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改訂版投下用スレッド

24あなざー:2003/04/01(火) 02:33

 美坂香里は、いや、美坂香里だからこそこの次の事態に反応することが出来なかった。
「これからは違います。私に『こんな酷いこと』させるお姉ちゃんなんていません」
 そういって栞が自分に『中身が入ったままのバニラアイスを投げつける』ということだけは。
 ガスマスクは確かに毒ガスを防ぐ面に置いて実に効果的だ。ただし弊害として視界は狭
窄する。
 半ば溶けかかったバニラアイスのどろどろとした物がマスクに付着し、香里の世界が雪
に覆われてしまう。そして生まれた一瞬の隙をついて噴霧機のノズルを奪い取り、無差別
に辺りへ唐辛子をまき散らす!!
「うわぁ!!」
「きゃあっ!」
「くぅっ!?」
 栞が動いたことに反応して飛びかかろうとしていた久瀬と祐一・郁未が、唐辛子の直撃
を受けて悶える。
「アイスの恨みは海よりも深く天よりも高いんです! お姉ちゃん、私は絶対にあなたか
ら逃げ切ってみせます〜!!」

 崩れた包囲網の隙間をストールを口元に当てた栞が走りすぎる。
 赤い霧が収まった後にはにっくき妹の姿はなく、残るは憤怒の化身となった姉者のみ。
「ふふっふふふ……よぉーくわかったわ。覚えていなさい栞……あなただけには、絶対に
楽でドラマティックな終わり方なんて用意してあげないから」

【栞 逃亡】
【鬼達 悶絶】


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