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改訂版投下用スレッド

82終焉のノクターン:2003/07/10(木) 19:59
「話は終った? ――じゃあ、潰れていなさい!」
 ばむ!ばむ!――と、晴香の声と共に、トリモチ銃が爆ぜた。放たれたトリモチが凄まじい勢いで弥生に――
 命中しなかった。弥生は、咄嗟に体を床へ伏せさせ、飛来したトリモチを寸での所でかわしたのだ。
 その煽りを喰らったのが、和樹である。
「むべっ…!!?」
 トリモチは和樹の顔面に見事命中。…彼は床を転がり、壁にぶつかって伸びてしまった。
「ちっ…!」
 舌打ちする晴香。だが、間を置かずに再度弥生に銃口を向ける。彼女の中では、弥生こそが一番厄介な相手と認識
されている様であった。そこへ――
「ちぇすとぉぉぉっ!!」
「っ…!? ああっ!」
 横合いから、志保ちゃんキック炸裂(パンツ丸見え)。晴香の手からトリモチ銃が弾き飛ばされ宙を舞い、立ち竦んだ
ままの響子の足元へと落ちた。
 得物が失くなった。――好機と見たか、すかさず志保に続いて浩之が晴香に飛び付く。相手は女性で、浩之には力も
ある。取り押さえるのは割合簡単だと思ったのだろう。
 しかし、浩之の顔が、次の瞬間驚愕の色に染まった。
「なななっ…!? 何だあっ!!?」
 柔道の要領で晴香の袖と襟元を掴んだはずの浩之の体が、見えざる何者かに持ち上げられたかの如く、宙へ浮かび
上がったのだ。
「ちょ、超能力者…!? ――まぢ!?」
「こっ、琴音ちゃんが使うみたいなアレか…!?」
 愕然とする浩之と志保を見て、晴香はニヤリと笑った。
「不可視の力よ。怪我はさせないわ。――大人しくしてなさい!」
「おわぁあっ!」
 ぽーんっと見えざる力で投げ飛ばされた浩之は、ソファーに軟着陸。が、勢い余ってソファーごと転がり、壁との間に
挟まれてしまった。
「キタな! 反則よ反則! そーいうので直接攻撃したら反則よ!?」
「“攻撃”した訳じゃないわ。掴んで来たから“振り払った”だけよ」
 志保の猛抗議をさらりといなしつつ、晴香は体に掛けていた別の得物――サブマシンガンか何かに似た物の下部に
スプレー缶の様な物が付いた銃を構え、自分の顔にはガスマスクを被る。
「そんな言い訳が通る思って――」
「――“通す”わ」
 ガスマスク越しの、くぐもった声。…晴香がガスマスクを被った時点で、志保は彼女が構えた新たな得物の正体を
察するべきだった。だが、頭に血が昇っていた為に、判断が遅れた。――ぶしゅーーっ!!
「わぷっ…!? ぶしっ…!? ヒクしょんっヘクしっ!! なっ、何よコレっ……ファくしょんっ! ハクしょんっ!!」
 唐辛子噴霧器の小型ver.――胡椒噴射器である。大型で小回りの利かなそうな唐辛子噴霧器ではなく、軽さと接近
戦での扱い易さを考慮し、これを選んだのだ。
 胡椒の噴流をモロに喰らった志保は、クシャミを連発しながらのた打ち回った。
「悪いわね」
「ふむぎゅっ…!!」
 苦悶する志保を踏みつけ、その顔めがけて更に胡椒を連射。
「ひぎゃああああああ………っっ!!?」


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