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改訂版投下用スレッド

242ずっと傍に:2004/04/18(日) 14:51
「すばるさんは大丈夫でしょうか?」
 夕霧が心配そうに呟いた。
 すばるを探し始めてもう5時間はたっただろうか?
 その間に、まだ顔を出したばかりだった太陽は中天に差し掛かり、いまだ残っている水たまりをその光で照らしている。
 しかしいまだ探し人の姿は見つからなかった。
 その事が不安なのかこころもち夕霧の眼鏡も曇っている。
「まあ心配ないであろう。この島にはどうやらそれほど危険な生物は放たれてない様であるしな」
 すぐ右側で夕霧の心配を解きほぐす様にやさしく微笑みかけるのが危険な生物トップランカーの一匹、ダリエリ。
 その眼光のみで大熊を撃退することすら可能な夕霧LOVE♪ のお茶目な数百歳だ。
「しかし、これだけ探しても見かけるのが鬼ばかりということは、もう終わりは近いということでしょうね。どうしましょうか?」
 もう一人の連れである高子。
 参加人数と島の広さ、そしてすばると分かれた時間から考えて残り時間の間にすばるを見つけることは不可能に近いと思ったのだろう。
 そしてその判断は正しい。
「ふむ、そうだな」
 腕を組み、これからについて考える。
 このパーティーでは暗黙の内にダリエリがリーダーということになっていた。
 やはり唯一の男手であるし、何よりエルクゥの長としての経験も豊富だ。多少自分の趣味を優先しすぎるという難点はあるものの、まあこのメンバー中では一番の適役であろう。
「さて、どうするか……」

「あれ?」

 その時夕霧は、ダリエリの肩が小刻みに揺れていることに気がついた。
 よく見ると足を微妙にゆすっていて、どこが落ち着きがない。そわそわしている。
「何か気になる事でもあるんですか、ダリエリさん?」
「うん? あ、いや、なんでもない。これからのことを考えていただけだ」 
「あ、そうですか」
 納得の意を示す。

(……まあ、伝えてどうなるものでもないからな)


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