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改訂版投下用スレッド

60人形劇、開始:2003/04/18(金) 21:15
 折原浩平は内心、とても焦っていた。
 屋台で朝食を食べてから、みんなが眠そうなのだ。
(そりゃ、昨日あんなに夜遅くまで街を探索してたんだ、眠いのも無理ないさ、
 でも、雨が降っている今がチャンスなんだ。きっと逃げ手は雨露を凌げる建物の中に隠れる。そこを襲えば──)
 しかし、そのことを口には出さなかった。
(──リーダーは仲間のことを第一に考える──だったよな?
 今、みんなはとても疲れている、無理を言ったら無能リーダーの烙印を押されるだけだ)
 浩平は昨日屋台でこっそりと買っていた『リーダーの条件豆本』の内容を頭の中で反芻した。
(リーダーはまわりを元気付ける、そうだ、ムードメーカーのトウカに雰囲気を変えてもらおう)

「トウカはいつも張り切ってるな。あんなに活躍して疲れてないか?」
「なんの。これしきのことで根を上げる某ではありませぬ。
 この聖上の人形に賭けて誓う。浩平殿に鬼の優勝を!」
「サンキュウ、トウカ。ところで聖上の人形ってなんだ?」
「某のこの手の中に………………無い」
 トウカが手を握ったり開いたりした後、顔面蒼白で自分の服を調べ出した。
 それでもやはり、人形は見つからなかった。
「某の命より大切な人形が……ク、クケーーーーッ!!!!!」

(おいおい、嘘だろ……トウカ?無くしたのかよ…………
 いかんいかん。──リーダーは冷静に。──リーダーは冷静に。──リーダーは冷静に)
 浩平は口の中でぶつぶつとリーダーの心得を三回呟くと、トウカの肩をポンと叩く。
「みんなで探そう。俺達はチームだろ?」


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