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改訂版投下用スレッド

50クライム・ザ・ラダー/サウンド・ザ・ボイス(アナザー):2003/04/14(月) 01:19
 しばしの間思案していた大志だったが、
「――そうか」
 突如叫んだ。なにか閃いた様子だ。
「な、なによ突然?」
 隣の瑞希がこれに驚くも、大志は顧みもせず真っ先に鶴来屋左端に位置する階段へと走っ
た。
「ちょ、どこ行くのよ大志!?」
「大きな声をだすなまいしすたー!!! というか早くこっちに来い!」
「太志さーん、どうしたんですかー?」
「な、なによどーしたってのよちょっと太志ー!?――」
「――お嬢さん方、ちょいと我慢してくれ」
 事態が呑み込めない郁美と瑞希を両脇に抱え、クロウは大志の後を追う。彼の体力を以ってす
ればその程度の運動など容易い。あっという間に廊下のつきあたりまで移動した。
「……大志の旦那」
「うむ、ひとまず階下へ移動するぞ。ヤツら5階から調べるつもりかもしれん。その場合、対策を考
える余裕すらないだろう」
「なるほど。そりゃ困るわな」
「――よし、行くぞ。足音を立てるな」
「了解」
 二人とはうって変わって、さすが歴戦の兵のクロウ、落ち着き払った口調で太志と会話を交わ
す。とりあえずクロウは暫定的に太志を指揮官と位置付けた。彼我の性格から言って適切と言え
るだろう。
 太志が先頭に立ち、ついで二人を担いだままクロウが続く。利用客の移動をエレベーターに
頼っているのか、階段の装飾は必要最低限だった。ほとんど非常用といってさしつかえなく、床
は鉄で出来ていた。
 途中、大志は床に機械を置いた。
「旦那――なんだそれは?」
「……秘密兵器だ」
 ニヤソと笑う大志。


 ウルトリィと千紗が部屋を改め、その間国崎は廊下を見張る。
 彼らは今2Fをチェックしているところだった。
「いない、ですね」
「入ってますかー? ……いませんねー」
「となると……やはり上か」
 国崎は天井を見上げ焦燥感を露にするが、しかし思いなおす。
「――出口はどうせ一箇所しかない。焦ってもしょうがないな」


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