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改訂版投下用スレッド

39ふぬぬぬぶふごっのテーマ(酒が呑めるぞVer.02):2003/04/03(木) 15:36
「うおっ……こりゃまたすごいな」
 冷蔵庫に収まっている日本酒を見て住井は思わず呟いた。
そこに転がっているのは大吟醸・来栖川の怒りを始めとする一般に『高級酒』と称されるアルコール類の数々。
 住井は早速、
「これを呑まずして男が語れるかってんだー」
 と一升瓶を引き上げるべく冷蔵庫を開ける。……が、それを制止するものがあった。
「なっ」
 住井は驚く。これから一心不乱の大宴会を催そうと意気込んでいたのに、いきなり出鼻をくじかれた。
しかも彼を制するのは――北川。
「くそっ、放せ北川っ」
 が、北川はあくまでも冷静に言を述べる。
「落ち着け住井。今の俺達のシチュエーションをよーく考えてみろ」
「む?」
 日本有数の高級旅館と謳われたあの鶴来屋グループの、よりによって新築オープン前のホテルの一室。
12畳ほどの和室にはまだ木の香りがふんだんに残っており、壁には傷の一つも付いていない。
これからどうなるかは不明だが。
「何が言いたいんだ?」
「まだ分からないのか」
 ふぅ、とため息を一つついて、北川はおもむろに冷蔵庫のとある部品を指差した。
「これを見てみろ!」
「こっ、これはっ……!」
「そうだ。よりによって鶴来屋という高級旅館だのに――」
 
 それはまだ、二人が中学生だった頃。
 彼らが修学旅行で泊まった旅館にも同様のシステムが置かれていた。
無論その頃は住井も北川もまだまだ純朴なチェリーボーイだったから、
飲み物の瓶を抜くと自動的に料金が請求されるシステムなど知らなかった。
彼らはその時『いえーい飲み放題だぜー』とのたまいつつ旅館にある冷蔵庫という冷蔵庫からジュース類を持ち出し、
別に優勝したわけでもないのに下着が濡れるまで未曾有の掛けあいっこをしたのだった。
当然の如く部屋は水浸し、級友からは白い目を通り越して充血した目で黙殺という器用な仕打ちをうけ、
翌日の朝は教師陣に360度全周包囲されながら4時間半に及ぶ超ロングセットで説教を喰らったのである。

 ほろ苦い思い出だ。


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