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改訂版投下用スレッド

302До свидания:2004/05/29(土) 16:58
『それ』が来ることを、俺は予期できなかった。
 何が幸いしたのか。
 勝利の女神は、相当俺を気に入ってくれたのか。
 最初の言葉を訂正しよう。
 勝負は、俺の負けだった。
 実力ではなかった。
 俺の、負けだった。

 ガシーーーーーーーーンッ!!!

 ギリッ……ギリギリッ……
 女の細くしなやかな右脚が俺の手の中で軋んでいる。
 左右連続からの高速下段膝蹴り。
 狙いは股間か水月か。
 おそらくは数限りない強敵を沈め続けた、必殺の一撃。
 それを受け止めたのは……俺の腕。
「!」
 女が、少し、驚く。
 そして、にやりと、笑う。
 なるほど……

「……せいっ!!!」

 渾身の力を込めて、その脚を放った。
 投げられた女は、跳んだ。いや、飛んだ。
 最初より遙かに高く、そして――――遙かに、美麗に。
 後方伸身……2回。
 美しい。
 臆面なく、掛け値なく、そう思った。
 それは、事実だった。


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