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改訂版投下用スレッド

240その思いが届けば:2004/04/18(日) 14:50
「……!?」
 視線をリサの方へ戻して、蝉丸は軽く驚く。
 思った以上に距離が離されていたのだ。そしてなにより―――
(走りから諦めが消えただと……?)
 蝉丸は口の中で再度、舌打ちをした。

 
 ほんのわずかだけど、それでも確かに戻ってきた力に押されて、リサは走る。
 姿を見ることは出来なかった。合図を返すことも出来なかった。
それでも、あの声が誰のものかリサには分かった。

 子狐を思わせる、あの子だ。

 雨に凍え、震えたときに出会ったあの暖かさがよみがえる。
(フフ……私にもそういうの、あったわね)
 基本的に単独行動で、そのことに後悔はないけれど、ずっと一人だったリサにもそういう縁があったのだ。
 それはほんの束の間で、他愛も無いことかもしれないけれど―――


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