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改訂版投下用スレッド

67自由落下なエトセトラ:2003/05/24(土) 01:14

 ばっちぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃん!!!!
 
 爆裂したかのようなド派手な音とともに吊り橋を支える紐が破断し、反動で支柱に巻き付いた。
 橋の足場を形作っていた粗末な板が支えを失い、重力加速に従って崖の間へ消えていく。

「な、な、な、な! のぅわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!」
「なななななな七瀬さん! 手っ! 手っ! 手ぇぇっ!」
「あああうう!」
 まとめて落とされかけた七瀬だが、幸いにも一歩後ろに控えていた矢島の腕を掴むことに成功し、ギリの位置で崖に張り付く。
「あ、あのおばさん……なんつー無茶を!」
 後ろを……というか、下を向いた七瀬が見たもの。
 それは

「ぶいっ」

 ……キャラも年齢も間違えた、ひかりさんのVサインだった。
 
 どっぱぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁん!!!!!
 
 一瞬遅れ、彼女の身体が巨大な水しぶきの中に消える。
「ちょ、ちょ、ちょ! あれ、マズイんじゃない!」
「と……とは言っても橋ぶった切ったのは本人であるわけだし……」
 顔を見合わせる七瀬と矢島。『どうしよう』と表情が語っている。
 とはいえ、ずっと崖っぷちにしがみ付いているわけにもいかない。矢島に引っ張ってもらい、えいやと上へよじ登る。
 そして改めて、崖下を見下ろすと、そこには………
「「……泳いでるよ。オイ」」
 思わず声が重なった。
 轟々とうねる濁流の中を、ひかりはなかなかしっかりとしたフォームで泳いでいる。
 時折波間にその姿が消え去るが、体勢や息継ぎを乱すことなく、一定のペースを保っていた。
 とはいえ下流へと流れる水の流れ自体が早いため、かなりの速度なのだが。
「……あのおばさん、元オリンピック選手かなんか?」
「さ、さぁ……俺は知らないけど……」
 もう一度顔を見合わせる。
「……と、とにかく!」
 自らを鼓舞するように声を上げつつ、七瀬は立ち上がった。
「追うわよ! せっかくここまで追いつめたんだから、なんとしてもあのおばさんは私が捕まえるっ!」
 と叫ぶやいなや川沿いの坂道を駆け出した。そりゃもう、勢いよく。
「ちょ、ちょ、ちょ、ちょっと待った姉さん!」
 慌ててその後を追う矢島であった、が……
「のおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!!!!!」
 彼が見たのは、ぬかるんだ地面に足を取られ、坂道を一気に転げ落ちる七瀬の姿だった。
「だから止めようとしたのに……」

 一方神奈は上空で川面を凝視していた。
 橋の崩落に巻き込まれ、落ちかけた彼女ではあるがその双翼を使えば空中で体勢を直すことなど、造作もない。
 細い眉を寄せながら、呟く。
(追おうと思えば、出来る……)
 ……しかし、それはしない。
(さすがに余も、あの濁流の中には飛び込みたくない……)
 それに、彼女には残してきた仲間がいる。
(葉子殿……)
 あまり長い間離れているわけにはいかない。最悪、自分が出かけている間に目覚められでもしたら、探そうとしたところで入れ違いになりかねない。
「ふふふ……」
 静かに、神奈は唇を歪めた。
「ここは貴女に勝利を譲るが……名も知らぬ勇士よ!」
 ひらりと身を翻しつつ、葉子たちのいる建物へと向かい、羽ばたく。
「次は……次こそは、余の手で! 捕まえてくれる!」

【七瀬矢島 とりあえず川沿いを走って追ってみる】
【神奈 追撃は諦める。葉子たちのもとへ】
【ひかり 川へとダイブ。下流へ】
【登場 神岸ひかり・【七瀬留美】・【矢島】・【神奈】】


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