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改訂版投下用スレッド

62鬼と力と情報と:2003/04/19(土) 02:07
 雨の降りしきる森の中の小屋では、耕一と瑞穂が遅い食事をとっていた。
 ダリエリと別れた後雨宿りの出来るこの小屋を見つけたのだ。
「瑞穂ちゃん、飯作るのうまいなぁ」
「そうですか、エディフェルさんやリネットさんとやら程じゃないと思いますよ」
「……瑞穂ちゃん冷たいね……」
 瑞穂ちゃん、先ほどからご立腹。
「いや、でもうまいって。梓や初音ちゃんにも負けていない!」
「へぇ、他にもそんな女性がいらっしゃるんですか。お盛んですね」
「み、瑞穂ちゃん……ん?」
 言葉をきって耕一は窓を見る。
「どうしましたか?」
「ん……森の方で何か見えた気がしたんだけど……気のせいかな?」

「髪の短い女が1人いたな。当たりかもしれないぞ」
 木の後ろから、オボロは小屋の窓を伺う。
「ほ、本当か!? オボロ君」
「落ち着いて、月島さん。まだ決まったわけじゃない」
 実を言うと可能性は低い。久瀬の推理を当てにするならば、ショートカットの女性は二人以上になる。
 教会付近の家屋を虱潰しにすること、数時間。今までは逃げ手も鬼にも出会わなく、久瀬自身ちょっと自分の推理に自信をなくしかけていたりした。
「相手の容姿まではちょっと分からないが……どちらにしても相手は、逃げ手だ。捕まえるぞ」
「分かったよ……3方向から同時に踏み込むのかい?」
「そうだな……」
 久瀬は小屋の形を確認する。見る限り今まで回った小屋と同じ間取りのようだ。室内に侵入する手段はまず表口に裏口。
 それだけではなく、今獲物のいるリビングルームには大きな窓が、南側に二枚、
東側に一枚取り付けられている。
 要するに、三人だけでは全ての出入り口を抑えきれないという事だ。月島の案では逃げられる可能性がある。
「いや、もう少し工夫しよう。オボロ君、彼女達に気づかれないように屋根に登れるかい?」

「いやー見ましたか、あの晴香さんの悔しそうな顔! 賓乳賓乳いうからですよね!?」
「それ、もう5回は聞いたわよ。ご活躍には感謝してるけどね」 
 得意げにしゃべる由依に、郁未と祐一はうんざりした視線を向ける。
 屋台で唐辛子噴霧器の補充を行ってからというもの、延々と由依の自慢話が続いているのだ。
「全くだ、耳にたこができそう……ん、どうした、舞?」
「あそこ見て」
 舞の指差す方向を見る祐一一同。木々の向こうに、小屋らしきものが見え……その屋根の上に一人の男が上っているのが見えた。しかもその男、襷をつけている。
「あいつ、何してるんだ……?」
「……多分、捕物の最中よ! ひょっとしたら獲物を横取りできるかもしれないわ。
舞行くよ!!」
「はつみつくまさん!!」
 郁未と舞が、小屋に向かって駆け出した。


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