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改訂版投下用スレッド
277
:
DreamPower 3
:2004/05/18(火) 21:56
ブバッ!
瞬間、岩切がゲンジマルに向かって真っ赤な霧を吹き付けた。いや、これは……
「仙命樹入りの我が血だ! さぁゲンジマル、ほとばしる青春を蘇らせるがいい!」
ちょっと、というかかなり卑怯な岩切の不意打ち。だが……
「この程度……ハ・アッ!!!」
ゲンジマルは怯むことなく、刀身を視認できぬほどの速度で空中に回転させた。局所的に巻き起こるつむじ風が血煙を巻き込み、文字通り血の霧は霧散した。
一瞬後、そこには何事もなかったかのように刀を構えるゲンジマルの姿があるだけであった。
「……回し受け……だと?」
「左様。矢でも鉄砲でも持って来られるがよろしい。何物も某の身を傷つけること、かなわぬ」
ゲンジマルが虎を殺した経験があるのかは、定かでない。
「くっ……の……お……」
打つ手全て無くした岩切。
「おのれぇぇぇぇぇぇぇっっっっ!!!」
とうとう彼女すらも冷静さを失い、恐慌に近いものを起こすと大きく咆吼。大上段からゲンジマルに斬りかかった。
「……終わったか」
トウカが呟く。同時に……
キィィィィィィィ………………………ン
非常に澄んだ高い音とともに、Dの剣が岩切の手を離れ、遙か天空に高々と跳ね上がった。
くるくると回転する刀身が、繰り返し日差しを照り返す。
「…………ッッ!」
剣を振り抜いた体勢のまま固まる岩切。そして……
「峰打御免!!!!」
ドスッ!
鈍い音とともに、刀の峰が、岩切の脇腹を打ち据えた。
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