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改訂版投下用スレッド

269線が交わる時:2004/05/15(土) 04:57
「ほら、エルルゥ。 こっちだ! おいていくぞ!」
「ふーんだ! もう、おいていかれませんからね、私!」

 じゃれあうように走るハクオロとエルルゥの姿はまるで父娘のようにも、恋人のようにも見えて、

「……やってらんないわよね」
 と、マナは憮然とした表情でつぶやいた。
 

 このチェイスの参加者はハクオロとエルルゥだけではない。マナと少年もまたハクオロを追っている。
っていうか、
「実は走ってるの、僕なんだけどね」
 エルルゥは足を怪我しているため、少年が彼女を背負って走ってたりする。
 
少年の呆れたような声も、もちろんエルルゥの耳には届かない。
彼女は目の前を行くハクオロしか見てないわけだから。
 そんなエルルゥを横目でにらみながら、少年に併走するマナは口元を引きつらせるよ。 
「なによその幸せそうな顔。ついさっきまでこの世の終わりみたいな顔してたくせに……」
「あはは……まあ、よかったじゃないか。結局仲直りできたいだし」
「ええ、そうね。実にあっさりと仲直りかましてくれたわね……
ほんと、気を使った私が馬鹿みたいじゃない……! なにがメランコリックよ! センチメンタルよ!!」

ちなみに、このチェイス。マナにとってもそれほど苦でない。
ぶっちゃけ、ハクオロも少年も全く本気で走ってないのだ。


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