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改訂版投下用スレッド

303До свидания:2004/05/29(土) 16:59
 タンッ……

 埃一つ舞い立てぬ見事な着地。
『戦闘意志なし』の優雅な証拠――腕組み。

 果てなき沈黙と、時の凍結。
 風が凪ぐ。
 女は、その口を開いた。

「……Nice Fight」

 木漏れ日降り注ぐ無色透明の光の中で、女は静かに言った。
 賞賛の言葉がその姿にぴたりと、合っていた。

「……お前こそ」

 そう、これはおそらく……『試験』。

「あなたの勝ちよ。ミスター……」
「……蝉丸だ。坂神、蝉丸」
「ミスターサカガミ。あなたの、勝ち。フフフ……」
 笑った。
 満面の笑みが、その顔に花開く。
「しかし、物騒な試験だな。俺でなければ、どうなっていたことか」
「フフ、ここまで私を追いつめたあなただもの。きっと……いえ、大丈夫と思ったわ」
 悪びれた様子もなく、女は、そう言い切った。
「名前を聞きたい」
「リサ。リサ・ヴィクセン」
「ヴィクセン(雌ギツネ)――」
 似合っている――とは、思ったとしても、口に出すべきことではないだろう。


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