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改訂版投下用スレッド

99:2003/11/04(火) 13:51
「ああ〜ん、キッツイよぉ。ハードモードだよ!」
 上と下からの波状攻撃。右へ左へフラフラ飛行。かわすのが精一杯。
 ……気をとられ、カミュは気づいていなかった。
「……フフフ、いい感じね。作戦通りだわ」
 黒きよが含み笑いを漏らす。もとより、飛行生物を弓矢のみで仕留められるとは思っていない。
 仮に打ち落とせたとしても、相手はただの鳥ではない。二本の脚とついでに大きな胸を持っている。
 下手をして森の中に降りられたりしては、見失いかねない。
「なら……逃げ場のないところに追い込めばいいのよね」
 目の前にそびえるV字谷と流れ出す川を見据えると、黒きよはおもむろにスカートの裾をめくり上げた。

「しまったぁ!!」
 前方にV字に切り立った狭い崖が現れたところで、ようやくカミュも事態に気づいた。
 己が追い詰められてしまったことに。いいように誘導されてしまったことに。
「むむむ……ドリ君グラ君やるなぁ……ってきゃあっ!!?」
 第六感が警告を叫ぶ。反射的に空中で身を翻した刹那、自分の羽のすぐ裏側を巨大な塊が通り過ぎていった。
「また外したか! やったら勘の強い子だな!」
「しっかりしてください耕一さん!」
「だが……ここなら、俺の方が有利だ!」
 叫ぶと同時に崖の斜面を蹴る。
 反動を得た耕一の体は狭い渓谷の斜面間で反対側の崖へ接地、さらに同じことを繰り返し、まるで踊るパチンコ玉かスーパーボールのような動きと勢いでカミュへと迫っていった。
「HAHAHA! どうだい瑞穂ちゃん! 俺にかかればこんなモンさぁ!」
「ちょっと……気持ち悪いです……」

「ああーーーん! かんべそプリーズぅ!!」
 だがカミュにしてみれば堪ったものではない。ただでさえ押され気味だったものが、さらに相手に有利な、そして自分に不利なフィールドになってしまったのだ。
 慌てて翼を羽ばたかせ、渓谷の上に出ようとするがするとすかさず川の浅瀬中をひた走ってくる黒きよ&ドリグラ部隊の狙撃を受けることになる。
 それ以前に、カミュの体に張り付いた矢もだいぶ数を増してきた。
 このままでは……そう遠くないうちに飛ぶこと自体ができなくなる事態もありうるかもしれない。
(なら……どうすればいいの!?)
 
 ぺたんっ!


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