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改訂版投下用スレッド

258自分の力で:2004/05/05(水) 23:40
 サクヤが指し示す方では、
「こらぁ、繭! 綺麗に食うのだぁぁっ! そんなに顔を汚して恥かしくないのかおまえはぁぁ!」
「うくー……おじさん、くすぐったい」
 そんなやりとりをしながら、高槻が繭の顔をぬぐっていた。

「ほら、やっぱりいい感じですよ……って、え!?」
 不意にサクヤが顔を上げた。庭の外を見つめるその目が、驚きに見開かれる。
「ど、どうしたのよ……?」
 怪訝な顔を見せ、そう問う皐月に、しかしサクヤは答えず庭から外に飛び出した。

「由宇さん!! 詠美さん!!」
 ―――そう、叫びながら。 


 由宇、詠美、カルラ、まいか、クロウ、郁美、そしてついでにデリホウライ。
新たな7人のお客様を向かえ、皐月達のレストランは大盛況だった。

「ふ、ふみゅ!? ちょ、ちょっとサクヤ離れてよ!!」
 サクヤに抱きつかれて、真っ赤になる詠美。
 詠美といっしょに抱きつかれている由宇は、ちょっとくすぐったそうな顔をしている。
「元気そうやな、サクヤ。よかったわ。あんな形で別れてちょっと気ぃ、咎めてたんや」
「はい! 由宇さん達も!! あ……でも、鬼になっちゃったんですんね……?」
 由宇たちの身にかかる襷を見てそういうサクヤに、
「いや、アンタはそれを確認せんで抱きついたんかい!!」
 由宇はどこからかハリセンを取り出して、パシンと突っ込んだ。それから、肩をすくめて呆れたような声を出す。


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