したらばTOP ■掲示板に戻る■ 全部 1-100 最新50 | |

改訂版投下用スレッド

220士族の愛憎劇:2004/04/18(日) 14:41
「……?」
 ソレに最初に気が付いたのは、トウカだった。
「…………」
 押し黙ったまま、腰の刀に手を添える。
「トウカ?」
 続いて浩平が、そんなトウカの様子に気が付いた。
「……どうした?」
「…………」
「何か、あるのか?」
 訝しげな浩平だが、トウカは何も答えない。
「…………」
 なおも押し黙ったままのトウカに、いい加減浩平がしびれを切らしかけた、その時、

 がささっ! がおっ!

「!?」
「浩平っ!」
 道の前方から、薮の揺れる音とセットのマヌケな声が聞こえた。
 長森の叫びよりも早く音の元に視線を送る――――いた!
「見つけたぞ金髪ポニテ!」
「わ、わっ!」
 顔に葉っぱと土をくっつけた状態の観鈴とピッタリ目が合う。
「……見つかったっ!?」
 瞬間――観鈴は駆け出した。薮の中から転がり出て、道のド真ん中を、やや前方につんのめりながら。
 観鈴ちんにしては妥当な判断だ。
 が、浩平も黙ってそれを見送るほどお人よしではない。浩平には観鈴を見逃す義理も人情もなければ、慈悲の心もない。
「とっ捕まえる! 行くぞ長森! ゆかり! スフィー! トウカっ!」


新着レスの表示


名前: E-mail(省略可)

※書き込む際の注意事項はこちら

※画像アップローダーはこちら

(画像を表示できるのは「画像リンクのサムネイル表示」がオンの掲示板に限ります)

掲示板管理者へ連絡 無料レンタル掲示板