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改訂版投下用スレッド

74「友情」 「犠牲」 ――そして「誇り」(改訂版):2003/05/29(木) 20:49
「“逃がす”――わ」
 呟くなり、吉井は親友二人の腕を引っ掴み、駆け出した。
 郁未の方へと――
「へ――?」
「そんなに欲しけりゃ、くれてやるわよ!」
「「よよよ吉井ィィィーーーー〜っっ!!?」」
 軍団での“良識”担当であるはずの吉井、御乱心。彼女に腕を掴まれて走る岡田と松本が、悲鳴を上げた。だが――
「だけど…他の二人はやらせないっ!!」
「どわぁぁあっ!?」
 叫ぶなり、吉井は親友二人から手を放して郁未に突進し、組み付いて地面を転がった。
 ――余りの事に目を見開いて唖然とする、他の祐一チームの面々。
「何してんの! 早く逃げてっ!!」
 唖然としていたのは、岡田と松本も同様であった。――が、吉井に一喝されて我に帰り、一瞬苦悶するかの様に躊躇
するも、背を向けて走り出す。
「にっ…逃がしません!」
 いち早く我に帰った由依が、逃げる二人に唐辛子噴霧器の噴射口を向けた。この雨の中、どれ程効果が減衰してしまう
のか解らないが、何もしないよりはマシである。
「させるかぁっ!」
 あお妙にゴツイ代物が何を吐き出すのか、吉井は知らなかったが、“ロクでもない物”であるに違いないと断定し、素早く
靴を脱ぎ、手首のスナップを利かせて由依に投げ付けた。
 スパこぉぉぉぉんっっ!!――
「きゃんっ…!?」
 吉井の投げた靴は、見事に由依の頭に命中。堅い箇所に当たったか、悶絶して沈む。
「ぐっ…! だったら“不可視”で足元を吹き飛ばして――!」
「させないって言ってるでしょーがっ!」
「あひゃっ…!? あひゃひゃヒャヒャヒャッッ…!! やややめてぇぇ〜んっ!!」
 吉井に馬乗りになられていた郁未が不可視の力を集中させたが、放たれる寸前に吉井からくすぐり攻撃を受け、集束
させていた力を霧散――否、狙いを付けていた岡田と松本の足元の地面ではなく、あらぬ方向へ暴発させた。
 ドカッ! バキバキィッ…!! ドドぉーーーーーーんんんっ!!!――――


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