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ダブルクロス スレッド

14なら ◆7JRi5JEYFs:2016/09/30(金) 08:45:48
ハンドアウト ̄(=∵=) ̄

A【黒さん用】
その電話はいつものように唐突だった
「あのさぁ、だから今日あそ…仕事で日本行くから成田まで来てってメールしたよね!?」
………ああ、タイトルがはろーまいふれん的な英語のメール、
迷惑メール扱いで弾かれてる中にあった気がする。
だいたい、友達にメールするなら毎回同じアドレスから送るくらいのアタリマエなことはしろ………なんて言えるはずもなく、
「テレーズ、ゴメン」
とりあえず謝る。しかたないのだ、立場という絶対の壁には挑めない。
「まぁ、キミが語学力に乏しいことは知ってるから許してあげる」
じゃあ最初から日本語で送れ。でぃすいずじゃぱん。あんだすたん?
「とりあえず、山中湖ってとこで集合…ん〜三時間後ね、未来のキミが英語くらいマスターしてるかわかるかもよ、じゃまたね」
三時間で山中湖だぁ?ムリムリムリ…す、少しでも急がないと…けど、未来?なんだ?


B【野上さん用】
目を覚ました今が、私の誕生日となるのだろうか?
この世界に意識と肉体を得て最初に抱いた感情は、そんな疑問であった。
試験管のようなこのガラスの棺に満たされた液体と、何本ものチューブから流される薬物を通じて、
大抵のことは私の脳にはあらかじめインプットされていた。
けれど自我というものはインプットされるはずが無いものであったのに。

私が何であるかは知っている。

倒れることすら許されないこの国を守り続けることを義務付けられた者の予備となる器。
ただのクローンなんて概念が人道的に思えてくる、所詮は人の予備部品。
それが私だ。
その私が、今自我を持ちあたかも普通のクローン程度の高尚な存在となってしまっている。
「どういうつもりだ桐谷」
ガラスの向こうで私を見つめる【自分】に私は問いかける。
内側から蝕む狂気を鋼の意思で圧し殺し、柔和で皮肉な笑みを私に向ける【自分】。
それがもう限界に達していること、すぐにでもその肉体を捨て、
私に自我を移すべきなのは明白であった。だのになぜ…
私が【自分】に問いただすより早く、【自分】は私へと自嘲気味に語った。
「私が夢見た、なりたかった私を全て貴様に託す。だから貴様は私にはなるな」
と。


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