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改訂版投下用スレッド
270
:
線が交わる時
:2004/05/15(土) 04:58
少年の背中で光り輝くエルルゥの横顔をみながら、マナはため息をついた。
「はぁ……ほんと馬鹿みたい。ハクオロさんを捕まえる気もなくなっちゃった」
「あれ? 鬼ごっこしたいんじゃなかったけ?」
「そんな気も無くなっちゃったわよ……だいたいとてもじゃないけど、割って入るような空気じゃないもん」
「そうか……」
少年は、マナの方を向いて、ニッコリと笑って、
「マナは……優しいね」
そんな言葉を、なんの照れもなく真顔で言う。
「な……何言ってんのよ、バカ!!」
顔を真っ赤にして、マナは怒鳴り、走りながら器用に少年の脛にキック。
「あはは……痛いなぁ」
少年もまた実に器用に、走りながらマナの脛蹴りを受け止める。
―――と、そこで
「ん……?」
少年は、少しだけ鋭い目をして、行く先を見た。
「どうしたの……?」
「いや……これは……うん、間違いないかな」
少年はマナの問いに、少しだけ口元をゆがめて笑った。
「とんだ偶然と言ってもいいと思う。
何人かの走る音が聞こえるね。多分、逃げてる人がいるんだと思う。
―――.このままいくと、多分街中で接触することになるよ」
「ん……おと〜さん?」
「アルちゃん?」
ムックルの上で鼻を引くつかせるアルルゥに、ユズハが声をかけた。
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