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改訂版投下用スレッド
84
:
終焉のノクターン
:2003/07/10(木) 20:00
「…やりますね。お蔭で助かりました」
「どーいたまして」
片手で持ったフライパンで肩をトントンと叩きつつ、晴香の手から落ちた武器を蹴って脇へ寄せている岡田を見やり、
弥生は素直な賞賛を表した。
「鬼を前にまごついたりバタバタするだけが逃げ手じゃないってね。――藤田ぁ、長岡ぁ、生きてるー?」
「……何とかな」
やれやれとばかりに体の上に乗ったソファーを退かし、立ち上がる浩之。その頭には、でっかいタンコブがこんもりと
出来上がっていた。
志保はというと――
「くっくっくっく…、どーしてくれよーかしらねぇ、この女」
胡椒攻撃による涙と鼻水の為に目と鼻を赤くさせながら、片手にトリモチ銃、もう一方には胡椒噴射器を構えつつ、
完全にノックダウンさせられている晴香を悪人顔で見下ろしていた。
「取り敢えずフン縛るか」
「超能力者なんでしょ? 縛ったってすぐに逃げ出しちゃうわよ」
「外にほっぽり出す訳にもいかねーだろが。何かロープみたいな物……そーだ、志保、お前のブラジャー貸せ」
その要求に応えて、無言で浩之の顔面に蹴りをメリ込ませる志保。
…まあ、晴香の事は、エスコート役(どうも今一頼りない気もするが…)の彼等に任せるとして――岡田は、二階へ
続く階段を見上げた。
そこには、Tシャツに下着のみといったラフな姿の松本がニコニコ顔で腰を下ろしており、傍には、階段の手摺りに
もたれる様にして立つガンパレコス姿の吉井がいた。――息を潜めて事の行く末を見守っていたのだろう。
「カッコよかったよ〜、岡田ぁ♪」
「私の活躍する場も残しといて欲しかったなぁ。こんなコスプレまでしてるんだし…」
「いーじゃない、別に。あんたは前に充分活躍したでしょ。藤田に飛び蹴りまでくれてたし」
「言わないでよ、それは…」
…ネットに捕らわれていた響子は弥生に助け起こされていた。
「大丈夫ですか?」
「はは…、どうにか」
どこか自嘲するかの様な苦笑を浮かべながら、響子は乱れてしまった髪を手櫛で整える。
「…柄にもない事するから、酷い目に遭っちゃったわ」
「有難う御座います。助かりました」
「ちょ、ちょっと…、よして下さい。結局、私は何の役にも…」
「いえ……、助かりました。是非、礼を…――有難う」
生真面目に礼を述べられ、響子は却って照れ臭かった。
その照れ臭さを肩を竦めて誤魔化し、響子は視線を転じた。――壁際でトリモチを顔にへばり付かせて呻く和樹に。
「………で、彼の事、どうする気です?」
弥生はそれに答えぬまま、軽く挫いた片足を庇いながら、和樹に近寄った。
「……無事ですか?」
「ぐはっ……な、なん…とか…」
トリモチを弥生の手でベリベリと剥がして貰い、和樹は酸欠地獄から生還した。が、その先で待っていたのはまた
新たな地獄であったと言うべきか。
「…あう………、こ、コロさないで下さい…」
「そんな事はしません。……取引をしましょう」
「と、取引…?」
「性描写を用いない、森川を題材にした“萌える本”とやらを制作して下さい。それを、件の本よりも多く売るのです」
「お、お咎め無しの、条件ですか…?」
弥生は、黙したまま頷く。
「で、でも……18禁本と較べたら、萌え本の売れ行きはそんなに…」
「私は、出来るか出来ないかを尋ねているのではなく、やるかやらないかを訊いているのです」
「……やります」
…どうやら、和樹はシを免れた様であった。
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