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改訂版投下用スレッド

40ふぬぬぬぶふごっのテーマ(酒が呑めるぞVer.02):2003/04/03(木) 15:37
「なーんか厭なこと思い出しちゃったな…」
 冷蔵庫のドアに手をかけたまま、しみじみと住井。
 遠い目をしながら北川もこれに同意する。

「しかし――駄菓子菓子! それも過去の話だ!」
 北川潤・住井護――さくらんぼ男子と称された彼らとて、
地に埋めて潤沢な肥料と陽の光を当てれば立派な花を咲かすのだ。
北川は一旦冷蔵庫のドアを閉じ、部屋の隅に置かれたメモ帳を取り出して何やら筆算を始めた。
「アルコールの比重は確か0.8だったから……これをこーして…ああ違う」
「――そうか」
 住井は北川のやらんとしている事を即座に悟った。
「よし、ちょっと待ってろ」
 彼は自らの仕掛けたトラップに注意しつつ、階下の食堂から一升瓶と軽量カップ、
それに計量ばかりを持ってきた。
幸いホテルに侵入してきた人間とは接触しなかったが――もはやこのホテルの様子は二人にすら把握出来ない。移動には慎重に慎重を費やした。

「――よし。出来たぞ」
 しばらくしたのち、北川は計算を終えた。住井は算出された数値に従って慎重に水を計りとり、
とってきた一升瓶に移し換える。念入りに口を拭きとり、キャップを閉めた。

「チャンスは一度きり。失敗は許されないぞ」
「ああ。分かってるさ」
 そういって二人は遥かなる冷蔵庫に向かって前進する。住井の片手には先ほどの一升瓶が握られていた。

 がちゃり。
 そこには数分前と寸分たがわぬ光景が広がっている。
 大吟醸・来栖川の怒り。作戦目標はその一点のみ。


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