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改訂版投下用スレッド
222
:
士族の愛憎劇
:2004/04/18(日) 14:42
「あたりは血の海だからすぐ見つかる! せいぜい優しげに看病してやれ!」
「Ya!」
「とゆーわけで、またあとでねっ!」
最後の締めはまいかが吐き、二人と一人はその場にすれ違い、各々の目指す先へと駆けて行った。
「……来たか!」
場面は戻って待ち伏せトウカ。
彼女の目線の先には、道の向こう側から鬼気迫る表情で迫ってくる岩切とその背中のオマケ。
勘は当たった。ここで止めねば、確実に浩平の観鈴ゲット計画が非常に困難になるだろう。
腰の刀をスラリと抜き放つと、トウカは高らかに叫んだ。
「某の名はエヴェンクルガのトウカ! ここから先は通さん! いざ尋常に勝――――ブッ!!?」
名乗り終えないうちに、トウカの鼻っ面に岩切の足の裏が突き刺さっていた。
そのままひっくり返るトウカ。一方岩切はその直後に綺麗に着地すると、何事もなかったかのように先を急ぎ……
「待て! 待て! 待てぃ! 待て待て待て待て待て待て待てぃ!!!!」
慌ててトウカは起き上がると、岩切の直前に立ちふさがる。
「ふ、不意打ちとは卑怯な! 貴殿も戦士の端くれな――――なっ!?」
が、またしても言葉は途中で遮られた。岩切は、今度は無言のままにその手に握った剣を振り下ろしてきたのだ。
「なっ!? くっ、このっ……卑怯者めがっ!!」
純粋な剣術ならばトウカに分がある。
多少は面食らったものの二度三度と切り返しを受け止めるうちに体勢も整え、情勢は次第にトウカが押す形となっていた。
「許さん! そのねじくれ曲がった性根、某が叩きなおしてくれるわ!」
裂帛の気合と共に、トウカが最後のラッシュを仕掛ける。しかし岩切は、そんなトウカの一撃目を受け止めた瞬間。
ぱっ。
と両手を開いた。
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