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改訂版投下用スレッド
236
:
その思いが届けば
:2004/04/18(日) 14:49
真琴はため息をついて、駅舎のほかの人達を見回した。
他の連中もおおむねマッタリモードだ。清(略などは、
「ええい! まだ戦いは終わってはおらぬぞ! 出番を! もっと活躍を!!」
などと叫んでいるが、
「いや……いい加減俺は限界なんだが……いてて! 姉さんもっと優しく!
つーか、なんで俺の手当てを姉さんがやってるんですかい?」
と、矢島が答え、彼の手当てをしている七瀬は憮然とした表情で、
「何言ってるのよ! あんたが頼んだんじゃない!」
と文句をいう。
「あー……そうでしたっけぇ?」
とぼける矢島に、どこか優しく佐祐理が微笑んだ。
「あはは〜 矢島さん、昨日、七瀬さんが垣本さんをお手当てしていたのが、うらやましそうでしたね〜」
「え……そうなの? 矢島」
「は!! んなわけねー!! ただ、佐祐理さんの手を煩わせるのも悪いかな、と思っただけっすよ!」
「はいはい。私の手を煩わせるのはOKなわけね。ほら、その汚い顔、そっちに向けて!」
そう言って消毒を続ける七瀬の手つきは、口とは裏腹にどこか優しかった。
……ちなみに、垣本はというと部屋の隅でしゃがんだままエヘラエヘラと笑っていた。
「佐祐理さんの胸が……俺の顔に……」
たまにそう呟く垣本はおおむね幸せそうに見えたので、みんなそのまま放置していた。
(あうーっ……あそこもなんか春みたい……)
春が来てずっと春だとやっぱり困るんだなぁ、と真琴はぼんやり思った。
かくいう真琴も、今から出て行って逃げ手を捕まえるほど気力があるかというと微妙である。
まあ、なんだかんだいって一人は自力で捕まえたのだ。それなりに満足もしている。
ただ、このままのんびりまったりお茶するのには、彼女はちょっと元気すぎた。
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