5月28日に日本の劇場映画としては3年ぶりに中国で全国公開された映画『STAND BY ME ドラえもん』が大ヒットとなっている。公開当初より記録的な興行収入となり、
一日の興収では米国ドリームワークスの『カンフー・パンダ2』を超え、中国で公開されたアニメーション映画としては過去最高となった。その後も順調に数字を伸ばしている。
中国本土と香港の映画情報・市場リサーチ会社の芸恩網のまとめによれば、公開から10日目にあたる6月6日までの『STAND BY ME ドラえもん』の中国での興収は4億2359万元で、
日本円で86億円を超えた。この金額は、同作の日本国内での興収83.8億円を超える。日本のアニメが国内より海外でより稼ぐ結果になった。
『STAND BY ME ドラえもん』は、藤子・F・不二雄生誕80周年記念作品として、八木竜一監督、山崎貴監督のもと撮られた。
これまで2Dセルタッチのアニメで親しまれてきた『ドラえもん』を、初めてフル3DCGで映画化した意欲作である。2014年8月に劇場公開した作品は大ヒットとなり、
日本制作のフル3DCCGはヒットが難しいとの見方をいっきに覆した。
2014年度の国内映画興収ではディズニーの『アナと雪の女王』の254.8億円、『永遠のゼロ』の87.6億円に続く、第3位に位置する。
2014年に中国で公開された『アナと雪の女王』の同国の興行収入は4800万ドル(約60億円)で、現時点で『STAND BY MEドラえもん』が大きく上回っている。
中国では、『STAND BY ME ドラえもん』がより人気を集めたかたちだ。
『STAND BY ME ドラえもん』の中国での成功は、日本の映画業界、アニメ業界に大きな影響を与えそうだ。近年、日本のコンテンツ・クリエイティブ産業の海外展開を目指すなかで、
アニメやマンガはとりわけ有望とされてきたが、アニメがグローバル市場で勝負出来ることを確認したかたちだ。