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改訂版投下用スレッド
55
:
クライム・ザ・ラダー/サウンド・ザ・ボイス(アナザー)
:2003/04/14(月) 01:22
ごおん。
天井を叩く音が聞こえた。
「(気付いたようだな……)」
大志は焦る。
即興で思いついた作戦の割にはなかなかいい線いっていたが、まいしすたーが落下したのは
予定外だった。……いや、そのお陰で途中でエレベーター内部を見られずに済んだのだから、僥
倖と云えばいいのだろうが――。
「――ここもハズレだ」
国崎は先ほどと全く同じモーションで天井から降りてきた。その様子を見かねたウルトリィが口
を出す。
「国崎さん……本当に、彼らはそこにいるのでしょうか?」
今までの全部が全部囮で、彼らはまだ探して居ない5Fにいるのではないか――彼女はそう言
いたいらしい。
「理由が無いな。俺達をおびき寄せるのなら、むしろ出入り口に近い上のほうが妥当だろ」
「こうやって我々に無用な疑念を抱かせるのが目的かも知れません」
「むぅ……」
そう云われるとそんな気がしないでもない、といった表情で国崎は黙り込んでしまった。案外論
理的思考をするのが得意でなかったりする彼。しばし考え込むも結論は出ない。
「にゃぁ……よく分からないですけど、エレベーターを調べたほうがいいんではないでしょうか?」
千紗の指摘に国崎はハッとして、
「そうだな」
と無愛想に呟き、残るエレベーターに向かって歩きだした。
マットのしたからかすかに音がする。足音だ。
「ふっ……まるでアンネ・フランクみたいじゃないか」
「ちょ、ヘンな事言わないでよっ…!」
そんなわけ分からんことを呟く大志。アンネを知らないクロウ以外の二人は何かそこ知れぬ恐
怖に襲われた。
だが、大志の表情に陰りはなかった。
ちらと時計を見る。
「(もうすぐだ)」
そう呟くや否や――
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