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改訂版投下用スレッド
234
:
その思いが届けば
:2004/04/18(日) 14:48
(なんだ……それじゃ、もう私が捕まるのは決定?)
互いに邪魔しあうことで、勝負が長引くだろう。だが、見失うということが無い以上、
遠からず自分は必ずつかまってしまうわけだ。
(それじゃ、こうやって走るのも無駄な努力ね……)
―――そんなふうに考えてしまうほどに、リサは疲れ果てていた。
(心が折れているようだな)
醍醐の足払いをかわしながら、蝉丸は目の前を走る女性を観察した。
後ろにいるのだから、その表情までは分からない。
しかし、それでも分かることはある。
あの走りからは、絶対に逃げ切ってやるという意志や覇気が欠けている。
(そうなると、やはり一番の厄介はこいつか)
蝉丸はチラリと横目で先ほど現れたライバルをにらんだ。
蝉丸とて、ある程度は疲れている。対してこの乱入者はまだまだ体力も十分。
太った体躯に似合わずその動きも俊敏で、追跡に関する知識も豊富なようだ。
油断ならぬ相手である。
だが、冗談ではない、と蝉丸は思う。
ここまで追跡に努力してきたところで獲物を掻っ攫われぬかもしれぬと思うと、
おおむね淡白な彼でさえ腹が立つ。
「ここまで来て獲物を横取りされるわけにはいかん!」
その苛立ちからか、蝉丸にしては珍しく声を荒げる。
「女狐程度に勝負を長引かせているのが、無能の証拠よ!!」
醍醐はそれに、ニヤリと笑って言葉を返す。
(ち……そうかもしれんな)
慎重すぎたかもしれん。蝉丸はそう思った。御堂のような強引さが自分にあれば、勝負は既に決まっていたかもしれない……
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