[
板情報
|
カテゴリランキング
]
したらばTOP
■掲示板に戻る■
全部
1-100
最新50
|
1-
101-
201-
301-
この機能を使うにはJavaScriptを有効にしてください
|
改訂版投下用スレッド
228
:
背景〜Background〜
:2004/04/18(日) 14:45
商店街のアーチをくぐる。まだ真新しい商店街の屋根が光を遮り、心持暗くなったような気がする。
ウルトリィは、楓を上空から追いかけつつも、内心歯噛みしていた。
「くっ……彼奴め、こんな所に入るとは……飛ぶには狭いぞ……」
神奈が一人ごちる。ウルトリィはそれを聞きつけて、心の中で同意する。
(確かに狭い……このままではまずい)
商店街の屋根は、せいぜい三階建ての建物程度の高さしかない。しかも道幅がそれほどある訳でもなく、神奈とウルトリィが並んで翼を広げたら、それで一杯になってしまう程度だった。
お互いの翼が邪魔になって、心理的にも物理的にも飛び辛い。プレッシャーがかかる。
ウルトリィの仲間は、今楓を追いかけている先行組の中にはいない(アルルゥとユズハは微妙な所だが)。往人も、大志も、瑞希も、かなり後ろの方に引き離されている。
一人先行して逃げ手を捕まえる。その大任を任されているのに、このままでは何の役にも立たないまま終わってしまう。それでは三人に申し訳が立たない。
(こうなれば……もう低空飛行で追うしかない……)
大空から急襲して捕まえる、それが無理なら、先行組の中に入って共に追うしかない。ウルトリィはそう決心すると、楓たちを見下ろして高度を下げようとした、その時だった。
楓が、急にくるりと身を捻って一回転したのだった。まるで何かをかわすかのように、軸足を中心にくるりと回って、再び逃げ始めた。その直後、追いかけていた先行組の先頭にいた葉子が何かにぶつかったかのように弾かれた。
「きゃあ!?」
「葉子殿!?」
それに気がついた神奈が声をあげる。さらにすぐ横を走っていた光岡悟も何かにぶつかったようだった。少しよろめくが、再び走り出す。葉子もすぐに体勢を立て直して元の速度に戻る。そしてアルルゥとユズハを乗せたムックルから、どん、という鈍い音が聞こえた。
が、それが何かを考える暇も無く楓は逃げ続け、先行組は追い続ける。ウルトリィはそれを無視することにして、再び高度を下げて楓を追い始めた。
新着レスの表示
名前:
E-mail
(省略可)
:
※書き込む際の注意事項は
こちら
※画像アップローダーは
こちら
(画像を表示できるのは「画像リンクのサムネイル表示」がオンの掲示板に限ります)
スマートフォン版
掲示板管理者へ連絡
無料レンタル掲示板