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改訂版投下用スレッド

20アナザー3:2003/04/01(火) 01:33
 胸の前で手を組む。
「だから、こうして鬼ごっこをすることになって、私とてもうれしいんです。
私の実力がどこまで通用するのかなぁって」
「財布を盗んだり、人をだましたりするのも実力だって言いたいんか?」
「財布を盗んだのは、やりすぎでしたね。反省してます。
いつもこうなんですよ、初めてのことになるとはしゃぎすぎちゃって」
「弁当作ってもらったときも、そうだったな。重箱はびっくりしたぞ」
「そんなこという人、嫌いです」
 栞は祐一にちょっとすねてみせる。
「でも、人をだましたりするのはOKだと思いますよ。それだってかけひきですよね?
病弱なのはハンデじゃありません。私の武器です」
 きっぱりと言い切る。
「だから…」
 久瀬の方に真剣な目を向ける。
「私を弱い人扱いする久瀬さんは嫌いです。私は私の力で逃げ切って見せます」
 久瀬の目を見たまま続ける。
「だから、あなたにタッチされるぐらいだったら、お姉ちゃんに捕まります。久瀬さんだったら…」
 一度言葉を切る。
「私 の 本 当 に 言 い た い こ と 、 わ か り ま す よ ね?」
「面白いわね、あの子」
 郁未がささやいた。
「……」
 久瀬はしばらく返答に窮した後、ニヤリと笑って天を仰いだ。
「了解したよ、君の言うことはよくわかった」
「そう!!それじゃ覚悟したわけね!栞!!」
 焦らされていた香里は、ついに栞をタッチしようと、前に出た。だが、
「違うよ、香里さん。栞さんが言いたいことはそういうことじゃない」
「え?」
 久瀬の声に振り向くより早く、久瀬の持っていたマントが香里の顔を覆い、視界を奪った。そして……
「な、何を!!」
 噴霧器を香里の手ごと引っ張って、智子組に向け、引き金を引く。


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