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改訂版投下用スレッド

262自分の力で:2004/05/05(水) 23:44
(捕まえるのはたやすいことなのだけれど……ここまで生き残った娘に対して、
それは少し無粋という気もしますわね……)

 だが、カルラが結論を出すよりも早く、高槻が立ち上がった。
「走れぇぇっ! 繭!! あの幼女を捕まえて来い!!」
「みゅっ!?」
 突然名を呼ばれ、驚く繭に、高槻は続ける。
「ただ座って飯が出てくると思ったら大間違いだぞぉぉぉ!! お前はそんなので、恥ずかしくないのかっ!
お前は役立たずかっ!! 少しは自分で稼ごうと思わんのかぁぁぁぁっ!!」
「う、うく〜 や、やくたたずなんかじゃないもぅん」
「ならば、繭! 自分の力であの幼女を捕まえて見せろ!! そうすればなぁぁぁっ!!」

 高槻は、そこで言葉を切り繭の肩に手を乗せた。
「お前が頑張って、一人で捕まえたことを知れば、七瀬や瑞佳とかいう女どもも喜ぶぞ」

 その言葉に、繭の顔が輝いた。
「おねえちゃんが……? う……うん!!」
 ガタっと席を鳴らし、繭は立ち上がる。
「行ってくるね! おじさん!」
「行って来い!! さぁ、走れぇぇっ!!」
「うん! みゅ〜♪」
 繭は一度だけ大きく手を振ると、みちるの後を追って、走り始めた。
 
(これは……少し意外でしたわね……) 
 その様子に、カルラは軽く驚いた。
正直、この高槻という男は、まあなんていうかもっとどうしようもない奴だと思っていたのだが。
(そうですわね。お手本とさせていただきますわ)
 カルラは、さいかの肩に手を置き、軽く前に押し出した。
「カルラおねえちゃん……?」
「さいか。あの獲物、あなたに譲ります。好きに料理してさしあげなさい」
「でも……お姉ちゃんはいっしょにおいかけないの?」
 戸惑うさいかに、カルラは首を振った。


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