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改訂版投下用スレッド

239その思いが届けば:2004/04/18(日) 14:50
「あうー……聞こえなかったみたい……」
 がっかりする真琴。だが、背後からの声がそれを否定した。
「そんなことないよ。きっと届いたよ」
「あれ? 瑠璃子?」
 ふりむくと、そこには瑠璃子の姿があった。佐祐理の話のせいだろうか。
その顔に浮かぶ微笑には影がなく、本当に嬉しそうだ。

「真琴ちゃんの思い、きっと届いたよ」
 青空の下、腕を広げて風を受け、華やいだ声で瑠璃子は言う。
「こんないい天気だから、どんな思いだってきっと届くよ。
―――今、私にも一つの思いが届いたから」
「……うん! そうだよね! きっと届いたよね!」
 真琴も笑うと、リサの消えた方へ思いっきり手を振った。 
  
 
 突如聞こえてきた少女の叫び声に気合をそがれ、蝉丸は舌打ちをしながら、
走りながら声のした方をチラリと見た。
 目に入ったのは、大分遠いところに見える駅のような施設。
それから、こちらに向かって叫ぶ小柄な少女の声だ。
 鬼のようだが、こちらにわってはいるつもりはないらしい。
というより、今にも木に邪魔されて視界から消えそうだった。


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