒に危険と戦ってくれる人の方が好きなの。少なくとも自分はそう。」


女「だからね、私を気遣って何も教えないってのは全然ダメね。」


学者「そうですか……」


女「だから、今のは聞かなかったことにする。」


女「この戦いが終わったら、もう一度聞かせて?」

学者「女さん……はい!そうですね、今は目の前の戦いに集中しましょう。」

133 ◆lZX9FWF8B.:2015/05/29(金) 23:14:32 ID:vn/BZVJk0



数分後……


西洋風「やっと見つけたぞ……。」


金持ち「今回は二人ですか。まあ、他に隠れているのがいるかもしれないですがね。」


学者「ついてませんね。私達しかいないときにこの二人に見つかるとは。」

敵に聞こえないよう小声で言う。


女「今回は私が身を隠すこともできませんしね。」

学者「そうですね。一緒に戦いましょう、女さん!頼りにしてますよ。」


女「は、はい!……///」


学者「トライアタック!」

金持ち「10万ボルト!」


女「竜の波動!」

西洋風「ツララバリ!」


西洋風の手から放たれる氷柱が竜の波動を相殺する。


西洋風「こいつは俺に任せろ。」



金持ち「分かってるって。一対一なら負ける要素無いからね。」


学者「ぐっ…」


金持ちの10万ボルトに押し切られる。

134 ◆lZX9FWF8B.:2015/05/29(金) 23:17:52 ID:vn/BZVJk0
学者(アナライズか……厄介だな。だが……)



学者「ダウンロード完了。C の上昇を確認。適応力に切り替える。」

こちらは先程受けたダメージをじこさいせいで回復してある。相手の方が体力は消耗しているはずだ。


学者「トライアタック!」


金持ち「無駄だよ!10万ボルト!」


今度はトライアタックが10万ボルトを押し返した。


金持ち「ば、馬鹿な!」


学者「ポリゴンZ も火力なら負けてないですからね。」


金持ち「チャージビーム!」


学者「火力をあげるつもりか!トライアタック!」


トライアタックで書き消される。これなら特攻はあげれない。

金持ち「そう来ると思ったよ。ラスターカノン!」

指先から5本のラスターカノンが放たれる。

その一つ一つが別の軌道を書きながら学者を攻撃する。

学者「くっ、こっちの隙を突いてきたか……」

135 ◆lZX9FWF8B.:2015/05/29(金) 23:20:52 ID:vn/BZVJk0
だが、今までのラスターカノンより威力は低い。

金持ち「当たったのは三発ですか。まあ、いいでしょう。チャージビーム!」


学者「くっ……トライアタック!」


金持ち「ラスターカノン!」

学者「放電!」

電撃を周囲に放ち、ラスターカノンを止める。


金持ち「威力が分散するので仕方ありませんか。ですが……」


金持ち「準備が整いました。」

周囲には雷雲が立ち込めていた。

136 ◆lZX9FWF8B.:2015/05/29(金) 23:21:53 ID:vn/BZVJk0


戦ってる間にうまく分断されてしまったようだ。なんとか学者さんと合流出きればいいが。

女「バブルコウセン!」

水鉄砲のようなハンドガンで泡の弾丸を放つ。


西洋風「氷の礫!」


泡の弾丸を氷が弾く。その隙に走ろうとすると氷柱が行く手を阻むように下から出てくる。


女(学者さんの援護に回りたいが西洋風がそれを阻む。 相手の攻撃は私を倒そうとするというよりは 牽制するようなものだ。どうしても私を行かせたくないらしい。)


西洋風(俺はこいつを倒せなくてもいい。相手を援護に行かせなければ金持ちが学者を倒すのは簡単だ。それまで時間が稼げれば問題ない。)

137 ◆lZX9FWF8B.:2015/05/29(金) 23:23:30 ID:vn/BZVJk0


女「そうですか……私を倒す気はないのですね……」



女「だったら……あなたを倒します!」


武器をハンドガンから二メートル近くありそうな長いバズーカ砲に切り替える。


西洋風「隙だらけだ。ツララバリ!」


自分を遮るために西洋風が作った氷柱に隠れる。

西洋風「ちっ……」


三発目で氷柱は壊れたが威力は総ダメージ半分以下になってしまった。

そして、女は学者と金持ちがいる方に狙いを定める。


西洋風「まずい!」

このまま攻撃されてしまったら金持ちは避けれないだろう。そうなれば負けの線もかなり濃くなる。

138 ◆lZX9FWF8B.:2015/05/29(金) 23:24:25 ID:vn/BZVJk0
西洋風は女に接近しながら、ツララバリを両手で連射する。

西洋風「止まれええぇぇぇぇ!!!」





女「言いましたよね?私はあなたを倒すって。」


バズーカ砲を持ったまま振り向く。当然銃口もこちらを向いた。

西洋風「なっ!?」

女「流星群!!!」

こちらの放ったツララバリを砕きながら流星群が襲いかかる。

とっさに避けようとしたがほとんど直撃してしまった。


女「これで、学者さんのところに行ける。」


女はすぐにその場を去った。


西洋風「はぁ……はぁ……なんとか、生き残ったか……」

殻を破るの効果がまだ残っていたら死んでいただろう。

まだなんとか動ける。この戦いの結末を見届けよう。


西洋風も金持ちのいる方へ歩き出した。

139 ◆lZX9FWF8B.:2015/05/29(金) 23:26:40 ID:W/ej/Gmc0



金持ち「この技を使うのはこのポケモンの力を持ってしてもかなりの労力がいるからね。言っておくけどこの雷は警察が使っていたのみたいに弱くは無いからね。」


学者の頭上には今にも雷を放ちそうな雷雲が立ち込めていた。


学者「なるほど、今までのはそのための時間稼ぎでしたか。」


どうやら完全に詰まされたようだ。こちらもあと少しだったのに……


金持ち「まさかでんじほうでも倒せないとは思わなかったけどこれで本当に終わりだ。」

金持ちは指を天に向け雷を……


女「学者さん!」

女さんがこちらに走ってきた。


学者「お、女さん!?ダメだ!今は来ちゃだめだ!」


女さんに向かって電撃波を放つ。

140 ◆lZX9FWF8B.:2015/05/29(金) 23:29:28 ID:W/ej/Gmc0
女「えっ、どうしてっ!?」



その直後、学者に雷が直撃した。あのまま進んでいたら自分も巻き込まれていただろう。


女「う……嘘でしょ?」


ぼろぼろになって倒れた学者は手がまだ少し動いていた。

金持ち「さすがに一撃で倒すのは難しいですか。」

金持ちが一歩、一歩、倒れている学者に近づく。

女「させない!ハイドロポンプ!」


金持ち「ラスターカノン!」


ハイドロポンプを相殺されてしまった。

流星群を撃った反動か思うように力が入らない。

金持ち「先に黙らせるか。10万ボルト!」

女「うあっ!」


金持ち「もう一発だな。」

女「くっ……」ドサッ

女も動けなくなって倒れる。

金持ち「さて、こいつには手を焼かされたから先に倒すよ。」

学者に向かって指をさす。指先に光が集中する。

141 ◆lZX9FWF8B.:2015/05/29(金) 23:31:47 ID:W/ej/Gmc0
学者「ああ……やっとか……手間取りましたよ。」


学者は最後の力を使って両手を金持ちに向ける。そしてその手には……

学者「こいつの修復にね。」




西洋風に破壊された電卓が握られていた。



学者「破壊光線!!」

金持ち「なん……だと……」


至近距離で破壊光線を受け吹き飛ばされる。


金持ち「はあ……はあ……。……まさか、最後にこんな痛いのを食らうとはね……。」


金持ち「だが、今ので全部の力を使っただろう。深追いは禁物だな。」


金持ち(こちらも体力が限界だ。他のやつが戻ってきたら確実に殺られるだろう。)


金持ち(もし、学者を倒しきれて無かったとしても僕にはまだ究極の切り札がある。わざわざ群れなくても次は確実に倒せる。)

金持ちはそのまま去っていった。

142 ◆lZX9FWF8B.:2015/05/29(金) 23:34:21 ID:W/ej/Gmc0


女は地面を這いながらなんとか学者の方に近づく。


女「学者さん!早くじこさいせいを!」

学者「……何度も試しているのですがポケモンの力がもう残って無いみたいですね。」

確かに、学者さんの顔に色の線が入っていない。

女「効くかもしれないので、ミックスオレを……」

学者「ありがとう……。」

女「どうですか?」


学者「……おいしかったですよ。力は戻らないみたいですが。」

女「そんな……」


学者「結局私はダメな男でしたね。もう一度告白するチャンスをあなたがくれたのに……」

女「そんなこと無い!あなたが私を頼ってくれたのにそれにこたえられなかった私の方が悪い!」

学者「いいんですよ。あなたは私の予想以上に早く来てくれた。時間を稼いでくれたお陰でなんとか破壊光線を使うこともできた訳だし。」

143 ◆lZX9FWF8B.:2015/05/29(金) 23:35:23 ID:W/ej/Gmc0

学者「くっ!……はぁ……生身の身体になるとここの空気は辛いですね。もうじき消えるみたいです。ですからこれを……」

自分のポケッチをはずして女さんに渡す。

学者「これには私がハッキングで手にいれた情報が入っています。あなたが必要だと思った時にそれを見て下さい。」


学者「それでは……どうか……」


アクロマ……すまないな。私はお前の過ちに気づきながらも止めることが出来なかった。非力な親友(とも)を許してくれ。


だがきっと……あの3人がお前を止めてくれる。だから、何も心配はいらない。


学者はゆっくりと目を閉じ、それっきり動かなくなった。


女「学者さん……。ごめん……なさい……学者さん……」



西洋風(どうやらあの学者は死んだようだな。俺ももう体力が限界だ。見つからないうちにこの場を去ろう。)


友「あっ、女さんだ。おーい……ってあれ……?」


泣いてる……


女さんに気づかれないようにそっと降りて、周りを見る。


学者の奴死んじまったのか……

しばらくそっとしておくことにした。

144 ◆lZX9FWF8B.:2015/05/29(金) 23:54:24 ID:W/ej/Gmc0
本日の更新はここまでです。

今回はいろいろありすぎて語りたいことがたくさんあり過ぎて困ります。


最初の方のオタクの豹変やイケメンの能力の謎についても結構濃いい内容だったと思いますけど、学者さんがいろいろと持っていきましたね。


学者さんはいろいろ知ってる設定だったのでこんなに早く死なせるつもりは無かったのですが、書いてたらこうなってしまいました。



あと、特性に関することですが複数特性がある場合は好きなときに切り替えて使うことが可能です。しかし、同時に別の特性を使うことはできないです。


いつも読んでいただき、ありがとうございます。

145名無しのデデンネ:2015/05/30(土) 00:26:31 ID:dn6n0/E.0
お疲れさまです、支援です。
学者さん好きだったので残念ですが次回も楽しみにしています

146 ◆lZX9FWF8B.:2015/06/10(水) 09:56:04 ID:7DtrQ0pM0
支援ありがとうございます。

学者さんは当初中盤戦終了までは生きてもらうつもりでしたけど、金持ちsideも4人がかりで戦ったので誰か一人ぐらいは倒せないと都合が良すぎる気がしてこうなってしまいました。

あんまり目立たないオタクに犠牲になってもらうこともできたけど殺すためだけにキャラを用意するのはもったいないと思ったので結果的にこうなりました。



それでは、更新していきます。

147 ◆lZX9FWF8B.:2015/06/10(水) 09:58:34 ID:7DtrQ0pM0

女さんが泣き止んで落ち着いたようなので、何も知らないのを装って声をかける。


友「どうした?女さん。」

女「あっ友さん……学者さんが……」

倒れている学者を見せる。


友「学者……マジかよ……。」

そのあとすぐに男とオタクが一緒にきた。


男「そんな……学者さんが……」

オタク「…………」



女「私はもう大丈夫です。学者さんのためにも仲間を増やしてアクロマと戦いましょう!」


なんていうか……本当に芯が強いな。もっと落ち込むかと思ったが。


友「確かにな。彼のためにも今後のことを考えよう。まずはお互い分かれて戦ったから情報の交換をしよう。」


男とオタクは警察を倒したこと。俺はイケメンが異様に強かったこと。女さんは西洋風と金持ちとの戦いのことを話した。


男「なるほど、とりあえずあいつらはもう去ったってことでいいみたいだな。」

友「だが、これからどうすればいいか……」

一同「…………」

今までだったら学者が率先してどうすればいいかを決めていた。これから先は俺達で考えて決めていかなきゃいけないんだ。


そんな時だった……ゲームの主催者……アクロマからメールが送られてきたのは……

148 ◆lZX9FWF8B.:2015/06/10(水) 10:01:49 ID:7DtrQ0pM0
友「あっ。ポケッチにメールが来てるぞ。このまま悩んでいてもしょうがないし、とりあえず見ようぜ。」

男「ああ、そうだな。」


このときは考えもしなかった……このメールが俺達を引き裂くことになるなんて……

149 ◆lZX9FWF8B.:2015/06/10(水) 10:04:17 ID:7DtrQ0pM0




???「さあ……来いよ……俺は戦いたくてしょうがねえんだ。」

軍服を来た男が関西弁と向かい合う。


関西弁「レッドカードで飛ばされたと思ったらこんなのの目の前かい。なんかやばそうな奴やな……」

関西弁「……あんた、まさかイッシュ地方出身じゃないよな?」

軍人「そうだ。俺はイッシュの軍人だ。」


関西弁「あかんな……まさかこいつが呼ばれとるなんてな。」

イッシュ代表の軍人は他の地方でもある意味名の知れたトレーナーである。彼は過剰なドーピングを自分のポケモンに行わせたり、相手プレイヤーへの闇討ち、戦闘不能状態になったポケモンへの過剰な攻撃等、度重なる反則で出場停止をくらった男である。


軍人の顔にカーキ色と抹茶色の二重線が入る。


すると、軍人の周囲から砂嵐が起こり始めた。

150 ◆lZX9FWF8B.:2015/06/10(水) 10:05:24 ID:7DtrQ0pM0
関西弁「な、なにが起こっとるんや……」

軍人「どうした?もう戦いは始まっているぞ?」

関西弁「なっ、なんや?砂で視界が……」


軍人「ストーンエッジ!!」


関西弁「ぐはっ、ぐあぁっ!」

巨大な岩の塊が身体を抉るように突き刺さる。



最初に砂嵐が起きたことも考えると相手はバンギラスかカバルドンの可能性が高い。

関西弁「そんなら……アームハンマー!!」

軍人「ストーンエッジ!」

ほぼ同時に互いの技が当たる。


軍人「ぐはっ!」

軍人が倒れる。


今のがかなり効いたってことはバンギラスってことで良さそうやな。

151 ◆lZX9FWF8B.:2015/06/10(水) 10:08:25 ID:c1aFHID20

それならタイプ相性はこちらが有利や!


だが、さっきからなぜか身体が苦しい気がする。この男、他にも何かやったのか……


関西弁「もう一度、アームハンマー!!」


軍人に向かって腕を降り下ろ……

関西弁「うぐっ!」


激しい痛みに襲われ力が抜ける。

軍人「おっ?どうした?まあなんでもいいか。冷凍ビーム!」


軍人は距離をとって攻撃を放つ。

近づこうにも砂嵐が鬱陶しい。


それに、さっきから止まないこの痛みはなんだ?

しかも徐々に強くなっているような……


まさか!?これって毒状態か!?

あの注射器女に毒を盛られたんやな……

152 ◆lZX9FWF8B.:2015/06/10(水) 10:09:31 ID:c1aFHID20
もしそうならこいつと戦ってる場合じゃない。早いとこ毒を直せるものを探さなくては。

毒は90分で切れる。だからこれだけで死ぬことはない。しかし、その間にたくさんのダメージを蓄積すると、残りの体力が足りないかもしれない。

とにかくこいつから逃げないと始まらない。軍人の攻撃の隙をついて逃げ出す。

軍人「ほぅ、逃げるのか?簡単には逃がさんぞ。久々のおもちゃなんだからな。冷凍ビーム!岩雪崩!」


くっ、当たっちまった……このままだと……

軍人「さて、まずは1体目か。」


関西弁にストーンエッジを放とうとした時……


???「シザークロス!!」

横から鎌のようなブレードで切りつけられる。

153 ◆lZX9FWF8B.:2015/06/10(水) 10:10:35 ID:c1aFHID20

軍人「何っ!……誰だ貴様ァ!」


関西弁「お、お前はクールか!?以前ジョウトリーグにも顔を出していた!」

軍人「クール?誰だそいつは?」


クール「……やはり分からないか。まあいい……死ね!」


もう一度シザークロスで斬りかかる。

軍人は黒い槍を取り出してそれを防ぐ。

クールの方には黒と黄緑色の二重線が入っていた。


関西弁(今のうちに逃げた方が良さそうだな……)

関西弁はなんとかその場を去った。

154 ◆lZX9FWF8B.:2015/06/10(水) 10:11:33 ID:c1aFHID20



軍人(シザークロスを使ってくることからして虫タイプだろうな。)



軍人「ストーンエッジ!」

素早い動きで石片をかわす。


軍人「早いタイプか……ならば岩雪崩!」

クールのいる範囲全体に岩が降ってくる。


しかし、クールはなんとかそれも避ける。


軍人「避けたか……だが、隙だらけだ!」

軍人「追い討ち!」

155 ◆lZX9FWF8B.:2015/06/10(水) 10:12:49 ID:c1aFHID20

黒い槍がこちらを追尾するように伸びて背後から突き刺さる。

クール「くっ……」

軍人「そのままアイアンテール!」

黒い槍がさらに硬化し、上から叩きつけられる。

クール「……」

クールは立ち上がる。

軍人(ほぅ、思ったより効いてる様子がねえな。早い上に硬いのか……)


クール「バレット……パンチ!」

一瞬にして軍人の前に移動して弾丸のような早さで殴る。

軍人「なっ!?」

軍人(威力もなかなかだな。)

クール「メタルクロー!」

黒い槍をもとの大きさに戻して攻撃を防御する。クールは先程の鎌と異なり、今度は鉄の鋏(ハサミ)で斬りかかる。


なんとか黒槍で攻撃を受け止める。

軍人「パワー、スピード、耐久どれも並みのものではないな。どういうトリックだ?」

クール「…………」

156 ◆lZX9FWF8B.:2015/06/10(水) 10:13:42 ID:c1aFHID20

軍人「まあ、言えないよな。ストーンエッジ!」


槍で攻撃を防いでる今なら確実に当たる。

クール「うぐっ!」

軍人(こいつ……顔に入っている線の色が変わっている……)

黒と黄緑から赤と黒の線に色が変わっていた。

軍人「そういうことか!読めたぞ。お前の能力!」

軍人「火炎放射!!」

クール「まずいっ!」

とっさに距離をとって直撃を避ける。やはり線の色が変わっている。

軍人「岩雪崩!」

クール「しまっ……」


対応しきれずに直撃をくらう。

軍人「どうだ?四倍弱点を連続で突かれる気分は?」

157 ◆lZX9FWF8B.:2015/06/10(水) 10:16:37 ID:c1aFHID20

クール「くっ……」

炎と岩が四倍弱点になるポケモンは存在しない。だが、進化前と進化後でタイプが変わるのなら話は変わってくる。

軍人「お前の能力はストライクとハッサムで当たりだろ?」



このゲームは進化前と進化後の能力を使うことができる。それを利用して、高速低耐久のストライクと鈍足高耐久のハッサムを使い分けることで互いの欠点を補っていたのである。


クール「やはり、勝負事に関しての実力は本物のようだな……。」


クール「それだけの力がありながら……なぜ、あいつを殺した!」


軍人「あいつじゃ多すぎて誰のことかわかんねえが……俺は勝つためだったらなんでもする。それがたとえ人殺しでもな。」


クール「貴様ァ!」

急接近してバレットパンチを……

158 ◆lZX9FWF8B.:2015/06/10(水) 10:17:36 ID:c1aFHID20
軍人「おっと、熱くなりすぎだぜ?さっきまでの冷静さはどうした?」

今度はバレットパンチのタイミングでサッと退いて空振りにさせる。

落ち着け、どうあがいても今の俺ではこいつに勝てない。ここは退くしか無いんだ……

軍人「火炎放射!」


なんとか今回は避ける。

危なかった……もし、あのまま攻撃しようとしていたら今ごろ焼け死んでいただろう。

だが、まだ来る!

軍人「岩雪崩!」


今回は逃げに専念していたからこれも避けれた。このまま逃げきれれば……


軍人「追い討ち!」

黒い槍が背後から迫りくる。

クール「くっ、この距離でもとどくのか……」

軍人「アイアンテール!」

逃げようとしたがストライクモードで受けてしまう。


それでも軍人の攻撃を受けながらなんとか逃げ出すことができた。


軍人「ちっ、逃げたか……。さっきのやつよりは面白いと思ったんだがな……」

159 ◆lZX9FWF8B.:2015/06/10(水) 10:18:20 ID:c1aFHID20


はぁ……はぁ……


なんとか逃げきれたか

羽休めで体力を回復する。

にしても、強かった。あの男……


あの槍のせいで遠距離だろうと飛んでくる近接攻撃に加え、接近戦の時でも好きなタイミングで使えるストーンエッジと多彩な技の種類……。

そして、何よりもあの男の勝負強さだ。

もっと強くならなければ俺に勝ち目は無い。

まずはさっき軍人と戦っていた関西弁を倒すとしよう。


羽休めの回復が終わり次第、関西弁が逃げた方に向かうことにした。

ふと、ポケッチにメールが来ていることに気づいた。


クール「……もうひとつ、負けられない理由が増えたな。」


メールを閉じたあと、そう呟いた。

160 ◆lZX9FWF8B.:2015/06/10(水) 10:20:13 ID:c1aFHID20



友「……なんだよこのメール……」


女「嘘でしょ……」


オタク「…………」


俺たちはメールを見て黙りこんでしまった。

メールの内容はこうである。

『やあ!BUSTER の諸君!元気にやってるかい?それとも、元気に殺ってるかい?(笑)』

『今日は君たちに大事なお知らせがあるんだ。何人かはもう知ってることなんだけどね。』

『この戦いの優勝商品についてだ。それについて今日は詳しく話しておこう。』


『優勝というのは最後まで生き残った人間のことを指す。最後まで生き残った勝者は……一つ願いを叶えることができる。』


『願いはなんでもいい。当然だが願い事の回数を増やしたりすることはできない。』

『死んだ人間を生き返らせることも可能。その場合、生き返らせるというより「その人物が死ななかった世界」に移動するといった方が近いかもしれない。そのため、生き返らせる人間は一人まで。』


『自分の人生の選択を変えるといったことも可能。まあ、他にもいろいろできることはあるし、気になることがある人はこのメールに返信して聞いてくれ。』



『それでは、よい一日を。』

161 ◆lZX9FWF8B.:2015/06/10(水) 10:21:18 ID:c1aFHID20

男「な、なんだよこれ……願いをなんでも叶えるなんて……そんなことできるわけ無いだろ!」


友「そ、そうだよな……。そんな馬鹿なことできるわけねーって。」


オタク「だが、もしこれが本当なら……それに僕たちにポケモンの能力を植え付けてこんな空間まで作るようなやつだし……」

友「そんな訳あるかよ!」

友がオタクの胸ぐらを掴む。

男「お、落ち着けって!らしくないぞ。」

友「……ああ、すまないな……オタク。」

掴んでいた手を放す。

女「あっ!そういえば、学者さんが残してくれたハッキングしたデータがある。それを見れば真実が分かるかも!」

男「そうだな。それを見ればいろいろ分かるかもしれん。」


女さんは学者のポケッチを見せる。

162 ◆lZX9FWF8B.:2015/06/10(水) 10:23:06 ID:c1aFHID20
〜〜

二重人格の少女はもう一人の自分と会話する。

少女「あっ、アクロマさんからのメールだ!読んでみよう。」


少年「どんな内容だろうね。」


ポケッチに着たメールを一緒に見る。


少女「な〜んだ。知ってる内容じゃん。」


少年「えっ!?これって本当なの?」

少女「ええ。だって私は見せてもらったんだもん。願いを叶えるところをね。」

少年「じゃあ知ってて参加したの?」


少女「そうよ。叶えたい願いがあるからね。」

少年「それって何?」


少女「あなたを実体化させるためよ。これであなたも一人の人間として生きれるようになるわ。」


少年「どうしてそんな危険なことを!?一歩でも間違えたらそれで死んじゃうんだよ!」


少女「分かってる。」

少年「分かってない!」

睨み会う二人……もちろん脳内で。

163 ◆lZX9FWF8B.:2015/06/10(水) 10:24:04 ID:c1aFHID20
少女「ふふっ、久しぶりのきょうだい喧嘩だね。」

少年「今回のは笑い事じゃないぞ。なんで俺なんかのために……」

少女「これは私のためでもあるのよ。」


少年「えっ?」

少女「以前私が話した夢を覚えてる?」

少年「……なんだっけ?」


少女「そ、そこは覚えてなさいよ……。いったでしょ?二人で一緒にジムリーダーになりたいって。」

少年「ああ!言ってたね。ごめんね、忘れてて。」

少女「私たちもフウさんとランさんみたいなジムリーダーになるって誓ったでしょ!?いや、私たちならポケモンリーグ初のダブルバトル四天王ぐらいにはなれるわ!」

少年「いや、四天王はさすがに無理が……」

少女「そのためには、あなたに実体化してもらいたいの!」


少年「うん……分かった!なんとしても優勝してみせるよ!どうせ負けたら死んじゃうんだし。」


少女「そうね。まあ、まずは一人、目の前の敵を片付けないと。」


ちょうど目の前に見知った大男が姿を現した。

大男「久しぶりだな。お嬢ちゃんよぉ。」


少女「あら、大男さんごきげんよう。ホウエンリーグ以来かしら?」

164 ◆lZX9FWF8B.:2015/06/10(水) 10:24:37 ID:c1aFHID20


学者の残したデータを見た俺達は驚愕した。


友「ちょっと待てよ……これって……」


男「ジラーチの能力……これを使うことで願いを叶えることは理論上可能……。」


オタク「そもそもこのゲーム自体が願いを叶える力によって作られた……。」


女「学者さんはこれを知っていたから……」

学者の持っていたデータはこのゲームが作られた経緯と願いを叶える力を証明するものであった。


友「このデータによるとアクロマの言うように人を生き返らせることも可能って訳か。」


友は立ち上がる。


友「わりぃ。俺、戦わなきゃならなくなった。」

男「おい!友!まさかお前……あの願いを!」


友は空を飛んで去っていった。

165 ◆lZX9FWF8B.:2015/06/10(水) 10:25:46 ID:c1aFHID20
女「男さん……彼の願いって?」


男「……友は、俺の妹と付き合っていた。けど、ある事故によって妹は死んでしまった。そのことを友はずっと気にしていたんだ。俺はあいつを責めるつもりは無いしもう死んじゃった人を生き返らすなんて間違ってると思う。」

女「……そうよね。間違ってる……よね。」

自分に言い聞かせるように女さんはいった。

オタク「なるほど…………しい……」


もし聞こえていたら男に殴られただろうけど小声で言ったから気づかなかった。


男「だが、これからどうする?」

メンバーを引っ張ってきた友がいなくなってしまった。それに、学者さんが持っていたデータも現状を打開するものではなかった。


女「あっ、待って!このデータにジラーチの生態について書かれているんだけど……」


男「どれどれ……ジラーチは1000年に一度姿を現し、三つまで願いを叶えることができる。そして、七日が経つと再び眠りにつく。……これがどうかしたか?」


オタク「なるほど、僕達の持っているポケモンの能力はそのポケモンのメリットもデメリットもあわせ持っている。それはジラーチの能力にもいえるのだから……」


女「七日経てばこの戦いは終わる!」

166 ◆lZX9FWF8B.:2015/06/10(水) 10:27:25 ID:c1aFHID20
男「そうか!つまり、アクロマも七日以内に決着がつかないと力を失う。そうなる前に必ず俺たちの前に現れるはずだ!」


女「学者さんは多分その時に備えるために仲間を集めようとしてたんだね。」


男「それで仲間を集めてアクロマと戦うつもりだったんだ。」

俺達もアクロマと戦えるだけの仲間を集めて最終日に備えれば……


ようやく目的が見えてきた。


オタク「君達は七日目の戦いまでに戦力を集めるつもりなのか?」

男「ああ、そのつもりだ。」

女さんも頷く。

オタク「そうか。じゃあがんばってね。」

オタクは立ち去ろうとする。

女「え?オタクさん?それって……」

男「ちょっ、ちょっと待て。お、お前も友みたいに何か叶えようとしてるのか?」


オタク「彼と一緒にしないでくれ。僕の願いはもっと崇高なものなんだから。」

男「待てよ!」

しかし、そのままオタクは去っていった。


女「オタクさんまで……」


俺達は二人っきりになってしまった。

167 ◆lZX9FWF8B.:2015/06/10(水) 10:48:42 ID:c1aFHID20
本日の更新はここまでです。

今回の話はようやくこの戦いの根源的な部分が出てきます。

何となくモンスターの能力を持つ者同士が戦うとこから連想できたかもしれませんがこの話は仮面ライダー龍騎を意識しています。

まあ、丸パクリしている訳じゃないのでその辺は許して下さい。


あと、今回は久しぶりにクールさんが登場しました。クールさんの能力についてですが、進化前と進化後で能力を使い分ける設定は『新番組!ポケットモンスターTHE No .(ナンバーズ)』さんからお借りしました。ありがとうございます。


次回はまだどうなるか決まっていませんので更新が空くかもしれませんがよろしくお願いします。

168名無しのデデンネ:2015/06/10(水) 14:30:54 ID:Fb9fmqIQ0
支援、盛り上がって来ましたね!

169 ◆lZX9FWF8B.:2015/07/02(木) 10:50:36 ID:KiHE57xQ0
最近過疎り過ぎてヤバイな。


という訳で更新します。

170 ◆lZX9FWF8B.:2015/07/02(木) 10:51:15 ID:KiHE57xQ0


少女と大男が向かい合う。

大男「さっそくいくぜ。ギガインパクト!」


少女はなんとかギガインパクトの衝撃をかわす。

少女(来るのがなんとなく分かったから避けれた。)


大男「俺はな……お前らに負けたせいで全てを失ったんだ。」


少女「強い者が勝つ。それが戦いでしょ?あなたは私達より弱かった。だから負けた。それだけのこと。」


かつて大男はホウエンリーグを六連覇を成し遂げ、その名は全国に知られていた。もはやホウエンに彼に勝てる者などいなかった。


しかし、七連覇がかかった戦い。誰もが大男の勝ちを確信していたが彼は予選落ちで負けた。それからというもの、彼は予選にさえ出れなくなり、次第に忘れられていった。


突如現れたこの少女に敗北したのである。

大男「俺はお前に負けてから何もかもがうまくいかなくなった!地位も名声も全てお前に奪われた。」


大男「だからここで、全てを奪い返す。優勝して俺は自分の名声を取り戻す!」

171 ◆lZX9FWF8B.:2015/07/02(木) 10:53:14 ID:KiHE57xQ0
少年「こんなデカブツが女の子を脅すなんて、見苦しいよオッサン。」

大男「貴様ァ!ギガインパクト!」

少年「リフレクター!」

壁を貼ってダメージを抑える。

少年「痛っー!!……はい、電磁波。」


大男「くっ、痺れか。」

少年(今の洒落にならないくらい痛かったよ。気を付けてね。)

少女(分かってるわ。こんな負け犬に負けるものですか。)

少女「サイコキネシス!」


強力な念力を放つ。


大男「それくらい効かんぞ!ギガインパクト!」

少年「はいはい、身代わり。」

大男「何っ!?」

ギガインパクトは身代わりを破壊しただけで終わった。

少女「あなたの能力、ケッキングでしょ?」

172 ◆lZX9FWF8B.:2015/07/02(木) 10:54:44 ID:KiHE57xQ0

大男「な、なぜそうだといえる?……」


少女「キャハハハハ!めちゃくちゃ動揺してるじゃん!それが何よりの証拠だけど。」


大男「納得できんな。説明しろ。」

少女「じゃあ聞くけど、なんで今攻撃しないの?」


少女「しないんじゃなくて、本当はできないんでしょ?」

少女「あと、ギガインパクトしか使わないのはなまけのカモフラージュでしょ。」


少女「そして、今もこうして私の推理を聞きながら反動の回復を待っている。違うかしら?」


大男「その通りだ。まあ、隠す気もなかったがな。ギガインパクト!」


少年「だから身代わりされるの分かんないの?」

大男「分かってないのはお前たちだ!」


大男は飛び上がり、足で身代わりを踏み潰してギガインパクトを放つ。

少年「うわっ。それズルじゃん!」

少女「想定済みだけどね。サイコキネシス!!」

大男「ぐおぁっ!?だが、ギガインパクトは受けてもらう!」


そのまま怯まずに少女をぶつけ飛ばす。

少女「うあぁっ!?」

173 ◆lZX9FWF8B.:2015/07/02(木) 10:58:47 ID:KiHE57xQ0
少女「今のを受けながら攻撃してくるなんてそうとうな執念ね……」



少女(いったん退いた方がいいかもしれない……)

少年(えっ?どうして?こっちの方が有利なのに。)


少女は向かい側のビルに目を向ける。


少女(もう一人、この戦いを見ている者がいる。あまり消耗しすぎるとそいつに負けることになるわ。)


少年(ほんとだ!あのビルの影に誰か隠れてる!)

少女(ここからだと誰か分からないけど面倒なことになる前に逃げましょう。)


大男「どうした?かかってこないのか?」

少女「そうね。ちょっと用事ができちゃったから。お遊びは終わりよ。」

そういって立ち去ろうとするする。


大男「なんだと!待ちやがれえええ!」

少女「サイコキネシス!!」

大男「ぐあっ!?」

174 ◆lZX9FWF8B.:2015/07/02(木) 11:00:05 ID:KiHE57xQ0

少女「足の痺れもあるから辛いでしょ?」

大男「まだだ!ギガインパクト!」

しかし、大男は足を止めない。

少女「なんて執念なの……!」


少年「まずい!リフレクター!」

このままだと直撃すると判断してリフレクターを使ってダメージを減らす。

大男「ちっ、リフレクターが切れた今なら攻撃が通ると思ったんだが。」


少年「じゃあ、ゆっくり休んでてねオッサン♪あと、近くに誰かいるみたいだから気を付けてね。」


そういって去っていった。


大男「ちくしょおおおおおお!!!」


その様子を見ていた巫女服の女性がいた。

巫女(子供の方は気づいたか。しかも、大男に私の存在を教えて。)

巫女(もう少し大男の体力を減らしてくれればよかったけど……いや、これはチャンスかもしれない。)



巫女服の女は大男に近づいて彼になんでも治しを使う。


大男「麻痺が治った……。お前……どういうつもりだ?」

困惑している大男を見て巫女は微笑んで言った。


巫女「私と組んでみないかしら?」

175 ◆lZX9FWF8B.:2015/07/02(木) 11:00:44 ID:KiHE57xQ0
〜12:15〜



関西弁「危なかった〜。なんとか昼食と一緒に用意されてるアイテムでなんでも治しを見つけることができた。」


???「毒か。……なるほど。」

関西弁「だっ、誰や!?」

振り替えるとさきほど軍人と戦ってる時に割り込んで来たクールだった。


関西弁「あ、あんたはさっきの!そんときは助かったで。……だが、今回はそういう訳じゃなさそうやな。」

明らかにクールは殺気を放っていた。


クール「察しがよくて助かる……」

クールの顔に黒い線が入る。


関西弁「残念やけど、こっちは体力がもうない。その誘いはまた今度にさせてもらうわ!」


関西弁は煙玉を放つ。この煙玉はなんでも治しを見つける過程で手に入れたものである。


クール「ちっ、視界が……」


煙が晴れると関西弁は姿を消していた。


クール(だが、まだ近くにいるだろう。探せばまだ見つかるかもな。)

176 ◆lZX9FWF8B.:2015/07/02(木) 11:02:27 ID:KiHE57xQ0
〜15:00〜

友はアパートらしき建物の屋上から下を見下ろしていた。


友(俺は強くならなきゃいけない。)


友(最後まで生き残り、願いをかなえるためにも。)

友(今はまだ人と戦うことよりもポケモンを倒してポイントアップを手に入れたり、自分のレベルをあげた方がいい。)



友「確か今から一時間だよな…………」

下を見ていると次々と敵が出現し出した。

友「この限られた時間の中でどれだけ倒せるかが勝負になる。」

手に持った二本の毒のレイピアに力が入る。

その時、背後からムクホークが襲いかかってきた。

ムクホークのブレイブバードが当たる寸前、振り向きざまにクロスポイズンを放ち、撃破する。

友「まずは一匹……」

だが俺はもっと強くならなきゃいけない。

そして地上に急降下していった。

177 ◆lZX9FWF8B.:2015/07/02(木) 11:03:17 ID:KiHE57xQ0
〜18:00〜


「ちっ、退屈だ……」


黒服の軍人は無人の都市を歩き続けた。


軍人「ここに来れば暴れられるって聞いてわざわざ来たのにどいつもこいつも俺から逃げていく。」


???「ハハハハハ。随分と退屈そうだね。」

振り向くとゲームの主催者が立っていた。

軍人「アクロマか……。まあいい、この際お前でも構わない、俺と戦え。」


アクロマ「ハッハッハ。気が早いね、君は。僕とはまだ戦えないよ。」


アクロマ「だが、安心したまえ。そんな君に特別なイベントを用意しておいた。」


白衣のポケットからモンスターボールを出す。


アクロマ「今から君にこの中に入ってるポケモンと戦ってもらう。勝つことができればそのポケモンは君のものだ。」

軍人「なんだ、ポケモンかよ。俺は早くニンゲンと殺りたいんだ。」


アクロマ「まあ待て。この中に入ってるポケモンをみれば喜んでもらえると思うんだけどね。」

アクロマはそういってモンスターボールを投げる。

178 ◆lZX9FWF8B.:2015/07/02(木) 11:04:22 ID:KiHE57xQ0
軍人「こ、こいつは……」

アクロマ「君も実際に見るのは初めてだろう。私が最も尊敬した狂気のマッドサイエンティストが悪の組織ロケット団の支援により造り出したポケモン。ミュウツーだ。」


アクロマ「まあ、今では彼もふぬけになってしまったがね……」

アクロマ「あと、先に言っておくとミュウツーのような伝説のポケモンはタイプ一致技を無効化されないからあくタイプのバンギラスでもエスパー技を無効にできないからね。半減になるけど。」

軍人「こいつは面白い。せいぜい楽しませてくれよ。」

軍人の周囲から砂嵐が巻き起こる。

アクロマ「じゃあ、僕はその様子でも見させてもらうよ」

アクロマは消えていった。


軍人「好きにしろ。戦えるならそれでいい。」


ミュウツーは念力の渦を作り砂嵐を吹き飛ばす。

軍人「ほぅ、今のはサイコウェーブか。」

軍人「だが、砂嵐は俺が能力を使っている限り何度でも作り出せる。意識しなくてもな。」


再び砂嵐が吹き始める。


それを見たミュウツーもサイコウェーブを作っていた渦を圧縮して1メートル弱程の剣の形に変わった。

179 ◆lZX9FWF8B.:2015/07/02(木) 11:05:13 ID:KiHE57xQ0
それを見て軍人も黒槍を取り出す。


ミュウツーが念の剣を振ると念力の刃が軍人を切り裂く。


軍人「ぐっ!……なるほど、遠距離でも関係ないってことか。これが噂に聞くサイコブレイクってやつだな。」


軍人は地面に槍の先端を突き立てる。


軍人「いわなだれ!!」


ミュウツーの頭上から岩が降り注ぐがミュウツーの念力ですべて止められ粉々に砕かれた。

軍人「ほぅ、エスパータイプってのは相手にすると厄介だな。だが……」

ミュウツーの真下から槍が飛び出してきた。

とっさに避けようとしたが足に命中する。

軍人「そのまま悪の波動!!」


後方に退いたミュウツーに槍先から悪の波動を放ち追撃する。

180 ◆lZX9FWF8B.:2015/07/02(木) 11:06:12 ID:KiHE57xQ0

アクロマ(なるほど。最初のいわなだれは囮で頭上に意識を集中させ、「あなをほる」を通すための布石か。いわなだれの前に槍を地面に刺したのはそれを狙っていた訳だね。砂嵐のおかげで相手はその動作にも気づかないだろうけど。)

アクロマ(しかも、そのあとの追撃も後方に退くミュウツーの動きを読んでいる。よく能力を使いこなしてるね。)

アクロマ(さて、ミュウツーはどう戦うかな?)


ミュウツーは悪の波動を受けた直後、横から回りこんで軍人に接近する。

軍人「ちっ、槍をもとに戻す前に攻撃する算段か。」

あなをほるを使ったため、槍の大部分は地面に埋まっている。槍が元の大きさに戻る前に攻撃されるとこちらはガードができない。

軍人「その弱点に気づいたことには誉めてやるが……」


ミュウツーにストーンエッジが突き刺さる。


軍人「だが、当然対策もある。」

さらに岩石封じで蓋をする。これだけ岩が積まれれば念力で浮かすのは不可能だろう。

あとは岩を積みながら下から槍で刺していけば終わりだ。



そう思った時、ミュウツーの体を埋めていた岩がすべて砕け散った。


軍人「なっ、ばかな!さすがにサイコキネシスでもこの量の岩を吹き飛ばすことはできないはず……どうやってそれだけのエネルギーを……」

ミュウツーは両手で波動弾を放つ。


軍人(さっきまで持っていた念の剣が消えてる。なるほど。念の剣を爆発させ、剣に圧縮されてる念力を解放したのか。)


波動弾が軍人に直撃した。

181 ◆lZX9FWF8B.:2015/07/02(木) 11:06:56 ID:KiHE57xQ0
軍人「悪タイプが入ってることが分かったため、サイコブレイクを捨てて波動弾を使ったのはいい判断だ。」

軍人は立ち上がって言う。


軍人「だが……今ので俺を倒せなかったのは痛恨のミスだな。」


ミュウツーはもう一度波動弾を撃とうとする


しかし、真下から槍が突き上げてきて攻撃を断念して一歩退く

軍人の方も今度は追撃せず槍を元に戻す。


アクロマ(あえて追撃しなかったか。今ので追撃していたら隙が大きくなるからミュウツーにとってはもう一撃与えるチャンスになっただろうに)


ミュウツー「……」


軍人「……どうした?来ないのか?」

まあ、お互い攻撃するとそれが致命傷を負う原因になりかねないから動けないんだがな。

だが、動かなければ砂嵐のダメージがあるこちらが……

182 ◆lZX9FWF8B.:2015/07/02(木) 11:07:27 ID:KiHE57xQ0

軍人「いや、待てよ……まずいな。かみくだく!」


軍人はミュウツーに接近する。そして、槍先が伸びながら歯のように変化しミュウツーをかみくだく。


軍人「今のを念力で防げなかったということは自己再生を狙っていたな。」


アクロマ(あーあ、バレちゃったか。たいして回復できなかったね。)

アクロマ(勝負あったね。)


ミュウツーは再び波動弾を撃つために距離を取ろうとする。 


軍人「そこだ!追い打ち!」


それが裏目になり、黒槍がミュウツーを貫く。





ミュウツーは倒れた。

183 ◆lZX9FWF8B.:2015/07/02(木) 11:15:44 ID:KiHE57xQ0
本日の更新はここまでです。


今回の話は、今までだらだらとやっていたので時間を早めに進めました。

その結果内容が薄いです。

次回には三日目にうつりたいと思っています。

184名無しのデデンネ:2015/07/02(木) 20:44:15 ID:HAR.IBQw0
今回も良かった
軍人結構好きだな

185名無しのデデンネ:2015/07/02(木) 20:48:27 ID:lKoQ9.IA0
乙です

186 ◆lZX9FWF8B.:2015/07/14(火) 23:06:09 ID:0nQunID60
〜21:00〜


野生ポケモンが出てくる時間が終わり、巫女服の女は一息ついた。


巫女「おつかれさま。ずいぶんと役に立ったよ、大男さん。」


大男「ああ……」

巫女はランタンのようなものを持って夜の街道を青白い炎で照らしながら歩く。


さっきから何かが変だ。野生ポケモンと戦ってる時、ほとんど自力で倒せなかった。戦ったわりに経験値はあまり稼げてない気がする。

まるで、自分はあの巫女に経験値を譲っているようだ。

それだけじゃない、頭がぼーっとして深く考えられない。

巫女「そういえば、さっき手に入れたかいふくのくすりが欲しいんだけど。このオレンの実と交換してくれない?」


大男「あっ、ああ。」


かいふくのくすりを渡す。


巫女「ありがと。」


ま、待て!なぜ俺は今かいふくのくすりを渡したんだ!?かわりに貰ったのはオレンの実だぞ!

187 ◆lZX9FWF8B.:2015/07/14(火) 23:06:59 ID:0nQunID60

大男「おい!お前!」


巫女「ふふっ。どうかした?大男さん?」

笑顔でこちらに振り向いて、

巫女の吐息が大男にかかる。

大男「い、いや……、なんでもない。」

俺は何を言い出そうとしたのか忘れてしまった。

巫女(ふふっ、もう自我がほとんど無くなってきてるね。)

188 ◆lZX9FWF8B.:2015/07/14(火) 23:08:21 ID:0nQunID60

〜21:30〜


???「あっ!お前は腹黒巫女!お前まで来てたんか!?」


巫女「あら、関西弁さん。こんばんは。あなたも私と組まない?同じジョウト出身ですし。三人になれば何かと便利ですよ。」

関西弁「断る!あんたに利用されるだけや!おい、大男!悪いことはいわんからこいつにだけは関わらん方がいいぞ!」

関西弁「わいは以前こいつと組んでさんざん利用されたからな!あんたも早いとこ縁切った方がいいで!」

大男「……」

しかし、大男は全く動かない。

関西弁「……お、おい返事ぐらいせえや……気味悪いで。」


巫女「交渉決裂ね。大男さん。彼を懲らしめちゃってください。」

189 ◆lZX9FWF8B.:2015/07/14(火) 23:09:20 ID:0nQunID60

大男「……ギガインパクト!」


関西弁「なっ、いきなりやとっ!?」


関西弁「だったらこっちも……アームハンマー!!」


大男はアームハンマーの直撃を受けるが再びギガインパクトを撃とうとする。


関西弁「あ、あんた!そんなペースでギガインパクトなんて撃ったら体がもたんやろ!」


大男「……」

だが、大男はギガインパクトを放った。


関西弁「ぐはっ!まさか、腹黒にあやつられてんのか……だったら、目を覚ましやがれ!」


大男の頭部をアームハンマーで殴る。

関西弁「これでちょっとはましになったか?」

大男「お、俺は……」


巫女「大男さん!関西弁を押さえつけてください!」

190 ◆lZX9FWF8B.:2015/07/14(火) 23:10:33 ID:0nQunID60

一瞬意識が戻りかけたが、すぐにまた関西弁を押さえつけた。


巫女「そうです。それでいいんです。」


巫女が持っていたランタンが激しく燃える。


関西弁「ま、まさか大男ごと焼き払うつもりか!?」


巫女「オーバーヒート!!」

ランタンから炎が吹き出し、こちらに襲いかかってくる。

関西弁「あかん!ともえ投げ!」

つかみかかっている大男を向かってくる炎に投げる。



大男「ぎゃあ"アアアアアアアア!!!」

関西弁は大男を壁にしてなんとか炎を防いだ。

巫女「ちっ、役立たずが……」

191 ◆lZX9FWF8B.:2015/07/14(火) 23:11:39 ID:0nQunID60
大男「アアアアアアアアアア!!」

大男は炎の中で狂い踊る

巫女「あっははははは!火のなかで悶えながら踊ってるよ!今ごろ走馬灯でも見てるのかしら?それとも恐怖と熱で失禁(笑)してたりして。」



関西弁(なんて奴や……だが、今のうちに逃げるしかないな。)

関西弁はその隙に去っていった。


あれ?そういえば、昨日からずっと逃げてばっかりのような……


もしかしてワイって…………弱い?


そう思いながら後ずさりする関西弁であった。

192 ◆lZX9FWF8B.:2015/07/14(火) 23:13:01 ID:0nQunID60



巫女「逃げられたか……まあいいわ。この余興を楽しむとしましょう。」

手から火の玉をポンポンと出して大男の方に放つ。


大男「ア"ガアアアアアア」

巫女は笑いながら火炙りにされる大男を見ていた。



大男「ミ……コオオォォォ!!!!ギガ……インパクト!!」

大男は最後の力を使って火だるまになりながらギガインパクトを放つ。

凄まじい衝撃とともに炎をまとった大男が突っ込んでくる。


巫女「私に近づくな。クズが。」


あと一歩というところでランタンから炎が吹き出し、オーバーヒートが直撃する。


大男「……」


大男は声を発することもできずに倒れた。


巫女「あーあ、最後に全部の体力使うから。せっかくの余興が終わっちゃったじゃない。」


巫女は少し残念そうな顔をしたが、最後は笑ってこう言った。


巫女「たくさんの経験値をありがとね。大男さん。」

193 ◆lZX9FWF8B.:2015/07/14(火) 23:13:59 ID:0nQunID60
〜23:00〜

結局、俺と女さんは何もできなかった。

今日、友やオタクと別れてからやったことといえば野生ポケモンを倒すことと食料を確保することぐらいである。

このまま七日間が過ぎたら……

こんなとき、友や学者がいてくれたら……

いや、そんな考え方ではだめだ。俺も覚悟しなきゃいけない。俺が引っ張っていくしかないんだ。



もう、今日みたいな一日は終えない!

194 ◆lZX9FWF8B.:2015/07/14(火) 23:14:40 ID:0nQunID60



夜――、私は忍び足で薄暗い施設の廊下を歩く。


後輩(え〜っと、アクロマの足取りを辿ると多分このアジトが有力なんだけど……)


どうも、久々の登場になります。男さんの後輩です。

今、私は先輩がアクロマにつれていかれたと思われる施設に潜入している。

先輩の話だとアクロマが集合場所に指定したのはカントー地方のニビシティの周辺だった。ニビシティの周辺にはリニアのような遠くに行く施設はない。

そこからバスに乗るという話を聞いたが、カントーの外に出ることは無いだろう。

となると、アクロマがカントーで拠点を置く場所になる。こうなるとかなり限定されるので施設を見つけるのは意外と簡単だった。


正門には元プラズマ団らしき人が警備をしていたがカードキーで出入りしているのを見たのでポケモンバトルで気絶させカードキーを奪い侵入、現在に至る。

195 ◆lZX9FWF8B.:2015/07/14(火) 23:15:28 ID:0nQunID60
にしても、先輩はどこにいるんだろうか。

外から見た感じだとあまり広くない建物だ。

あれだけの参加人数を隠すには面積が足りない。


となると、どこかに地下に繋がる入り口があるはずである。

中に人の気配がなさそうなので恐る恐るドアを開けてみる。


どうやらアクロマの研究室のようだ。部屋には大量の論文で散らかっている。


とりあえず、地下に繋がる階段を探そう。


そう思った時、足元にある論文のタイトルに目がいった。



『ポケモン化実験ー人体にポケモンの能力を付与させる可能性ー』


後輩(な、何よこれ……)


周囲の論文を見渡して見るとどれも人体にポケモンの能力を植え付けるようなものばかりであった。


後輩(まさか……アクロマの研究っていうのは……)


???「ようこそ、私の研究室へ。」

196 ◆lZX9FWF8B.:2015/07/14(火) 23:16:15 ID:0nQunID60

後輩「うっ、うわぁ!」

驚いて論文で足を滑らせてすっ転ぶ。

???「おっと、あまり散らかさないでくれよ。ちゃんと置いた場所が頭に入っているんでね。」

後輩「……あなたが、アクロマなの?」


アクロマ「そうだよ。」

後輩「男さん達はどこ?」


アクロマ「へぇ、男さんの知り合いなんだね。」


アクロマ「いいよ。教えてあげるからついてきて。」


アクロマはあっさりと承諾した。

197 ◆lZX9FWF8B.:2015/07/14(火) 23:16:53 ID:0nQunID60



私はアクロマに隣の部屋へ案内された。


その部屋にはいくつものモニターが置かれていた。


アクロマ「ちょうど今面白いところなんだ。」


後輩「嘘…でしょ……」


画面に映っていたのは炎に包まれて呻き声をあげる大男の姿だった。


アクロマ「ハッハッハ!!素晴らしい!最高のショーだと思わんかね!」


後輩「いやっ!」

後輩は目を逸らす。

後輩「……こんなの間違ってるよ!」


後輩はマリルリを繰り出した。

アクロマ「おっと、邪魔はさせないよ。」

アクロマは変わったフォルムの拳銃を取り出すとマリルリに撃った。

アクロマ「これは僕が開発したキノコの胞子銃。相手を確実に眠らせることができるんだ。」


マリルリはすぐに眠ってしまった。

アクロマ「もちろん人体にも効くからね。」


そう言って銃口を向けた後、私は意識を失った。

198 ◆lZX9FWF8B.:2015/07/14(火) 23:17:50 ID:0nQunID60
〜三日目 朝7:00〜


男「今日であれから三日か……」


今は俺と女さんだけなんだ。これからは二人で頑張らなくちゃいけない。


そう意気込んでいたら朝からポケッチにメールが来ていることに気づく。


今日はいったいなんなんだろう。


『今日は8時までドアが空かないようにせっていしてある。8時になったら外に出てみるといい。』


『そうしたら今日のイベントについて説明するよ。』


いったい何が起きるっていうんだ。


とりあえず、用意された朝食とアイテムを取る。

こうして、8時が来るのを待った。

199 ◆lZX9FWF8B.:2015/07/14(火) 23:19:17 ID:0nQunID60
〜8:00〜

これでドアのロックは解除された。


ドアをあけるとそこは……


灼熱の火山地帯だった。


〜陸side〜

どうなってんだよ……ここは。


女「あっ……男さんも来たんですか……」

女さんはどこか疲れてる様子だ。

女「すいません……私、暑いの慣れてなくて……」


そういえば、シンオウって結構寒いんだったよな。


???「あら?あなた方もここに連れてこられたのですか?」

200 ◆lZX9FWF8B.:2015/07/14(火) 23:20:14 ID:0nQunID60
巫女服の女性に呼びかけられた。

男「あ、ああ……ドアをあけたらここだったって感じだが。」

女「私もです……だから何がなんだか……」


巫女「そうですか。私も今情報が無くて困ってたんです。よければ私も一緒に行動させてもらえませんか?」


おお!なんて願ってもないようなチャンス!これでさらに戦力が増える!

男「よ、よければ……」


???「げっ!腹黒巫女!」


巫女「あら?関西弁さん。ごきげんよう。おひさしぶりですね。」


関西弁「とぼけんなや!昨日仲間の大男を俺と一緒に焼き殺そうとしたやろ!」


男「なんだって!?」


巫女「いいえ。あれは攻撃の直前に大男さんに避けてもらうつもりだったんです。それをあなたが投げ飛ばしたから大男さんがかわりに攻撃を受けてしまっただけです。」


関西弁「だが、お前は大男が火のなかでもがき苦しむのを見て笑ってたやろ!」

巫女「ちっ……言い逃れはできないか……」

巫女「あ〜あ、せっかくカモが二匹も釣れたと思ったのに。」


男「なっ!?」

巫女「まあ、ばれちゃしょうがないか。」

巫女の顔に蒼白い紫の線が浮き出る。

201 ◆lZX9FWF8B.:2015/07/14(火) 23:22:10 ID:0nQunID60
〜海side〜


友「ここは……」


ドアを開けると俺は闘技場のような場所に出た。そして、闘技場の周りには水が張られていて外に出ることができない。


試しに空を飛んでみたがこの闘技場の外には出れないようだ。

地上に降りてみるとオタクと西洋風とクールがいた。


クール「……」


オタク「……」


友「……」


西洋風「……」


俺たち四人はここでで戦えってことか。幸い、男や女さんがいないからあいつらと戦わないで済むわけだが。


いや、仮にここに男や女さんがいたとしても殺さなきゃいけないんだ。


西洋風「……お前、変わったな。」

202 ◆lZX9FWF8B.:2015/07/14(火) 23:22:55 ID:0nQunID60
友「なっ!?」


西洋風「昨日あった時のお前なら真っ先に口を開いていたはずだ。それが今では険しい表情をしている。」


オタク「彼は自分の欲望のために願い事を叶えるんだってさ。」


友「違う!俺はあいつのために!」


西洋風「ってことはお前ら今、別行動中ってことか。」

オタク「僕もそうだよ。だから彼らがどうなったかは知らない」


友「じゃあオタク。お前の願いってのはなんだ?」


オタク「答える義務は無いね。まあ、君の下らない願いと違って全人類のためになる願いだけど。」

友「下らないだと!?」

友とオタクが戦闘体勢に入る。


西洋風「待て!水中に何かいるぞ……」


さっき確認した時は何もいなかったが水中には巨大な黒い影が映っていた。

203 ◆lZX9FWF8B.:2015/07/14(火) 23:24:33 ID:0nQunID60
〜空side〜


天空にそびえ立つ塔の頂上に集められたのは金持ち、イケメン、ジョーイ、少女の四人だった。


イケメン「四人だけか……たった二日でこれだけ減ったとは思えないよね。」

ジョーイ(あ〜眠い。寝起き辛すぎ。)

少女「なんか理由があるんだろうけど知ってる?」

金持ち「どうでもいいね。楽しいゲームが待っているなら。」

204 ◆lZX9FWF8B.:2015/07/14(火) 23:26:03 ID:0nQunID60

〜陸・海・空side〜

全員が互いに顔を合わせたところでアクロマの音声が流れる。


アクロマ『やあ、陸・海・空チームの皆さん。お待たせしました!レジェンドレイドイベントへようこそ!』


男「……レジェンドレイドイベント?」


アクロマ『レジェンドレイドイベントとは陸・海・空の3チームに別れて伝説のポケモンと戦うイベントである。』

アクロマ『勝てば莫大な経験値が手に入る。ここからの戦いを有利に進めていくためには重要なイベントって訳だ。』

アクロマ『経験値がもらえるのはそのチーム内でもっとも貢献した人、つまり、もっともダメージを与えた人間のみだ。』

アクロマ『仮にもっともダメージを与えた人が途中で死んでしまった場合は2番目にダメージを与えた人がもらう。その人も死んだ場合は3番目。というように死んだ場合はくりあがりで経験値がもらえる。その際もらえる経験値は1位のものと同じだ。』


アクロマ『与えたダメージ量と現在の一位と自分の順位、戦う伝説のポケモンのHP等はポケッチに表示されるようにしておいたからそれを使ってくれ。』


アクロマ『次に、君たちが戦う伝説のポケモンについて説明しよう。まず、何と戦うかについてだが、まあ見てもらった方が早いだろうね。』

ポケモンの声「 きりゅりりゅりしぃぃ! 」

古塔の上空からポケモンの叫び声が聞こえる。


少女「あっ!上空に何かいる!」

雲の隙間からポケモンが姿を現す。


イケメン「は……はは……嘘だろ……こんな奴と戦うのかよ。」


ジョーイ「へぇ……実物を見るのは初めてね。あれが、レックウザか……」

205 ◆lZX9FWF8B.:2015/07/14(火) 23:26:42 ID:0nQunID60

海フィールドでも先程から水中に潜んでいた影が大雨とともに姿を現す。

カイオーガ「 ぎゅらりゅるぅぅぅぅ!」


友「おい……デカすぎんだろこいつ。」


西洋風「冗談かよ……笑えねえぞこれは。」

206 ◆lZX9FWF8B.:2015/07/14(火) 23:29:51 ID:0nQunID60
一方火山も……


関西弁「な、なんや!?この地響きは!」


男「これってまさか……噴火だ!」


ゴゴゴゴゴ!!ドゴーーーーーン!!!


地面から大量のマグマが吹き出しマグマの中から巨大なポケモンが現れる。


グラードン「ぐらぐらるぅぅぅぅ!」


女「なんなの……あの怪獣……」


アクロマ『どうだね?喜んでもらえたかな?』


男「ふざけやがって!」


アクロマ『さて、伝説のポケモンについて説明しよう。各チームではグラードン、カイオーガ、レックウザが出現したと思うが君達は4対1で戦うことができるためHP は10倍、それ以外のステータスはすべて1.5倍に設定してある。そして、伝説のポケモンの攻撃はタイプ相性やちょすい等の特性で無効化や4分の1にすることはできない。その場合、半減のダメージを受けてもらう。こちらの攻撃は相性通りに受けるから安心してくれ。』


『あと、フィールドについてだけど倒したとしても9時まではでれないからね。まあ、一時間以内に倒すのはほとんど無理だと思うからあまり気にしなくていいけどね。』


『それじゃあ、健闘を祈ってるよ。』


アクロマの声はそこで途切れた。

207 ◆lZX9FWF8B.:2015/07/14(火) 23:30:36 ID:0nQunID60



軍人「8:00まで出れないみたいだったから待っていたが……これはどういうことだ。」


軍人は街の中を歩く……


軍人「誰も居ねえじゃねぇか!!」


砂嵐とストーンエッジで街を破壊しながら歩く。


アクロマ(悪いねぇ。ミュウツーを手に入れた君をイベントに参加させるとバランスが崩れるからね。まあ、この補填はあとでちゃんとするよ。)

208 ◆lZX9FWF8B.:2015/07/14(火) 23:31:37 ID:0nQunID60
〜陸side〜

男(この状況、相当まずいけど人と戦う訳じゃない。それだけはよかった……)


男「みんなでこいつを倒して生き残ろう!」


女「男さん……そうですね!頑張りましょう!」

巫女「こんな敵が出てくるとは……協力して戦いましょう!」

関西弁「巫女は信用できんが、どうせわい一人では勝てん。しゃーないか。」

209 ◆lZX9FWF8B.:2015/07/14(火) 23:35:09 ID:0nQunID60

〜海side〜

友「マジかよ……こいつを倒さないと出れないのか……」



クール「……お前、さっき飛んでたよな?」

友「あ、ああ……」

クール「俺が左から攻める。お前は反対から頼む。」


西洋風「……なら、俺が遠距離から牽制する。」

オタク「僕も浮遊で多少飛べるから電撃で攻撃するよ。」

友「こんなヤバいやついたら俺達で戦ってる場合じゃないよな。よしっ!一時休戦だ。俺達であの怪物を倒すぞ!」


この時はまだ俺達は気づきもしなかった……このイベントに隠された最大の罠に……

210 ◆lZX9FWF8B.:2015/07/14(火) 23:37:42 ID:0nQunID60
〜空side〜


皆が様子見をしているなか金持ちが前に出る。


金持ち「待っていたよ……こんなゲームが来るんじゃないかってね!」


イケメン「おいおい、さすがに一人で行くのは危ないだろ!」


金持ちはレックウザの前へと歩む。


レックウザ 「きりゅりりゅりしぃぃ!!!」

レックウザが金持ちに襲いかかる。

金持ち「いけっ!マスターボール!!」


金持ちに襲いかかったレックウザはそのまま彼の投げたマスターボールに吸い込まれた。

少女「えっ?……あいつ……レックウザをゲットしたの?」


金持ちは落ちたマスターボールを拾い、ボールからレックウザを出した。


金持ち「さ〜て、鬼ごっこを始めようか。」



古塔が元のフィールドに戻るまで、あと50分。

211 ◆lZX9FWF8B.:2015/07/15(水) 00:00:09 ID:OVjVspc60
本日の更新はここまでです。


ようやく三日目に入れました。この話は能力者同士が戦うのがメインなので伝説のポケモンVS 能力者っていうのもやってみたかったんですよね。

あと、彼らの戦う場所ですが文章だけだと分かりにくいと思うので、陸チームはモンスターハンターポータブル2ndの決戦場(アカムトルムと戦う場所)、海チームはこれもモンハン2ndの水上闘技場、空チームもモンハン2nd の古塔の最上階をイメージすると分かりやすいと思います。

分からない人は逃げ場がまず無いということだけおさえていればいいと思います。


そういえば、もうそろそろこの掲示板が始まって一周年ですね。最初に書いた『主人公Z、フレア団入り』もこの頃書きためを作り始めたとおもいます。

なので更新できたらいいなと思っています。(するとは言っていない)


いつも支援ありがとうございます。

212 ◆lZX9FWF8B.:2015/08/11(火) 22:05:31 ID:exkiMKwU0
〜空side 8:10〜


古塔では開始早々金持ちがレックウザを捕まえてしまった。


イケメン「まさか、金持ちとレックウザを同時に相手することになるとはね。」


ジョーイ「あ〜。これはまずいね。9時まで戻れないんでしょ?」


少女「頑張って塔の出口を塞いでる岩を壊そうとしてるけど……無理ね。手応えが無い。恐らく攻撃力2倍のレックウザの攻撃に耐えるぐらい硬く設定されてるだろうし。」


金持ち「さっそくだけど君の力を見せてもらおう。」

レックウザ「 きりゅりりゅりしぃぃ! 」


レックウザが三人に向かって突っ込んでくる。


なんとか避けたが分断されてしまった。


金持ち「ラスターカノン!」


孤立したジョーイを狙われる。幸いハピナスの能力なので特殊技はたいして痛くない。



イケメン「一つ聞きたい。お前らって飛べるか?」

少女「えっ?無理だよ。」

イケメン「ジョーイは飛べるか?」


ジョーイは首を横に降った。


まじか……

213 ◆lZX9FWF8B.:2015/08/11(火) 22:07:48 ID:exkiMKwU0

イケメン「少女、俺がいったんあいつらを引き付けるからその間にジョーイと一緒に飛び降りろ。」

少女「えっ?私たち飛べないよ?」


イケメン「そこは安心したまえ。このイケメンな僕がなんとかしてみせるさ。……頼む、僕を……俺を信じてくれ。」


少女は真剣なイケメンの表情を見て、コクリと頷いた。

まずはリミッターを外さないとな。「殻」を割っておくか。


まさかこの切り札をもう使わないといけないなんてな。まあいい、むしろこれが使い時だ。


イケメン「準備はできた。走れ!」


少女「うん!」

少女はジョーイの方へ駆け出す。


イケメン「おい!金持ち!レックウザ!こいつを見ろ!」


片腕をレックウザと金持ちに向けて突き出す。

214 ◆lZX9FWF8B.:2015/08/11(火) 22:10:16 ID:exkiMKwU0
金持ち「その手の構は……俺が電磁砲を撃つときの……いや、ただのはったりか。トゲキッスが使えるわけ無いだろ。」


イケメン「それはどうかな?」

人差し指で強く親指を弾く。


イケメン「電磁砲!!」

特大の電撃が指先から放たれレックウザと金持ちに直撃する。

なんて、腕の負担がヤバい技なんだ。もう片方の手で押さえてないと反動でこっちが持たなくなる。こいつはそれを平然とやってたのか。


金持ち「馬鹿な……なぜその技を使える!?」


イケメン「今だ!空をとぶ!!」


イケメンは飛び上がり少女とジョーイの方へ急ぐ。


金持ち「レックウザ!追え!」

レックウザ「キュリリリィ……」


金持ち「ちっ、電磁砲で麻痺したか。」


ラスターカノンで撃ち落とそうとするが速すぎてあたらない。

イケメン「少女!ジョーイ!俺に捕まれ!」


イケメンは二人の手を握りそのまま塔から飛び降りた。

215 ◆lZX9FWF8B.:2015/08/11(火) 22:12:22 ID:exkiMKwU0

金持ち「あ〜あ、逃げられたか。まあいい、時間はまだあるんだ。」


レックウザに「なんでもなおし」を使い、金持ちもレックウザに乗って塔を降りた。

にしても、電磁砲を撃ってくるなんてね。これは予想外な収穫だった。


金持ち「まだまだ僕を楽しませてくれよ。」


金持ちは不敵に笑った。

216 ◆lZX9FWF8B.:2015/08/11(火) 22:14:06 ID:exkiMKwU0



イケメン達は塔から飛び降りて少し下の階に身を隠した。


イケメン「なんとか撒くことはできたみたいだね。」


少女「なんで、あんたは私達を助けたの?いずれ殺されることになるかもしれないし。」


イケメン「困ってるレディを助けるのに理由がいるかい?」


ジョーイ・少女(うわー…………キモッ)


イケメン「すごい冷たい視線を感じるんだが……君ら失礼なこと考えてないかい?」


イケメン「まあ、本音を言うと君らを失うと金持ちに全部経験値がいっちゃうし、自分が死ぬ確率も上がるからね。」


少女「それなら納得。」

ジョーイ「なるほどね。」

ジョーイ「で、これからどうする?どうせここにいても気づかれるでしょ。」

イケメン「だろうね。だから俺が一人で逃げてもしょうがないんだ。一時間以内に確実に殺される。俺達が生き残るには……」



イケメン「この三人でレックウザを倒すしかないんだ。」

217 ◆lZX9FWF8B.:2015/08/11(火) 22:15:00 ID:exkiMKwU0
少女「勝算はあるの?本物より10倍のHP のレックウザに加えて金持ちもいるんだし。」

ジョーイ「それは大丈夫かもしれない。アクロマは4対1で戦うから10倍に設定しただけで捕まえたレックウザのステータスは戻っている可能性がある。」

イケメン「そう。二対三だと思えば勝算は無くはない。」


イケメン「そのためには君達の能力について教えてもらわ……」


ジョーイ「それよりあんたの能力って何よ。空を飛べたりでんじほうが使えるなんて。」

少女「ああ、それは私も気になっていた。」


イケメン「あれは……そう!トゲキッスで指を振ったらたまたま出ただけさ!」


少女「へぇ〜、運に頼って私達を飛び降りさせたんだ〜。」


ジョーイ「どうせあんたも教えてくれなきゃ作戦もたてられないんだから嘘はやめときな。」


イケメン「……まあ、ばれるよな。俺も正直にいうから二人も教えてくれよ。」


少女「はいはい。とりあえず、誤魔化そうとしたあんたからね。」


イケメン「やはりそうなるか……。」

218 ◆lZX9FWF8B.:2015/08/11(火) 22:16:27 ID:exkiMKwU0

イケメン「僕の能力はドーブルだ。この世界ではPP が無くならない限り『スケッチ』が使えるから見た技をすべてコピーできる。だからさっきは金持ちからパクった『でんじほう』が使えたのさ。ただし、野生のポケモンの技はコピーできなかった。人が捕まえたポケモンの技がコピーできるかはまだ試してない。」


ジョーイ「やっぱりドーブルか。」

少女「じゃあ次は私ね。」


イケメン(反応薄いな……二人とも勘づいていたのか。)


少女「私の能力はエスパータイプのニャオニクス。ニャオニクスは性別によって能力が変わるんだけど……私はちょっと変わっててね……」


少年「こんなこともできるんだ!」

イケメン「あれ?雰囲気変わった?」

ジョーイ「へぇ、多重人格ってやつ?」

少年「そっ。これによってニャオニクスのオスとメスの能力を使い分けれるってやつさ。まあ、これぐらいかな。」


ジョーイ「じゃあ私ね。私の能力はハピナス。ジョーイだから予想ついたでしょ。面白くないわ。どうせなら攻撃型のポケモンがよかった。」

219 ◆lZX9FWF8B.:2015/08/11(火) 22:18:28 ID:exkiMKwU0

少年「そういえば、イケメンは金持ちから能力を奪ったってことはあいつの能力が分かるの?」

イケメン「ああ。あいつの能力はジバコイルだ。」


ジョーイ「なるほどね。特殊アタッカーなら私は有利に戦える。」


イケメン「僕もその方がいいと思ってたんだ。レックウザは少女と二人で早いとこ片付けてそっちの援護に行くよ。」


ジョーイ「なら、私は時間を稼ぐだけでいいのね。ハピナスの能力だと倒すより楽で助かる。」


イケメン「そうだな。まあ、このまま見つからないのがベストだけど……」


そう言いかけた直後、爆音とともにレックウザが壁を突き破って入ってきた。


金持ち「ようやく見つけたよ。」



イケメン「……やっぱり戦わなきゃいけないみたいだな。」


古塔脱出まで、あと30分……

220 ◆lZX9FWF8B.:2015/08/11(火) 22:26:50 ID:exkiMKwU0
久々の更新ですが本日はここまでです。

ようやくイケメンの能力が判明しましたね。まあ、金持ち側に寝返った段階で予想できたと思いますけど。

トゲキッスだと偽っておいたのはどうしても有り得ない技を使わなきゃいけなかった時「指をふる」で誤魔化すことができると思ったからです。結局そういう場面は無かったのですが。

本日の更新はここまでです。最近過疎ってるから人がいるか心配ですが、頑張って最後までやりとげようと思っています。



いつも支援ありがとうございます。

221 ◆lZX9FWF8B.:2015/10/14(水) 08:35:18 ID:AloaHvYs0
〜空side〜

金持ちとイケメン、少女、ジョーイが対峙する。

金持ち「さて、鬼ごっこはもう終わりだよ。」


イケメン「そうだな。ま、そう簡単にやられないけどね。」


少女「サイコキネシス!」

少女が背後の壁を破壊して飛び降りる。イケメンもその後を追う


金持ち「逃げられると面倒だ。追うぞ!レックウザ!」

レックウザ「キュリシャァァァァ!!」


レックウザもイケメンと少女を追って外に出る。

金持ちもレックウザに飛び乗ろうとするが……


ジョーイ「させない!とおせんぼう!」

動きを封じられ、飛び降りるタイミングを逃した。


金持ち「なるほど……分断作戦か。」


金持ち「確かに、レックウザと僕を同時に相手するのは不可能だろう。だから有利な相手とだけ戦う作戦に出た。まあ、悪くないね。」


金持ち「けど、どのみち君らはゲームオーバーだ。」

222 ◆lZX9FWF8B.:2015/10/14(水) 08:37:58 ID:AloaHvYs0
イケメン「金持ちが来てないってことはひとまず分断は成功だな。」

少年「そうだね。まずは布石をつくらないとね。ミストフィールド!」

ドラゴンタイプの技の威力が半分になった。

少年「さらに、リフレクター!光の壁!」

少年「これでダメージはかなり抑えられるはず。」


少女「あとは、時間稼ぎをよろしくね。」

イケメン「ああ……分かってるさ。殻を破る!」

レックウザ「キュリリリリィ!!!」

イケメン「来たな。レックウザ!」

レックウザは竜の波動を放つ。

しかし、光の壁とミストフィールドで威力はかなり削がれた。


イケメン「俺は耐久を削ってるから当たりたくないが、これならなんとかなりそうだ。」

イケメンは指先からツララを作り出す。


イケメン「くらえ!ツララバリ!!」

ツララがレックウザに向けて放たれ3発が命中した。


イケメン「やはり、スキルリンクの奴のようにはいかないか。まあ、ドーブルの特性はテクニシャン。一発の威力は悪くないはず。」

もう一度、ツララを作り出す。

イケメン「今度は両手で!」


合わせて10本のツララがレックウザに襲いかかる。

レックウザ「ギシャアァァァ!!」

イケメン「よし、効いてるな。」


レックウザはこっちを完全に敵視したようだ。

223 ◆lZX9FWF8B.:2015/10/14(水) 08:38:59 ID:AloaHvYs0
〜〜

金持ち「ラスターカノン!!」

10発の光の矢が貫く。


ジョーイ「くっ、たまごうみ!」


ハピナスの耐久でもかなり削り取られる。事前に瞑想を使ってなかったら受けきれなかったかもしれない。


金持ち「回復特化のハピナスか。確かに、時間稼ぎには最適かもね。」


金持ち「チャージビーム!」


ジョーイ「削りながら火力をあげる気か!ちいさくなる!」

金持ち「無駄だよ。君はもうロックオン済みだ!」


全方向からチャージビームが命中する。


金持ち「さて、これでもう受けきれまい。」


ジョーイ(こうなった以上、こっちも戦うしかないわね。)

確かに相手は強い。だが、こちらが防戦一方だから油断しきっている。そこに付け入れば……

ポケットから注射器を4本ずつ取り出した。


ジョーイ「れいとうビーム!!」

注射器を放ち、金持ちの両手両足に当たる。


金持ち「へぇ、注射器に技が仕込んであるのか。面白いね。」


ひとまず、手足を凍らせることに成功した。

次は恐らく……

金持ち「ほうでん!」

224 ◆lZX9FWF8B.:2015/10/14(水) 08:39:30 ID:AloaHvYs0
全身に電気を流し氷を破壊する。

ジョーイ「今だ!かえんほうしゃ!!」


相手のほうでんに合わせてかえんほうしゃの入った注射器をぶつける。

電撃に火炎が合わさり、大爆発いくつも起きる。


かなりのダメージを与えただろうがさらに注射器を増やして追撃する。確実に息の根を止めなくては。


金持ち「電磁砲!!」

硝煙の中から電撃が放たれる。


ジョーイ「くっ…………!」

電撃が直撃しジョーイは膝をつく。


まずい……早く回復しないと……


金持ち「こちらの弱点をうまく突く攻撃、中々だったよ。だが所詮、タイプ相性、努力値、種族値なんてものは副次的な産物に過ぎない。そんなものは実力が拮抗している相手にしか通用しない。」


金持ち「つまり何が言いたいのかっていうと、君と僕じゃ実力の差が有り過ぎるんだよね!」


ジョーイ(くっ……隙さえつければ勝てると踏んでいたこちらの方が甘かったというのか……)

金持ちが話している隙に回復しているが、このまま回復してもまた削られるだけ。攻撃してこないのは確実に仕留めれるという余裕があるからだろう。

金持ち「けどまあ、レックウザの方はかなりてこずっているみたいだね。」

ポケッチに表示されたレックウザのHPを見て言った。

225 ◆lZX9FWF8B.:2015/10/14(水) 08:40:22 ID:AloaHvYs0


少女がアイコンタクトで合図を送る。

イケメン「そろそろだな……」

再びツララバリを放つ。

レックウザは全て避けたが今は意識を散らすことが狙い。


イケメン「今だ!放て!」


少女&少年「アシストパワー!!」


レックウザ「ギシャアアアア!!」

よし!かなり効いてる!

少女「もう一発!!アシストパワー!」


こっちに気を取らせている隙に瞑想を積ませてアシストパワー連打。これがうまくきまった。


レックウザ「キュリィィィ……」

レックウザもかなり疲弊している。あと一息で……

イケメン「こっちもさっそく使わせて貰うよ!アシストパワー!!」

殻を破ってるからダメージは悪くないはず。

レックウザ「ギュリシャァァァァ……」


レックウザは倒れた。

226 ◆lZX9FWF8B.:2015/10/14(水) 08:41:26 ID:AloaHvYs0

イケメン「ふぅ……なんとか、レックウザは片付いたな。」


少女「早くジョーイさんを助けないとね。」


イケメン「ああ……無事だといいんだがな。」


イケメンは少女を連れて空を飛んだ。

227 ◆lZX9FWF8B.:2015/10/14(水) 08:47:50 ID:AloaHvYs0


金持ち「そういえば、さっき君たちが隠れている間に僕は何してたと思う?」


ジョーイ「えっ?さあ……あんま興味ないけど何?」

少しでも時間が稼げれば回復できると思い聞いてみる。

金持ち「アクロマから届いたメールを見ていたんだ。」


ジョーイ「は?」


金持ち「まあ、レックウザを捕まえたからいろいろと説明が書いてあってね。」

金持ち「何が書いてあったかというと……まあ、今からそれを見せてあげるよ。」


金持ちはポケッチがはめられてる腕を出し、もう片方の手をポケッチにかざして叫ぶ。


金持ち「レックウザ!メガシンカ!」

228 ◆lZX9FWF8B.:2015/10/14(水) 08:50:13 ID:AloaHvYs0


イケメン「確か、塔のこの辺りだったか……あれだな。もうすぐ着くぞ。」

ジョーイが戦ってる部屋につきそうになった時、少女に体を引っ張られる。


イケメン「おい、どうした。暴れると落ちるぞ。」


少女「レックウザが!迫ってきてる!」

レックウザ「ギシャァァァァ!!」


イケメン「ハハハ……嘘だろこれ……冗談いってる場合じゃねえな。」

少女「もっと早く!」

イケメン「これ以上スピード出せたらとっくにやってるさ。」

少女「右に避けて!竜の波動が来る!」

イケメン「全く、次から次へと注文かよ。今のは助かったけどな。」


竜の波動が左に逸れる。


少女「ねんりきで体を浮かすね。」

体がかなり軽くなった。


イケメン「これならなんとか間に合う!」

この体勢で戦うのは危険だ。レックウザもかなり疲弊しているだろうし合流して倒そう。

金持ちとジョーイが戦っている部屋になんとか入った。

229 ◆lZX9FWF8B.:2015/10/14(水) 08:52:37 ID:AloaHvYs0


金持ち「誰か入ってきたかと思えば君たちか……」


ジョーイ「あ、あんたら……レックウザは倒せたの?」



イケメン「倒したかと思ってこっちまで来ちゃってたから合流して倒そうと思ってね。」


ジョーイ「そう……こりゃまずいね……」



少女「レックウザはもう虫の息だから大丈夫。アシストパワーで……」


部屋の中を強風が突き抜ける。


イケメン「な、何だこの風は!?」


金持ち「ふっ、どうやら来たみたいだね。レックウザ……いや、」




金持ち「メガレックウザと呼ぼうか。」

龍の巨体が部屋の中に強引に入った。

230 ◆lZX9FWF8B.:2015/10/14(水) 09:01:36 ID:AloaHvYs0
本日はここまでです。久々の更新なのに、たいして進んでなくて申し訳ない。


個人的に金持ちのセリフの言い回しとか結構気に入ってますね。

231 ◆lZX9FWF8B.:2016/06/21(火) 00:02:53 ID:SDOqygac0
大変遅くなってしまいました!久々に更新します!

232 ◆lZX9FWF8B.:2016/06/21(火) 00:03:38 ID:SDOqygac0


イケメン「ハハハ……冗談だろ……メガ進化なんて……カロスにもほとんど使い手はいないんだぞ。」


ジョーイ「あー、こりゃまずいね。まあ、そんなこといっている余裕も無いか。」

ジョーイはメガレックウザに向けて注射器を何本か同時に飛ばす。恐らく中身はれいとうビームだろう。

イケメン「こっちもツララバリ!」

レックウザのかえんほうしゃが相殺する

イケメン「今、炎で相殺する直前に風で威力が弱められたような。」

金持ち「よく気づいたね。こいつの特性はデルタストリーム。自分の弱点の攻撃を軽減する乱気流を作り出してるんだ。」


ジョーイ「はぁ?……チートすぎじゃないの?」

少年「電磁波!とりあえずこれで動きは……」


近づいた少年はメガレックウザの竜の波動で吹き飛ばされた。

金持ち「麻痺や壁の小細工がどこまで持つかな?」

チャージビームでさらに特攻をあげる。

少年「ちっ、これじゃあ持たないか……」

金持ち「まあ、あんまりレックウザの体力も残ってないしそろそろ蹴りをつけないとね。レックウザ!!」


レックウザは再び塔の外に出る。

233 ◆lZX9FWF8B.:2016/06/21(火) 00:04:38 ID:SDOqygac0
ジョーイ「あ〜……なんかヤバそうじゃない?勘だけど。」

イケメン「そ、そんなこといってる場合か!絶対まずいだろ!」

少女「じゃあ、どこに逃げればいいの?」

イケメン「そ、それは……」

レックウザが外にいるため、さっきみたいに飛び降りるのは自殺行為だ。

金持ち「まあ、逃げても無駄さ。いけ!レックウザ!」



金持ち「ガリョウテンセイ!!」

234 ◆lZX9FWF8B.:2016/06/21(火) 00:06:14 ID:SDOqygac0
レックウザが塔の壁を破壊しながら突き抜ける。


少女「そんな……ジョーイさんが……」

金持ち「へぇ、当たったのはジョーイか。まあ、期待以上の威力だったよ。戻れ、レックウザ!」

金持ち「今の攻撃で塔がもうもたないみたいだね。早いとこもう一人倒さないと。」

金持ちは二本の金属柱が取り付けられた長銃を取り出す。

イケメン「なんだ……あの武器は……」

金持ち「初めてみるかい?こいつがレールガンだよ。まあ、威力を見てもらった方が分かりやすいかな。」


引き金を引くと、電磁砲が二本の金属柱の間から放たれ少女の全身を貫く。

少女「うあぁぁっ!」


イケメン「あの技を引き金を引くだけで打てるのかよ……」

金持ち「連射できるわけじゃないけどね。まあ、これで終わりだ。」

レールガンが倒れかけている少女に向く。

少女(避けないと殺られる!でも、体が麻痺で動かない……。)


少年「危ない!!」


その時、少女には見えた……自分を庇い電磁砲を代わりに受けた、もう一人の自分……少年の姿が……

235 ◆lZX9FWF8B.:2016/06/21(火) 00:08:23 ID:SDOqygac0

少女「嘘……でしょ……?」

少年「僕の特性はいたずらごころだからね。身代わりが間に合ってよかったよ」

少女「そんなの身代わりじゃない!だって……あなたの身体が……」


少年「ははは……、今ので力を使いすぎちゃったみたい。これからはお姉ちゃんを直接助けられないと思う。けど、安心して……僕は……」

少年の姿が視界から消えていった。

少女「い、いやあああぁぁぁぁぁ!!!」


イケメン「ど、どうした!?」


少女「弟が……いない……どこ?どこ?……聞こえない……なんで?なんで……」

イケメン(今の技で精神の方がやられちゃったのか……)


少女「いない……いない……私のせいで弟が……」

少女は放心状態になっている

金持ち「倒し損ねたか。まあ、次で終わらせるよ。」



ジョーイ「させない!」

236 ◆lZX9FWF8B.:2016/06/21(火) 00:09:45 ID:SDOqygac0
ボロボロの体になったジョーイが金持ちを攻撃して妨害する。


金持ち「へぇ、まだ生きてたんだ。けど、その出血量じゃもう回復も間に合わないんじゃないかな。」

ジョーイは足をふらつかせながら少女の方へ歩く。


ジョーイ「一応医者の端くれだからね。自分の限界も分かってるよ……。けど、この子は死なせない……」

ジョーイ(本当はこの戦いに勝ったら、ブラックな職場から解放されて人生をやり直すつもりだったんだよね。)

ジョーイ(けど、それもできそうにないから……)




ジョーイ「癒しの願い。」

237 ◆lZX9FWF8B.:2016/06/21(火) 00:11:58 ID:SDOqygac0
少女「えっ……な、なんで……私なんかのために……」

癒しの願い……自分の命を犠牲にし、対象の傷をすべて癒す。

少女「この技を使ったらあなたは……死んじゃうよ!」

ジョーイ「別に……どうせ助からないし。」

ジョーイ(さすがに精神の方は回復できないか。まあ、そこはあなたが乗り越えていかなきゃいけない問題だしね。)

ジョーイ「あとは、自分でなんとかしな……あなたを生かすも殺すもあなた次第……」

ジョーイ(声が出なくなっていく……自分を生かすも殺すも自分次第か……そのことにもっと早く気づいてたらな。)



ジョーイはそのまま静かに倒れた……


金持ち「自爆技を使った場合はそのプレイヤーに一番ダメージを与えたプレイヤーが経験値を得ることができる。確かそうだったね。」


ハピナスのエネルギーが金持ちに吸収された。

238 ◆lZX9FWF8B.:2016/06/21(火) 00:12:52 ID:SDOqygac0

イケメン「あっ!まずい!塔が本格的に崩れ始めてるぞ!」


まあ、無理もない。この部屋を支えてる壁はほとんどレックウザに破壊されていた。


まだ立ち直れてない少女を背中に乗せて外に出る。

金持ちもメガレックウザを再び出して脱出する。


そして、塔が崩れると同時に開始から一時間が経過し、元の地上へと戻った。

239 ◆lZX9FWF8B.:2016/06/21(火) 00:14:18 ID:SDOqygac0

〜陸side〜

火山のエリアでは男、女、関西弁、巫女がグラードンと対峙していた。

男「だが、あんなでかいのとどうやって戦えば……」

女「まずはこの日照りをなんとかしましょう。あまごい!」


女さんのキングドラの能力で雨を降らせる。


関西弁「おお!これで戦いやすくなったで!」

男「ありがとう女さん!」

巫女「攻撃が来ますよ!」


関西弁「噴火か!」


女「波乗り!」


巨大な波と雨が噴火の威力を弱めた。

ポケッチにグラードンのデータが表示されている。

240 ◆lZX9FWF8B.:2016/06/21(火) 00:15:22 ID:SDOqygac0
巫女「グラードン地面タイプね。エナジーボール!!」

グラードン「ぐがぁぁ!」


関西弁「よし効いてる!今のうちに……」

関西弁と男はグラードンに接近する。

関西弁「アームハンマー!!」


男「インファイト!!」


グラードン「ぐらがががぁ!」

グラードンが再び噴火を放とうとする。


女「間に合え!ハイドロポンプ!」

グラードン「ぐらああああ!!!」

ハイドロポンプで噴火を阻止した。


男「もう一度インファイト!」

関西弁「アームハンマー!!」

巫女「エナジーボール!」


グラードンとの戦いは案外順調だった。

241 ◆lZX9FWF8B.:2016/06/21(火) 00:15:57 ID:SDOqygac0
関西弁「そういえば、お前は女さんと組んでたみたいだけどどうしてだ?最後に生き残れるのは誰か一人だろ。」

関西弁は戦いながらたずねた。


男「俺達は別の道を探しているんだ。」


関西弁「別の道?」

男「ああ。誰とも争わずにこの七日間を生きれば主催者のアクロマは必ず現れる。そして、アクロマに俺達が勝てば……」

巫女「へぇ、そんなこと考えてたのね」





巫女「無理よ。」

巫女は呆れた様子で言った。


男「そ、そんなのやってみなきゃ分かんないだろ!?」

グラードンの炎を避けながら答える。


巫女「まあ、無駄話はあとにしましょう。このペースならもうすぐよ。」

女さんは遠距離からきあいだめを使用した状態でハイドロポンプを当て続けている。的が大きく遅いおかげでかなら当たっている。

今朝はピントレンズが部屋に入ってて助かった。ほとんどの攻撃が急所に当たっているはず。

雨+スナイパー補正の技を受け続けたらひとたまりもない。




グラードンのHPは半分を切っていた。

242 ◆lZX9FWF8B.:2016/06/21(火) 00:17:07 ID:SDOqygac0
〜〜


アクロマ「陸チームはずいぶんと早く終わりそうですね」

アクロマ「予定より早いですが、あれを使いましょう。」


アクロマはゲンシカイキを起動させた。

〜陸side〜

天候の有利をいかして戦いを有利に進めていたがグラードンに変化が訪れる。

男「なんだ?さらにグラードンが大きくなって……」


巫女「女さん。天候が日照りに戻ってる。雨乞いをお願い!」

女「それが……何度も試しているのに雨が降らないんです!PPが切れた訳でもないのに。」

関西弁「な、なんやて!?」


アクロマからの放送が聞こえてきた。


『陸チームのみなさん、ここまでよく戦ってくれました!そんな陸チームに敬意を表して、たった今、グラードンをゲンシカイキさせました。』

243 ◆lZX9FWF8B.:2016/06/21(火) 00:19:41 ID:SDOqygac0
男「ゲンシカイキ?」

『さっきまでのグラードンはかつて世界が陸と海に分かれてカイオーガと戦った伝説時代と比べるとかなり弱体化している。それを本来の力に戻しただけさ。』

『詳しくはポケッチを確認してくれ。』

『そうそう、さっきいい忘れてたけど、伝説のポケモンは倒した時に一位の人が貰えるのは経験値だけじゃなく能力や技の一部をどれかしら引き継ぐことができるから、後の戦いでかなり有利になるから頑張ってね。』

関西弁「なっ、……さっきまで地面タイプだったグラードンが炎/地面になっとるで!」


男「しかも、終わりの大地って……特性が変わっている……」

巫女「聞いたこと無い特性ね。」


女「日照りがありますが、水タイプの技が四倍になったならハイドロポンプで……あれ?」

女の顔が青ざめる。

女「水タイプの技が……出せない。」


『補足しておくけど、終わりの大地は天候の上書きができない。そして、水タイプの技はすべて干上がってしまう。そのため無効になる。』


『あと、彼の技「断崖の剣」は地形そのものが武器となるからさっきみたいに遠距離からチクチクする戦法はもう通用しないよ。』


ゲンシグラードン「グラガオオオォォォォ!!」

大地が岩でできた槍のようになり襲いかかる。


女「あっ!」


女さんに岩が直撃する。

244 ◆lZX9FWF8B.:2016/06/21(火) 00:23:19 ID:SDOqygac0

関西弁「だ、大丈夫か?……くっそ、距離の有利なんてあの技の前ではあったもんやないな。」


男「地に足がついている限り、すべてがあいつの技範囲か。」


そして、不幸にも飛べる能力を持っている人はここにはいないらしい。


巫女「ゲンシグラードンの噴煙が来る!」


巫女(あまり特性は見せたくなかったけど仕方ない。貰い火で……)


巫女(くっ……火を一部しか吸いきれないとは……まあ、おかげであまり目立たなくて済んだか。)


男「教えてくれて助かったよ。」


巫女「そりゃどうも。まあ、こいつはちょっとヤバそうだからね。」

女「水技が駄目なら……流星群!!」


ゲンシグラードンに流星群が降り注ぐ。


関西弁「なるほど、確定急所なら特攻ダウンも気にならないわな。」


女「ええ……」はぁ……はぁ……

女さんはかなり疲労しているようで息が上がっていた。

関西弁「大丈夫か?息が苦しそうだが。」

女「少し暑いだけです……大丈夫ですから……」



そのとき、グラードンの断崖の剣が女に襲いかかる。

245 ◆lZX9FWF8B.:2016/06/21(火) 00:24:09 ID:SDOqygac0

関西弁「危ない!」

関西弁が岩を拳で破壊する。


関西弁「ワイは格闘タイプや!岩はワイが破壊するからあんたは攻撃に専念しな!!」


女「あっ……助かります!」

関西弁が少しにやけている。まあ、女さんの負担が減るからいいか。

男「俺はグラードンの注意をできるだけこっちに近づけるようにするよ。巫女さんも逆方向からグラードンの引き付けお願い!」


巫女「それが一番良さそうね。」


グラードンの両サイドに分かれて攻撃する。


巫女「エナジーボール!」


男「はどうだん!」


女「流星群!!」


そして、伝説戦開始から約二時間………



ついにゲンシグラードンは倒れた。

246 ◆lZX9FWF8B.:2016/06/21(火) 00:26:20 ID:SDOqygac0
〜海side〜

海エリアでカイオーガと戦う、クール、友、オタク、西洋風はカイオーガを相手に連携しながら戦っていた。


中盤、カイオーガがゲンシカイキしたときは焦ったけど、相手の動きにも慣れて、このまま行けばなんとか倒せそうだった。

陸チームのように、連携することによって理不尽な強さの敵もなんとか倒せそうである。


しかし、陸チームと海チームは決定的な違いがあった。

一つ目の違いは全員が戦う理由を持っていることである。ここで勝つことは後の戦いで大きなアドバンテージをえることになる。

男や女のようにこのゲームそのものを止めようとしている者にとってはあまり重要では無いが、最後の一人になるまで戦い続ける者にとっては逃すことのできないチャンスである。



もう一つは、圧倒的にカイオーガに有利な能力者がおらず、実力が拮抗していたこと。

陸チームは半分以上のダメージを女が与えていた。逆に言うと女以外あまりグラードンとの相性がよくなかった。仮に女を失った場合、全滅のリスクもかなり高かった。それがチームの利害関係を一致させた。

しかし、海チームは突出して有利な能力者がいなかったため与えたダメージに差が少なかった。

247 ◆lZX9FWF8B.:2016/06/21(火) 00:27:51 ID:SDOqygac0

僅差だが終盤までの点数はクール>友>オタク>西洋風の順になっている。たとえカイオーガを撃破できても最後に経験値がもらえるのはたった一人である。

終盤になるにつれ焦りが見えはじめ四人は次第に無言になっていった……


友(くっそ、あと少しでクールの与えたダメージを抜けそうだったのに……気づいてペースを上げたか。)

オタク(さっきアクロマが言っていた……ここで一位を取れれば経験値だけじゃなくカイオーガの強力な力が……負けられない!)


西洋風(さすがにカイオーガの残りHP から計算すると俺はもう追い付けないか……いや、待てよ?)

アクロマ(回想) 『仮にもっともダメージを与えた人が途中で死んでしまった場合は2番目にダメージを与えた人が一位報酬をもらう。その人も死んだ場合は3番目。というように死んだ場合はくりあがりで経験値がもらえる。その際もらえる経験値は1位のものと同じだ。』


西洋風(ふっ……そういうことか。分かったぞ。このイベントの本来の目的が!)

西洋風「ツララバリ×2!!」

西洋風の両手から氷柱が5本ずつ放たれる。




そのツララバリはクールと友に命中した。

248 ◆lZX9FWF8B.:2016/06/21(火) 00:31:05 ID:SDOqygac0
クール「くっ……背後からか……」

友「西洋風、お前どういうつもりだ!明らかにこっちを狙っただろ!」

さっきまでカイオーガにもそこそこダメージが与えられるトゲキャノンを使っていたが、カイオーガに相性不利なツララバリを使ったことからそう判断した。


西洋風「お前ら全員倒せば実質一位は俺。あとは分かるな?」

クール「ちっ……、これは厄介だな。」

友「そういうことかよ、西洋風!」


西洋風「おっと、カイオーガを無視して大丈夫か?」

ゲンシカイオーガ「ぎゅらりゅりゅりゅー!!」

海そのものが二人に襲いかかる。

友「げっ、ここで根源の波動か!」


西洋風「さらにツララバリ!!」

カイオーガに気がそれた隙にツララバリを放つ。


友とクールは後衛の西洋風とカイオーガに挟まれることになった。


オタク「なるほど。確かにそのやり方は効率が良さそうだ。シャドーボール!」

オタクもクールを攻撃する。


共闘は一瞬にして崩れ去った。

249 ◆lZX9FWF8B.:2016/06/21(火) 00:33:10 ID:SDOqygac0

友(確かに、今クールを倒せば俺が一位に……だが、クールが死んだ場合、次に狙われるのは俺だ。ならば今のうちにカイオーガを……)

そう考えた時、ロックブラストが飛んで来た。


西洋風「俺が抜け駆けを許すとでも?お前もクールを倒すのに協力すれば考えてやるが。」

西洋風は友とクールを同時に狙える位置にいる。うかつにカイオーガに手は出せない。


友(アクロマはこの状況を狙ってこのイベントを用意したのか。ポケッチに与えたダメージの順位や一位との差が詳細に表示されるのも報酬目当ての分裂を促進するためと納得できる。そして、欲に眼が眩んだところをカイオーガに倒させて全滅に追い込む。)

友(気に入らねえやり方だ……)


友「おい!クール野郎聞こえるか!!」


クール「……野郎は余計だ!」

友「聞こえたみたいだな。今から俺がオタクと西洋風の相手をする。ゲンシカイオーガはお前に譲る!」

250 ◆lZX9FWF8B.:2016/06/21(火) 00:35:09 ID:SDOqygac0
西洋風「なんだと、馬鹿かお前は!一位を他の奴に譲るだと!?」

友「こんなとこで全滅するよりよっぽどましだ。」

クール「しかし……」

友「俺に背中を預けるのは不安か?」


クール「実力は信用している。だが、お前が俺を助ける理由は無い。」

友「そうだな。確かに、信用できないよな。だったら早くゲンシカイオーガを倒せ。俺がオタクと西洋風を倒したらお前を後ろから刺しに行くからな!」

クール「そうだな……。分かった好きにしろ。」


クールはオタクを振り払ってカイオーガの方へと向かった。

オタク「逃がすか!シャドーボール!」

友「させねえよ!ヘドロ爆弾!」

オタクの追撃をなんとか相殺した。

オタク「ちっ……君、邪魔だよ!」


西洋風「今のうちにクールを狙えば……」


友「まずい!ヘドロ爆弾!」


西洋風「くっ……」

友「なんとか間に合ったか……」

こちらも空中から西洋風を牽制する。

251 ◆lZX9FWF8B.:2016/06/21(火) 00:36:27 ID:SDOqygac0
オタク「邪魔だって言ってんだよ!」

ゲンガーの10万ボルトが直撃する。

友「がはっ!……まだだ!クロスポイズン!」

落下中に体制を立て直し、浮遊しているオタクに上から斬りかかる。

ガシン!!

オタクは禍々しい杖で攻撃を受け止めた。

オタク「まだ戦うの?本当に君は鬱陶しいね!!僕はこの力を使って外の世界の奴らに正義の鉄槌を下す崇高な使命があるんだ!邪魔しないで貰いたい!」

このゲームの外でもこの能力を自分だけ使えるようにするのがこいつの願いか。


友「だがな……正義を語るお前は仲間を見捨て、一位になるためにこの殺し会いに加担している。そんな一方的な正義、誰も喜ばねえぜ!!」


オタク「なっ!馬鹿な!!僕は……僕は……」

友「これで終わりにするぞ。」

友「ブレイブ……」

友の体が激しい光に包まれる。

オタク「ま、まさか……この至近距離で?」


友「バーードォォーーー!!!!!」

クロスポイズンを受けとめていた杖をへし折りオタクと共に急速に真下へと落下する。

オタクはブレイブバードを受けながら地面に激突し、そのまま即死した。

252 ◆lZX9FWF8B.:2016/06/21(火) 00:42:12 ID:SDOqygac0
西洋風「オタクがやられたか……」


クールはまだなんとか無事のようだ。俺がオタクと戦っている間に何発か受けただろうけど。

シャドーボールとヘドロ爆弾で西洋風の攻撃を牽制する。

友「これでお前はクールを攻撃できないな。」

西洋風「……確かにそうだな。俺の作戦は失敗に終わった訳だ。」


西洋風「……だが、俺と戦うんだろ?」


友「ああそうだ。お前を倒してその後にクールを倒す。これが俺の勝ち筋だからな。」

西洋風「だが、俺も素直に殺られる訳にはいかないんでね!」


無数のツララバリが襲いかかる。

友「すべて避けきるのは無理だが一発の威力は大したこと無い!」

被弾をある程度覚悟しながらも高速で近づく。

友「接近戦ならこっちの方が有利だ!」

西洋風「それはどうかな。」


氷柱が真下からこちらを突き刺す。

足からツララを出して地面に潜らせてあるようだ。

友「だったら空中から……!」


西洋風「当てやすい的だな。」

ツララの弾幕が襲いかかる。飛んだことにより距離が伸びた。

友「しまった!影分身!!」

253 ◆lZX9FWF8B.:2016/06/21(火) 00:45:00 ID:SDOqygac0
西洋風「分身か……だがすべて潰せばどうということは無い!」

ツララを細かい破片に分解して放つ。威力はかなり分散するが分身はわずかなダメージでも消滅する。

影分身はすべて消滅する。しかし、それが狙いだった。


友「これなら本体は痛くも痒くもないからな!」

ツララバリの威力が分散したため構わずに突っ込んで来る。

友「ブレイブ……バーード!!」


西洋風「鉄壁!!」

西洋風の銃が盾に変形する。

友「何っ!?ブレイブバードが受けとめられた……?」


西洋風「さすが高火力技だな。鉄壁が間に合わなかったらどうなっていたか……。だが、パルシェンの装甲を甘く見ていたようだな。」


そして、地面から足にツララが突き刺さる。

接近戦のパルシェンがここまで厄介とはな。だが、この距離で戦わなければなおさら勝てない。

さっきの能力の扱い方といい……こいつは、格上であることを認めないとな。こういう相手に勝つには……


友「ちょっとやってみるか!」

少し高く飛び、背後にまわって切りつける。盾で防がれるが即座に横に移りクロスポイズンで切り裂く。

254 ◆lZX9FWF8B.:2016/06/21(火) 00:49:23 ID:SDOqygac0

西洋風「くっ……なるほどな。自分の有利な速さを活かす戦法か。悪くない。」

今度はなんとか命中した。それからは視角にまわりながら攻撃する。少しずつだが、ダメージを蓄積させている。

西洋風「ちっ……」

西洋風が距離を取ろうとする。

友「逃がすか!」

クール「おい!根元の波動が来るぞ!」

追撃しようとした所でカイオーガの攻撃に気づく。

根源の波動が俺の目の前の地面を抉りとる。もし、あのまま進んでいたら……

なんとか助かったが結局西洋風と分断されてしまった。


そして、今の一撃がカイオーガの最後の攻撃だったらしく水上闘技場がいつもの地形に戻っていった。


友(さすがに間に合わなかったか……)

西洋風はもういなくなっていた。


消耗しきった今、カイオーガを倒したクールと戦ったら確実に負ける。

それに、西洋風と戦ってる時あいつに助けられた。だから今はクールと戦う気にはなれなかった。

俺もすぐにこの場を去った。

開始から約二時間半が経過していた。

255 ◆lZX9FWF8B.:2016/06/21(火) 00:57:11 ID:SDOqygac0
本日の更新はここまでです。更新が遅くなって申し訳ないです。

もう少し書きためがあるので今度は近いうちに更新できると思います。

256 ◆lZX9FWF8B.:2016/07/12(火) 23:53:51 ID:mTlzvi9c0
思ったより期間があいてしまった。

今回の話は場面がコロコロ変わるので気を付けてね。

257 ◆lZX9FWF8B.:2016/07/12(火) 23:56:26 ID:mTlzvi9c0
〜イケメン・少女side〜

古塔のフィールドが崩壊しもといた場所に戻る。

なんとか金持ちから逃げ切ったが……これからどうしたらいいのやら……



少女「弟とジョーイさんが……私のせいで……」

少女はさっきからこの調子で泣いている。

本当に少年の方の人格も消えてしまったらしい。

こういう時、なんて声をかけたらいいのか……


さっき少女はポケッチを使ってアクロマにメールで訊いた。もう一つの人格を願いを叶える力で復活できないか。


答えは……出来るには出来るが今までの経験や記憶はリセットされた少年になってしまう。今までの人格に元通り成るとは限らない。

ダメ元で戦う理由が無くなった者は棄権できるか聞いてみたがそれもだめだった。

少女「もう私には戦う理由が無いの。だから私を殺して。」

このやり取りも三回目だ。なんとか流れを変えたい。

258 ◆lZX9FWF8B.:2016/07/12(火) 23:57:18 ID:mTlzvi9c0
イケメン「……君にとって少年はそれだけ大事なんだね?」


少女「うん……」

イケメン「じゃあ、その理由を教えてくれないかな?」

少女「…………私はね、エリートトレーナーの家に生まれてずっと戦わされ続けていたの。」

少女「勝てた時のお父さまとお母さまは優しかった。けど、負けた時はなにもしてくれなかった。」


少女「私は二人に優しくされたかった。だから勝ち続けた。けど、限界があった。私が強くなればなるほど戦う相手も強くなった。勝つことだけを求めて戦うバトルは苦痛だった。」

少女「だからもうひとつの人格が生まれたんだと思う。純粋にバトルを楽しみ、勝つことができるもう一人の自分が。」


イケメン「そんな過去が……」


少女「だから、勝てない私はもう必要とされない。」


僕は彼女にどんな言葉をかけたらいいんだろうか。「そうじゃない。どんな君でも必要としてくれる人がきっと現れる!」こういうのは簡単だ。でも、それがいつなのか分からない未来のことを言ってもきっと届かない。

せめて、戦う意味を無くしたこの子を元の世界に帰してあげたいが……

その時、この戦いを止めようとしている男達のことを思い出した。


イケメン「そうだ!ちょっとあてがあるんだ!ついてきて来れないか?」


少女「えっ?」

イケメン「まあ、今は回復が優先だから今はまだ動かないけど、もう少ししたら移動するぞ。」

ジミーズに再び合流するのはあんまり決まりがよくないが、あのお人好し達なら受け入れてくれるだろう。

259 ◆lZX9FWF8B.:2016/07/12(火) 23:57:53 ID:mTlzvi9c0
〜男・女・関西弁〜

男「フィールドが元に戻ったな。ってことは……」


女「うん!私たちやったんだ!」

小さくガッツポーズして喜んでいたがこちらの視線に気づいて我にかえる。

女「す、すいません……私、勝負になるとまわりが見えなくなっちゃう時があって……」

恥ずかしそうに目をそらす。

関西弁「いや〜お疲れ〜。ほとんど女さんの手柄やけど。」

関西弁「そういや腹黒巫女はどこいったん?」


男「まあ、逃げたんじゃないかな。あのまま俺達と戦いになったら勝てないと思って。」

女「私達はそんなつもりないのに……」

関西弁「まあ、あいつからしたら俺らも敵みたいなもんやし、こればっかりはしゃーないやろ。」

男「えっ?俺らって?」

関西弁「せやで。俺もお前らに賛同してこの戦いを終わらせるのに協力するで。」

関西弁(まあ、本音としてはみんな強すぎて勝てる気がしないってことなんやけどな。)


女「協力してくれるんですか?」

男「助かるよ。これからはよろしく頼む。」

関西弁「じゃあ、まずそっちが知っていることを話してくれ。さっきは戦っている最中やったしな。」

260 ◆lZX9FWF8B.:2016/07/12(火) 23:58:47 ID:mTlzvi9c0
〜アクロマside〜

アクロマ「これで全てのチームが伝説との戦いを終えたか。後輩さん?感想はあるかね?」

後輩「…………最低です。」

後輩は昨日から監禁されていて身動きがとれなくしてある。

アクロマ「ははは、気に入らなかったか。まあ、海と空の2チームは比較的こちらの計画通り動いてくれたね。海の方ではもっと死人が出るかと思ったけど、それは友に阻止されたな。」

アクロマ「それよりも陸チームは見てて面白くなかった。」

アクロマ「やはり、あの男とかいうのが邪魔だね。」


アクロマ「……そういえば君って男と知り合いだったよね?」

後輩「えっ……まさか……」


アクロマ「これは利用できそうだね。」

アクロマは狂気に満ちた笑みを浮かべた。

261 ◆lZX9FWF8B.:2016/07/12(火) 23:59:52 ID:mTlzvi9c0
〜17:00 金持ちside〜



金持ち「君だね。さっきからこの辺りで暴れているのは。」


軍人「おっ、ようやくニンゲンが来たか。少しは俺を楽しませてみろよ!」


軍人の周囲から砂嵐が巻き起こる。


そして、砂の渦の中から黒い槍が伸びて金持ちに襲いかかる。


槍を右に避けるが避けた槍が再び背後から追撃してくる。

金持ち「へぇ、おもしろいね。」


槍の芯をラスターカノンで切り落とす。

軍人「今のを初見で見切ったか。少しは楽しめそうだな。」


折れた槍の先端から悪の波動が飛んでくる。


金持ち「おっと、じゃあこっちも本体を狙わないとね。」


軍人「槍の攻撃をさばきながらこっちに攻撃をしかけてくるか!こいつは面白い!」


金持ち「まあ、ここまでは互角みたいだ。けど、これでどうなるかな?」


金持ちはマスターボールからレックウザを繰り出した。


軍人「レックウザだと?ちっ、砂嵐が止んじまった。」

金持ち「これで2対1にさせてもらうよ。」


軍人「めんどくせえな。いけ!ミュウツー!!」


金持ち「ミュウツーか……そう簡単にはいかなそうだね。」

262 ◆lZX9FWF8B.:2016/07/13(水) 00:00:43 ID:Q/dCsx5U0
軍人「それだけじゃないぜ。さっきアクロマから不具合の補填だかなんかで貰ったこいつも使ってやるよ。メガシンカ!」


ミュウツーY「…………」


金持ち「ほぅ、君もメガシンカが使えるんだね。」


軍人「アクロマが今回のイベントとやらに不具合で入れなかった分の補填とかいっててな。こいつを貰ったんだ。」

軍人「お前もメガシンカしてみろよ!その反応からして出来るんだろ?」


金持ち「ああ!言われなくとも!メガシンカ!」


メガレックウザ「ギュリシィィィィ!!!」


軍人「やはりそうでなくてはな!ここまで楽しめそうなニンゲンは久しぶりだ!俺の期待を裏切るなよ!」

金持ち「ハハハハ!!これだからゲームは楽しくてやめられないね!」

金持ち「さて、君に敬意を表して、僕の武器をお披露目しようか。」

金持ち「軍人ならこれがなにか分かるだろ?」

軍人「歩兵用サイズのレールガンか……とんでもない兵器じゃないか。実に面白い!」


軍人と金持ち、メガミュウツーとメガレックウザ、強者と強者の力がぶつかり合う。

263 ◆lZX9FWF8B.:2016/07/13(水) 00:04:43 ID:Q/dCsx5U0
〜男side 19:00〜

何はともあれ関西弁が仲間になってくれたおかげでかなりにぎやかになった。俺一人だったらどう話していいか分からなかったからな。


関西弁「このままやっても勝負は見えている……つー訳でわいはそいつにいってやったんや。『このままタイムアップしてやってもええんやで?』って。」


女「は、ははは……」

男「うん、すごいねー。」

そして俺達は今、こいつの自己アピール武勇伝に付き合わされている。しかもポケモンとは関係無いゲームの話である。

関西弁「他にもワイが助っ人で登場したさいには『来た!関西弁キタ!』、『これで勝つる!』とか言われとったなー。」

関西弁「特にそんときは忍者の奴の嫉妬がすごくて。あっ、忍者ってのはな、同じジョウトリーグで戦ってる奴なんやけど(以下略)」

女「へぇー。すごいですね。」

男「そっかー、すごいすごい。女さんも何かそういう自慢できる話みたいなのってあるの?」

強引だが話の流れを変えたかったので聞いてみた。

女「わ、私ですか!?」

男「そうそう、なんでもいいよ。大したことじゃなくても。」

264 ◆lZX9FWF8B.:2016/07/13(水) 00:06:01 ID:Q/dCsx5U0

女「なんでもいい……ですか。分かりました。行きますよ?」

女さんは少し考えた後に頷いた。

265 ◆lZX9FWF8B.:2016/07/13(水) 00:07:56 ID:Q/dCsx5U0
アクロマ「へぇ、ずいぶんと楽しそうだね。ここはバトルロワイヤルの戦場なんだけど。」

女さんが話そうとしたとき、アクロマの立体映像が視界に現れた

男「あっ、アクロマ!」

関西弁「こ、こいつが主催者か。」

女「まさかあなたの方から出向いてくるなんてね。」


アクロマに機関銃を向ける。


アクロマ「おっと、まだ君たちと争う時じゃないからね。あと、これ立体映像だから攻撃しても意味ないよ。ちょっと男さんに用があるんだけど。」

男「どういうことだ?」

アクロマ「君にぜひ見てもらいたいものがある。」

アクロマは手に持っているリモコンのようなものを使って映像を写し出す。


後輩「えっ?……先輩なの?」


男「後輩!嘘だろ……どうして後輩が捕まっているんだ!?」


アクロマ「私のことを不審に思ったらしく跡をつけられていてね。捕縛させてもらったよ。」


男「アクロマ……てめぇ!!」

立体映像だと分かっていても攻撃せずにはいられなかった。

アクロマ「おぉ、怖い怖い。さっそく本題に入ろう。」

アクロマ「君次第であるが、彼女を解放してやっても構わない。」

266 ◆lZX9FWF8B.:2016/07/13(水) 00:08:51 ID:Q/dCsx5U0
後輩「先輩!あいつの言うことを聞いちゃダメ!!」

男「どういう……ことだ?」

アクロマ「君が今から48時間以内にバトルロイヤルを勝ち抜く。それが、彼女を救う条件だ。」


アクロマ「その条件をクリアできなかった場合……」

アクロマはポケットから注射器を取り出す。

アクロマ「君たちと同じ「施術」をほどこして、彼女をこのゲームに参加させる。」

男「なん……だと!?」

後輩「こいつはあなたを利用しようとしてるの!だから私のことなんか気にしちゃダメ!」

アクロマ「くっくっく……楽しみですねぇ!トレーナーとして未熟な後輩さんがあの「施術」に耐えられるのか!各地方の強豪たちでも何人ものトレーナーが負荷に耐えきれず命を落としたのですが。」


男「アクロマァァァァァァァァァァァ!!!!」


アクロマ「では、楽しみにしてますよ。」

後輩「私のことはいいから!先輩はアクロマの思惑になんて乗らないで!!」

後輩は涙目になりながらもそう訴えた。


そして、映像は途切れた。


男「後輩………」


女「男さん……」


男「すまない。少し一人にしてくれ。」

男は二人を残して去っていった。

267 ◆lZX9FWF8B.:2016/07/13(水) 00:11:03 ID:Q/dCsx5U0
〜〜


アクロマ「いや、お疲れ様。後輩さん。」


後輩「あんたは本当に最低ね。」


後輩「けど、私は信じてる。あの人はあんたの言うことなんて絶対に聞かないって。」


アクロマ「そうでしょうか?……実はですね、男さんに見せたあなたの映像、ミュートにしていたんですよ。」

後輩「え?うそ……」


アクロマ「男さんの目にはきっと涙ながらにあなたが脱出したいと訴えているように見えたんじゃないですかねえ。」


後輩「そんな……私のせいで………」

後輩は愕然と倒れる。

アクロマ「実にいい演技でしたよ。後輩さん。」

268 ◆lZX9FWF8B.:2016/07/13(水) 00:12:53 ID:Q/dCsx5U0
〜金持ちVS 軍人〜


軍人「ちっ、きりがねえな。」


金持ち「そうだね。どうやら実力が拮抗していて勝負がつかないみたいだ。」

ミュウツーとレックウザもすでに戦闘不能となり二匹の能力は金持ちと軍人に吸収された。


金持ち「これ以上の消耗はお互い得策じゃない。日を改めて再戦と行こうか」

軍人「そうだな。次戦う時までに他の奴を食らいまくって強くなってから戦った方が効率がいいな。」

軍人「てめぇもそれまでやられんじゃねえぞ!」

軍人は去っていった。


金持ち「はぁ……くっ!、げほっ、げほっ……」


金持ちはその場に膝をつく。

金持ち「ふぅ……こっちが結構限界だったのがバレなかったか……まあ、あっちも相当ギリギリだったのかもね。」


金持ち「このゲームもイージーモードってわけにはいかなそうだ。」

269 ◆lZX9FWF8B.:2016/07/13(水) 00:14:28 ID:Q/dCsx5U0
〜男side〜

俺があと48時間以内にこのバトルロイヤルを制さないと後輩にポケモンの能力が付与されこの戦いに巻き込まれる。


男「俺は………」

もう答えは出てる。……俺には1つしか選べないんだ。


男「後輩……待っててくれよ。俺は戦うから……」


俺は女さん達の反対方向へ歩き出した。


〜巫女side〜

伝説戦の疲労はだいぶ回復したし、私ももう一人くらい倒したいところ。

と、思っていたらちょうど誰か来たようだ。


巫女「あれ?男じゃん。今日はよく会うね。」


男「お前は巫女……だな。」


巫女「ていうか、あんた一人?女さんと戦いを止めるんじゃなかったの?」


男「ああ、それはもう止めた。俺も自分のために戦う。」


巫女「……嘘ではなさそうね。結局はあんたも自分が一番大事なだけ。」

男「ああ。俺は自分の大切なもののために戦う。」


巫女「ってことは私と戦う訳ね?」


男「そういうことだ!シャドーボール!!」

270 ◆lZX9FWF8B.:2016/07/13(水) 00:15:17 ID:Q/dCsx5U0
巫女「こっちもシャドーボール!!」


巫女(男は確かルカリオの能力。遠距離と近距離、両方を駆使して戦う両刀型のポケモン。)

巫女(こっちはまだあまり技を使ってないからバレて無いはず。)


男「やはり特殊アタッカーだな。遠距離戦は分が悪そうだな。」

男は間合いを詰める。

男「ボーンラッシュ!」

骨の棍で殴りかかる。


巫女「今だ!かえんほうしゃ!」


この技はまだ見せてない。そして、この距離なら確実に当たる!

271 ◆lZX9FWF8B.:2016/07/13(水) 00:16:05 ID:Q/dCsx5U0
男「これで能力が分かった!悪の波動!」

巫女「何っ!今のが……避けられた?」


男はかえんほうしゃのタイミングで棍を棒高跳びの棒のようにして空中に回避し、さらに攻撃へと繋げた。


男「やはり効いてるみたいだな。」


巫女「まさか、私に炎技を使わせるために近づいたのか!?」


男「ああ。グラードン戦の時に貰い火を使っただろ?あの戦いを思い起こすとお前が炎の攻撃を軽減しているように見えた。だから、炎技を撃ちたくなるような状況を作ってみたんだ。」

男「そして、特殊技の火力の高さなんかを考慮してシャンデラだろうなと思った。まあ、悪の波動の効き目を考えるとこれも当たりかな。」


巫女(あの戦いで貰い火を使ったのは体勢を立て直すための一回だけ。それで気づかれたとは……)


巫女(こいつ……強い!)


男「そして、間合いを詰めることができた。ストーンエッジ!!」


巫女(くっ……、さすがに劣勢だな。ここは、賭けに出るしかない。)


巫女「オーバーヒート!!!」

272 ◆lZX9FWF8B.:2016/07/13(水) 00:16:58 ID:Q/dCsx5U0

男「ぐあぁぁぁ!!!」


かえんほうしゃを上回る広範囲で避けきることができなかった。


男は再び距離を取る。オーバーヒートで特攻が下がれば打ち合いで勝てると踏んだのである。


しかし、巫女はすでにいなくなっていた。

男「逃げたか……夜だから見つかる見込みは薄いが探すとしよう。」


巫女(なんとか逃げ切れたか……オーバーヒートの反動で特攻が下がるため見つかったら最後の作戦だった。)


巫女はなんとか生き残ることができた。

〜23:30〜

アクロマ「本日の戦いはこれにて終了か。伝説戦でかなり疲弊したみたいだから仕方ないか。まあ、男には後輩を使ったのが結構効いてるみたいだし、明日に期待しよう。」


アクロマ「さて、明日のイベントは……」


部屋に置いてある修復された装置に目をやった。

アクロマ「これを使うとしよう。」


アクロマはメールの送信ボタンを押した。

273 ◆lZX9FWF8B.:2016/07/13(水) 00:22:57 ID:Q/dCsx5U0
本日の更新はここまでです。やっと三日目終わりました。遅すぎです。

今回の巫女の能力を男が見抜くシーンなんですが、実は関西弁に「大男が炎で焼かれた」と発言させてしまったのでそんな推理しなくても判別できてしまいます。その部分を削除しておけばよかった……

274名無しのデデンネ:2016/07/14(木) 11:41:26 ID:BGx9Bpfk0
まだProducerの生き残りが居たのか……


支援

275名無しのデデンネ:2016/07/26(火) 02:58:44 ID:L.Q52ocs0
続いてたのか
支援

276名無しのデデンネ:2016/08/09(火) 11:13:07 ID:/F16Ueg.0
早朝、全員にアクロマからのメールが届いた。


『脱出装置の修復が完了しました。』



『1名だけこの空間から脱出することができます。脱出装置の場所はこちら。』


〜イケメンside〜


イケメン(昨日はさんざん探し回ったけど学者達のグループを見つけられなかった。)

イケメン(やれやれ。地味ーズのくせに手間をかけさせる。)

イケメン(もしかしたらもう死んでるのかも知れない。)

イケメン(それに、脱出装置が復活した。これを使えば少女を助けることができる。今回は脱出装置の場所が分かっているし少女と合流して脱出装置を目指そう。)


〜西洋風side〜


脱出装置が復活したか……

この機会を私はどれだけ待ちわびたことか

まだ間に合う。

待っていてくれ、娘よ。


西洋風は脱出装置へと向かった。


〜軍人side〜

軍人「脱出装置か。そんなものもあったな。そして、今回は場所が指定されている。」


軍人「雑魚が集まりそうじゃねえか!脱出装置には興味ないが、これで雑魚を狩れば金持ちにも楽勝って訳だな。」


軍人も脱出装置へと向かった。

277 ◆lZX9FWF8B.:2016/08/09(火) 11:20:59 ID:/F16Ueg.0
※コテつけ忘れてました

〜関西弁side〜
関西弁(脱出装置か……昨日は男もどっか行ったっきり帰ってこなかったし。女さんの戦いを止める計画は絶望的やし脱出するのも悪くないな。女さんもかわいいけどちょっとついていけない所あるしな〜。)

関西弁「まあ、今のうちにこっそり抜け出せば……」

関西弁が建物を出る。

女「おはよう!関西弁さん!」

関西弁「お、おはよう……」

女「昨日、男さんは結局どこかへいってしまいましたね……」

関西弁「あ、ああ……。」
女「けど、きっと彼は戻ってきてくれます!それまで私たちは頑張りましょう!」

関西弁「せ、せやな!」(抜けるタイミング逃した。)

女「とりあえず、脱出装置の方に行ってみましょう。男さんもいる可能性高いですし。」
関西弁「おぅ、そうしようか。」

(まあ、脱出装置の方に行くなら隙を見て逃げれるからいいか。)

〜巫女side〜
昨日は危うく男に負けるところだった。

退屈だからなんとなく脱出装置に向かって歩いてるけど何か起きないかしらね。
しばらくして、後ろから走ってくる者を見つけた。
巫女「おっ、ターゲット発見!」

西洋風「邪魔だ!消えろ!」
ツララの弾丸を放つ。

巫女「ずいぶんと急いでる様子ね。かえんほうしゃ!」
氷の弾丸を相殺する。

西洋風「俺はこの戦いに興味は無い。ただ、一刻も早くここからでなければならないんだ」

巫女「へぇ、だったら私と組まない。どうしても脱出したいんでしょ?私は興味ないからあなたがちょっと協力してくれるだけで助かるんだけど。」

西洋風「お前のようなやつを信用できるとでも?」

巫女「信用できなくてもいいけど、ここで私と戦うことになるよ?」

巫女「利害関係は一致してるんじゃない?」

西洋風「……分かった。さっさと行くぞ。」

278 ◆lZX9FWF8B.:2016/08/09(火) 11:34:28 ID:/F16Ueg.0
〜イケメンside〜

なんとか少女を連れ出して脱出装置に向かっている。

イケメン「もう少し早く歩かないと他のやつに脱出装置を使われるぞ。」


少女「他に逃げたい人がいるならその人に譲るよ。私は生きていても意味がないから。」

イケメン「そんなことないって!」

強引に壁ドンしてみる。

少女「……あんたに言われても説得力無い。」

イケメン「俺がこの戦いで生き残ったら君を救いに行く。君をもう苦しませない!」

少女「えっ……?」

イケメン「俺は、この戦いに勝ったら大金をもらうつもりだ。そして、自分の故郷のこれといった特徴の無い田舎でトレーナーズスクールをやろうと思っている。よかったらそこに来てくれないか?」

少女「私が生徒になっても強すぎるから他の子と合わないよ。」

イケメン「だったら、教師か俺の助手としてでもいい。いや、むしろその方が助かる。」

少女「そ、そう……。あとさっきから言いたかったんだけど……」

少女「見られてる……」

279 ◆lZX9FWF8B.:2016/08/09(火) 11:34:59 ID:/F16Ueg.0
イケメン「へ?」


女「イケメンさんって……そういう人だったんですね……」


関西弁「おっ、事案か?警察呼ぶ?」

女「現行犯逮捕の方がいいと思います。」

女はライフル銃を構える。

イケメン「ま、待て!お前らいつの間に後ろに!?」

関西弁「壁ドンの当たりからばっちり見てたで!会話まで聞こえなかったけど。」

イケメン「い、いや、違うんだこれは……」

女「問答無用です!!」


少女「待って!本当にこの人は違うの!私を庇おうとして……」

女「そうやって付け入ろうとする悪い人達もいるんですよ!!」

イケメン「だから違うって……あっ!ていうか俺はお前達を探していたんだよ!」

イケメン「どうせこの戦いを止めるために平和主義を貫いてるんだろ?男や学者の姿が見当たらないが。」

関西弁「えっ?まあ、そうなんやけど。」

イケメン「頼む!この子を脱出装置で外に出してやってくれ!」

280 ◆lZX9FWF8B.:2016/08/09(火) 11:38:41 ID:/F16Ueg.0

男「くっ、まずい!」

氷の拘束をブレイズキックの炎で溶かし、寸前でかわす。


西洋風「ツララバリ!」


男「ラスターカノン!!」

西洋風の追撃を相殺する。

巫女「がら空きよ!シャドーボール!」


男「くっ……さすがに防ぎ切れないか。」

体勢を立て直して巫女にボーンラッシュを放つ。


西洋風「鉄壁!」

パルシェンの装甲を利用して西洋風に受けられてしまう。

男「連携までとれてるのか。かなり不利な状況だな……」


にしてもなんだろうか、この戦い……さっきから妙な違和感を感じる……いったいなんだろうか……

281 ◆lZX9FWF8B.:2016/08/09(火) 11:49:08 ID:/F16Ueg.0
〜イケメンside〜
今僕は、少女と出会ってからここまでの経緯を女さんに話している

女「……すいません。私達の早とちりだったみたいで。」

イケメン「分かってもらって助かったよ。本当に殺られかねない雰囲気だったからね。」

女「では、一緒に行きましょう。早く行かないと他の人に脱出装置をとられてしまうかもしれません。」

少女「別に急がなくてもいいよ。私はもう他の人を犠牲にしてまで生きたいと思えないし。」

関西弁「んなっ?面倒なガキやな〜。」

女「関西弁さん!さっきの話きいてましたよね?」

関西弁「すいませんでした。以後気を付けます。」

怖じ気付いて敬語になる。

少女「けど……分かった。さっきのあんたの言葉信じるから……」

女・関西弁「???」

イケメン「えっ、それって?」

少女「せ、責任取りなさいよ!!」

少女は一瞬顔を赤くし、そう言って走り出した。


女「……やっぱりイケメンさんってそういう……」

関西弁「ほーん、やっぱりさっきの壁ドンの時に口説いてたんやな〜。」

イケメン「ご、誤解だ!」

イケメンも身の危険を感じて走り出す。

関西弁「あっ!待ちやがれロリコン!」

四人は脱出装置に向かって走り出した。

282 ◆lZX9FWF8B.:2016/08/09(火) 11:50:50 ID:/F16Ueg.0
〜男side〜

巫女だけなら倒せると思っていたが、まさか西洋風までいるとは……


そして、この戦いに妙な違和感を感じる。

男「悪の波動!」

巫女に向かって放つが西洋風のハイドロポンプで相殺される。

男「これは……」

妙な違和感の正体……西洋風から俺を倒そうという意志が伝わってこないんだ。

今だって巫女を庇わなければ俺に攻撃できたはずだ。巫女が負傷してくれれば後で倒すとき楽になる。鉄壁で攻撃から庇ったり氷の柱も俺の動きを制限するものばかりでとどめを刺すのは巫女の攻撃になっている。

そして、巫女の能力はシャンデラ。確か、ヒトモシ系列のポケモンは近くの生物の魂を吸収する……

男「まさか、西洋風を操って……」


巫女「あら?気づいたかしら?」

巫女は動じずに微笑む。

男「目を覚ませ!お前は巫女に操られてるだけだ!」


西洋風「……」

ツララバリが男に襲いかかる。

巫女「そんなこと言ったって聞くわけないじゃん。操られてるんだから。」


男「だったら、物理的に目覚めさせてやる!インファイト!」

283 ◆lZX9FWF8B.:2016/08/09(火) 11:51:37 ID:/F16Ueg.0
西洋風「鉄壁!」

拳を盾で受け止める。


巫女「かえんほうしゃ!」

西洋風に気をとられて隙をつかれる。

男「ぐあぁっ!……西洋風も巻き込みながら攻撃するとはな。」


巫女「私に操られてる彼は私に攻撃されてもなんとも思わないからね。」


男「ダメージを与えれば目が覚めるってことでもないのか……。だとしたら……」

悪の波動を連続で放つ。


巫女「なっ!い、いきなり攻撃だと……」


男「本体を叩けば洗脳も無意味……だよな?」

俺はその後も巫女を攻撃し続けた。


巫女「くっ、西洋風!私の盾になれ!」


西洋風「……」

巫女「どうした?なぜ動かない!」


男「本体が弱ったから洗脳が解けてきているんじゃないか。」


巫女「お前っ!最初からそれを狙って……」


男「おい!起きろ西洋風!お前はこんなことのために戦ってる場合じゃないんだろ!」

284 ◆lZX9FWF8B.:2016/08/09(火) 11:52:20 ID:/F16Ueg.0
〜西洋風side〜

俺にはまだ幼い娘がいる……

まあ、あまりいい父親だったとは言えない。結婚が早すぎたせいで、自分のポケモントレーナーとしてのキャリアを優先し家庭を大事にしなかった。

それでも妻と娘は何も言わず応援してくれた。

しかし、一年前、娘は難病にかかった。最低な父親というのは多分俺みたいな奴のことだ。俺は大会を言い訳にすぐに娘に逢いに行かなかった。今まで娘との距離があったせいで実感がわいてこなかった。

そうしていくうちに妻も体調を崩した。俺が家庭を大事にしなかったから無理していたのだろう。

俺はようやく自分が家族になにもしてこなかったことを気づかされた。

それからは自分も家族のことに専念し大会には出なくなった。

そして、一週間前程前……この大会の招待状が届いた。


もうすぐ娘の病気に関わる大事な手術がある。俺は断ろうと思ったが。妻の体調も回復しており、まだ一週間以上手術まで余裕があったから妻の勧めで久々に大会に出ることにした。

大会が長引いたら当然棄権するつもりだったが、この戦いに巻き込まれてしまった。娘の手術の予定日は2日後……今日を逃したらもう後がない。


そうだ……俺は今このために戦っているんだ。


西洋風「俺は……ここを出る!!」

285 ◆lZX9FWF8B.:2016/08/09(火) 11:53:22 ID:/F16Ueg.0

男に注意を注いでいた巫女に巨大な氷柱が突き刺さる。

巫女「がはっ!!馬鹿な……呪術を解いただと……」


さらに容赦なくロックブラストを浴びせる。

もう巫女は避けることもできなかった。


西洋風「男……礼を言う。だが、お前に殺されるわけにもいかないからな。退散させてもらう。」


西洋風は巫女に止めを刺さずに立ち去った。


巫女「………」

男「じゃあな。ラスターカノン!」


俺は巫女を殺して西洋風を追った。


〜30分後 脱出装置前〜


女「なんとか間に合ったみたいね。」


少女「……これが、脱出装置……」

装置というからもっと大きなものを想定していたが、リングとベルトのような物だった。恐らくこれをはめて起動するとテレポートするようになっているのだろう。

イケメン「まだ使われていないみたいだ。さあ、早く!」


少女が脱出装置の前に行こうとした時……


「待て!!」


氷柱が目の前から突き出て遮った。

286 ◆lZX9FWF8B.:2016/08/09(火) 11:54:15 ID:/F16Ueg.0
〜〜

イケメン「お前は………西洋風!よりによってこいつかよ……」


西洋風「その脱出装置を使うのは俺だ。」

女「あなたもここから出るつもりでしたね。初めてあったときも……」

関西弁「なるほど、だがこっちは3対1やで。それにあんた、結構ボロボロやんけ。」

関西弁は戦闘態勢をとる。

イケメン「少女、俺達がこいつを止めておく。その間に脱出装置に……」


西洋風「させるか!」

氷柱を4人の真下に出現させる。なんとか全員かわした。

西洋風「俺はどうしても娘に会いに行かなきゃならない。たとえお前たちが立ち塞がろうと装置は俺が使う!」

イケメン「強行突破するつもりか。だが!そうもいかないよ!」

女「私も援護します!」

イケメンと女も戦闘態勢に入る。

少女「待って!」

少女が西洋風の前に出る。

287 ◆lZX9FWF8B.:2016/08/09(火) 11:54:50 ID:/F16Ueg.0
少女「私はこれ以上、自分のせいで誰かが犠牲になるのは見たくない。もし他に脱出装置を使いたい人がいたら譲るつもりだった。」


少女「けど、私に約束してくれた人
がいた。今は私はその人が語った未来を見てみたい。」

イケメン「少女……」


少女「だから、私が西洋風と戦います。他の人は手を出さないでください。」

関西弁「なっ!?ええのか?」

イケメン「……分かった。君がそう決めたなら僕は止めない。」


西洋風「こっちとしてはその方が助かるな。」

女「確かに、私たちが戦っている間に他から横槍を入れられたらどちらにとっても最悪ですね。」

女「私とイケメンさんは二人の戦いと脱出装置を見ています。関西弁さんは外で近づいてくる敵がいないか見ていて下さい。」


関西弁「な、なんでわいだけ除け者なん!?」

女「この中で一番抜け駆けしそうだからです。」

女さんはにっこり笑って答えた。

関西弁(ばれてたのか……やっぱこの女怖えな……)


関西弁は外の見張りに行った。

288 ◆lZX9FWF8B.:2016/08/09(火) 12:24:12 ID:/F16Ueg.0
本日はここまでです。

一応書いてない時期もここに来てはいたのですが、書ける気がしなくて更新していませんでした。

私が書いてた他の二つについても話を広げすぎて書ける気がしなくて更新できてないです。

この話だけでも終わらせたいのですが、まだ、中盤なんですよね……

また、更新まで時間がかかりそうですがこれからもよろしくお願いします。

289名無しのデデンネ:2016/08/09(火) 20:36:26 ID:RLi9RkQE0
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290名無しのデデンネ:2016/08/10(水) 09:02:01 ID:EvOdRd9M0
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291名無しのデデンネ:2016/08/14(日) 22:26:45 ID:B5EZqiqo0
ここでのんびりやって、完結したらBBSの方に投下しましょう

レスもつくしモチベ上がると思いますよ

292名無しのデデンネ:2016/08/15(月) 09:01:16 ID:OMySuzRU0
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295 ◆lZX9FWF8B.:2016/11/11(金) 21:07:05 ID:NNHu42560
実は最近BBS の方でも書いてたりする。

こっちの更新待っている人いたら申し訳ない。今はまだあまり書けそうにないです


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