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改訂版投下用スレッド

229背景〜Background〜:2004/04/18(日) 14:46
 楓は商店街に入って、すぐに嫌な予感に襲われた。
 楓の勘は鋭い。よく「楓の勘は当たるからなあ」とよく言われる。その勘が何かをとらえた。
 気配がした。とても薄い微弱な気配だったが、それは間違いなく楓を狙っていた。気配が襲ってくる。伸ばされた手が見えたような気がした。
(くっ……!)
 身体を無理矢理捻ってかわす。勢いを殺さないようにそのまま軸足を使って回転する。上手くやり過ごせたようで、そのまま逃走を再開する。
 後ろから鈍い音が聞こえたような気がしたが、気にせず逃げる事に集中した。

 鹿沼葉子は楓のその動きをしっかり捉えていた。
(どうしたのかは知りませんが、チャンスです!)
 逃走の途中で回転運動などという無駄な動き。一瞬楓の速度が落ちる。その一瞬を逃さないように葉子は速度を上げる。間を詰めようとしたその瞬間。
 何かに思い切りぶつかった。
「きゃあ!?」
「葉子殿!?」
 神奈の声が聞こえる。体勢が崩れる。思わず転びそうになるがなんとかこらえる。
「!?」
 隣を走っていた光岡が顔を顰める。が、何事も無かったように走り続け、葉子の前に出る。
(しまった!)
 急いで体勢を立て直し、光岡の横に再び並んだ。
 光岡の向こうを走っていた虎から、どん、という音が聞こえたような気がしたが、気にせず追跡を再開した。


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