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改訂版投下用スレッド

96シオリンサーガ(4):2003/10/30(木) 19:13
「閃きました!」
「のわっ!?」
 栞、今度は満面の笑みで突然起き上がる。

「そもそも私が自分で解こうと思ってたのが間違いだったんですよ! 私は大器晩成型。まだ花も開かぬ蕾の私ではこんな難解なロジックなんて解きようがなかったんです!」
 中学生レベルなのだが……
「そ……それじゃ誰か英語できる人でも探すのかい?」
「NON! NON!! NON,NON,NON!!! 人間なんて信じられるモンじゃないですよ。迂闊な人に訊いたら適当なこと吹き込まれて下手すりゃ奪われることにもなりかねません!
 てか、もし私が逆の立場だったら絶対そうしますから!」
 自慢にならん。
「私では不可能! 住井さんや北川さんは役立たず! 他の人に訊くのもデンジャラス! なら、どうするか……?」
「どうするか……?」
 と、不意に栞は北川と住井に流し目を向けると、囁いた。
「確か……お二人は、ホテルから来たと仰ってましたよね……?」
「ああ。その通りさ」
「栞ちゃんと会う直前、ホテル全土に罠を仕掛けてきたんだよ。おそらく今頃は無数の子羊たちが俺たちの芸術作品の最中で苦しんでいることだろうさ」
「設備は……どうでした? 営業体制には入ってましたか?」
「ん〜……どうだったかマイブラザー?」
「冷蔵庫に酒や食い物が入ってたくらいだからな。もう準備はあらかた終わってるんじゃないか?」
「YEAH.......YEAH! YEAH!! YEAH,YEAH,YEAH!!! 急ぎますよ! 希望の芽が出てきました!」
 などと叫ぶやいなや、突然駆け出す。
「な、なんだ!?」
「ちょ、栞ちゃん!?」
「案内してください! ホテルに向かいます! そこに……私の予想が正しければ!」

 その瞳は、爛々と輝いていた。

 栞の野望は終わらない。


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