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改訂版投下用スレッド

78マンイーターの後始末:2003/06/22(日) 22:23
「凄い寝相だな…」
七瀬彰は、雛山理緒を抱きしめたまま眠る水瀬名雪を起こそうと悪戦苦闘しながら呟いた。
澤倉美咲としんじょうさおりも頑張るが、てんで起きる気配が無い。
目覚めた時、理緒の毛布に誰も居ない事に気がついたのは美咲だった。
最初は「どこ行ったんだろうね」などと言って笑ったが、同時に名雪の毛布が異常に膨れ上がっている事に気がついて、彰が恐る恐る名雪の毛布をめくった。
そして名雪に羽交い絞めにされて、鼻水でぐしょぐしょになった理緒を発見したのである。
理緒は目がイッちゃっていたので、とにかくまず理緒を解放することから始めた。
が、引っ張ってみても理緒の身体は動く気配が無い。一体どのくらい強い力で抱きしめられているのか想像もつかないほどだった。
引き剥がそうとすると、「けろぴ〜…」と謎の寝言を呟いてぎゅっと更に強く抱き込んだりしたので、このままでは理緒の負担が大きいと判断して諦めた。
仕方が無いので、名雪を起こすほうに専念することにしたのだが、これがまた大変だった。
揺する程度では到底起きない。ぺちぺち頬を叩いても当然起きない。
彰は、こうなればびしばし叩こうとも思ったが、愛する人の美咲の前でそれは憚られた。
仕方なく頭をこつんと叩く。やっぱり起きない。
「どうしたらいいんだ…」
RRな台詞を吐いて、彰ははぁ、と溜め息を一つついた。
さおりは既に諦めて、名雪に絡め取られていたが、いつの間にか自由になっていた太助と戯れている。
美咲はそんなさおりをあやしていた。
彰はそんな二人を見て、何故太助が自由になって理緒が代わりにこんな目に遭っているのか、と思った。
「そうだ…」
そこで彰は一つ思いついた。
名雪の猫好きは病的だ。今ももう一匹の猫を抱いたまま離さない。
ならば、この猫を引き剥がせばどうなるか?
起きるかどうかは少し怪しかったが、今はどんな手段も選んでいられない状況だ(だからといって愛する美咲の前で暴力的な手段は使うわけには行かなかったが)。
試しでやってみる価値はあるはずだ。
彰はぴろの尾を引っ張ってみた。
ぴろはその衝撃で目を覚まし、うにゃあと鳴くと名雪の手をすり抜け、毛布から逃げた。
そのままぴろは何故か転がっていたバケツに身体をぶつけた。こん、と音が鳴った。
――さて、これがどう出るか。
と思った瞬間。
「うー、逃げちゃ、だめだぉ〜」
名雪がうめいたと同時に、彰の右足首をがっしりと掴んだ。
「はい?」
呟く間もなく、彰は見事にすっ転び、床に後頭部を強かに打ちつけた。名雪が足を引っ張ったのだ。


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